花の慶次
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花の慶次 -雲のかなたに-
ジャンル少年漫画歴史漫画
漫画
原作・原案など隆慶一郎
作画原哲夫
出版社集英社
掲載誌週刊少年ジャンプ
レーベルジャンプ・コミックス
発表号1990年13号 - 1993年33号
発表期間1990年2月27日 - 1993年7月20日
巻数全18巻
全10巻(文庫)
話数全166話(読切版を含む)
テンプレート - ノート

『花の慶次 -雲のかなたに-』(はなのけいじ くものかなたに)は、原哲夫による日本漫画隆慶一郎作の歴史小説一夢庵風流記』を原作としている。

戦国の世を、当代きっての傾奇者として生きた漢・前田慶次の奔放な生きかたを描いた作品である。『花の慶次 -雲の彼方に-』と題を変えて再版もされた。
概説

週刊少年ジャンプ』(集英社1989年50号に読切版が掲載され、翌1990年13号から1993年33号に渡って連載された。タイトルの発案および、題字は、隆慶一郎の手による。1993年にはカセットブックが発売されている。コミックスは、ジャンプ・コミックス全18巻(集英社)、1999年集英社文庫版(集英社、全10巻)、2001年から2002年にかけてコンビニコミック版(新潮社、全21巻)、2004年から2005年にかけて完全版徳間書店、全15巻)、2007年にコンビニコミックワイド版(徳間書店、全8巻)、2008年から2009年にかけてバンチコミックスデラックス版(新潮社、全12巻)、2009年に新装文庫版(徳間書店、全10巻)、2011年にゼノンコミックスデラックス版(徳間書店、全12巻)がある。

スピンオフ作品『義風堂々 直江兼続 -前田慶次月語り-』(原作:原哲夫・堀江信彦、作画:武村勇治)が『週刊コミックバンチ』(新潮社)において、2008年50号から2010年38号まで連載された。

その後、同誌の後継誌の一つである『月刊コミックゼノン』(徳間書店)創刊号(2010年12月号)より、続編となる『義風堂々!!直江兼続 -前田慶次酒語り-』と『義風堂々!!直江兼続 -前田慶次花語り-』(作画:出口真人に替わる)が連載。また、関ヶ原後の慶次が、立花・加藤ら鎮西(九州)の豪傑を訪ねる趣向の『前田慶次 かぶき旅』(原作:原哲夫・堀江信彦、作画:出口真人)が101号(2019年4月号)から連載されている。

2020年2月時点で累計発行部数は1800万部を突破している[1]
作画の変遷

作画の原哲夫の前作『CYBERブルー』や『北斗の拳』とは異なり、絵の描き込みが簡略化され線が少なくなっている。原があまりに多忙なためやむ無く効率化を図ったものとされているが、その結果読者や関係者から「絵が見やすくなった」と絶賛され、以後このスタイルを保つようになったという。原本人はこの評価を受けて「今までの苦労は何だったんだろう」と語っている。

ただし簡略化されたとはいえ人物のアップなどで見せる重厚な描き込みは健在であり、鎧など武具のディテール、並びにバリエーションの多さには原の並々ならぬこだわりがうかがえる。連載での千利休豊臣秀吉石田三成茶々らの人物像とそのファッションは、1989年平成元年)に公開された日本映画利休』がベースとなっている。
原作小説・史実との比較

隆慶一郎門下の麻生未央(藤森いずみ)が小田原編までの脚本を担当。原作に登場した様々な心理描写や独特の台詞回しを踏襲しながら、隆慶一郎の他作品のエッセンスも加えつつ、少年コミック誌向けの様々なアレンジ及び、少年誌掲載ゆえに生ずる表現上の制約への対応を施している。

原作との主な相違点としては、

前田慶次郎利益が「慶次郎」ではなく「慶次」と呼ばれている

原作にはないオリジナルエピソードの追加

原作には登場しない新しいキャラクターの追加(ならびに一部キャラクターの削除)

エピソードの流用ならびに入れ替え

戦闘シーンの漫画的脚色

が挙げられる。

原作中盤の「唐入り」編は出版社側の意向により、漫画版オリジナルの琉球編へと大幅に変更された。琉球編の展開は漫画オリジナルのものだが、唐入り編のエピソードもいくつか流用された。琉球より帰国した後の物語終盤の展開については、原作の伽姫が利沙に、金悟洞が岩兵衛に置き換えられ、一部エピソードが省略されている以外は、原作後半のストーリーを概ね忠実に踏襲している。ただし、原作では全体の約4分の1に相当する分量を単行本1巻分に収められるように描いたため、展開が非常に急なものとなっている。

実際の前田慶次郎利益の生年については諸説あるが、最も若いとされる生年を採用するならば、劇中での年齢は30代ないし40代である。本作では、慶次の年齢・加齢について触れる描写がほとんどなく、その容貌も一貫して青年のように描かれているが、前田利家が荒子城での出来事を回想するとき、16年前とされるその回想の場面に登場する奥村助右衛門の年齢が18歳と表記されており、慶次郎もそれとほぼ同い年だとすれば、本作序盤の天正12年(1584年)時点での年齢は30代中盤である[2][3]
主な登場人物

ここでは簡単な説明に留める。詳細は花の慶次の登場人物を参照。
前田慶次
天下一の傾奇者で、身の丈は六尺五寸(197cm)以上ある大柄の武将。滝川一益の従弟・益氏の次男で、前田利家の兄・利久の養子となったが、利家とは不仲である。自らの道理で生き、自由を貫き通す奔放な男。愛馬は松風。
捨丸
かつては四井主馬の家来だった小柄な忍び。弟を松風に蹴り殺され慶次を付け狙っていたが、その一方で惚れ込んでもおり、仲間7人を殺して慶次に仕える。慶次を殺した手柄で侍になることが夢だったが、主馬との再会でその機会を得た際、慶次の人柄を改めて知り「正々堂々と戦って殺らなきゃ罰があたる」と殺すことを思いとどまった。
岩兵衛
本作オリジナルキャラクター。隆慶一郎の『花と火の帝』のキャラクターを変形させ、流用した。鬼のような顔をした七霧の里の住人。おふうの育ての親でおふうを連れ戻そうと慶次の命を狙っていたが、慶次の人柄に惚れ、その後家来となる。高い身体能力を持ち、人の心も読める。
おふう
本作オリジナルキャラクター。耳そぎ願鬼坊にさらわれ、耳そぎと耳持ちをやらされていた少女。外見は7?8歳前後の子供に見える。当初は表情も暗く喜怒哀楽を表に出さなかったが、やがて感情を取り戻し、合戦以外では慶次らと行動を共にするようになる。
まつ
利家の正室。母性的でいて尚且つ少女のような可憐さを持つ美女。慶次が心底惚れている女性であり、何かと気の弱いところがある利家を支える女丈夫である。その奔放で天真爛漫な性格は、利家および配下の者たちの心配の種になっている。
前田利家
前田家を治める大名。かつては「槍の又左」と称されるほどの猛将だったが、作中(1580年代中盤以降)ではプライドばかり高く周囲を気にする小心者であり、慶次と対比して器量の狭い人物として描かれている。そろばんがトレードマークであり、それは別のゲームなどにも流用された。「俺は今まで誰からも好かれた事がない」と自認しており、万人から愛される慶次に嫉妬すると同時に自身の地位を脅かす最大の内敵と恐れている。

流派
穀蔵院一刀流(こくぞういん・いっとうりゅう)
前田慶次(前田利益)が開いた実在した
剣術の流派だが、本作中では、慶次の諧謔に過ぎず、獣並みの速さと力で相手を圧倒する戦場の剣であり、修得すべきいかなる型や技も存在しないというように描かれた。
手(てい)
与四郎、カルロスが使っていた体術。後の空手の源流。
甲陽流忍術
真田幸村と猿飛佐助が習っていた体術がこの流派の流れを汲む。
天下一夢想流
荒井願鬼坊の流派。とてつもなく素早い居合で相手を攻撃させず、あっという間に斬ってしまう。だが、慶次にはまったく通じず、逆に大上段からの唐竹割りで盛大に体を両断された。
二刀流
竜嶽は唐剣の二刀流を使う。これも原作の庄司甚内からとみられる。
奥義
靭猿(うつぼざる)
加賀忍軍の秘術だったが、使う前に慶次に葬られた。
火術不知火
加賀忍軍の技。火薬を体に巻いて相手とともに自爆する。
影象青撹
毛虎親方五人衆の錦が宝山と対峙した時に使った技。背景に溶け込み姿を消す。
水蓮波
毛虎親方五人衆が海にまで追ってきた慶次に対して使った技。高波を起こして相手の進行を阻む。
武器など
千子村正(せんじむらまさ)
別名「千手(住)院村正」(せんじゅいんむらまさ)。慶次の戦友・山上道及が最上との戦い(慶長出羽合戦)で重傷を負った際、治療の返礼として(本人は形見のつもりで)慶次に譲り渡した。
朱槍
慶次が好んで使う赤い槍。鉄筋を幾重にも束ねているので普通の人間には持つことも出来ない重量になっており、慶次の「槍は殴る物」という持論通りに柄の一撃すら人間を殺傷しうる一撃となる。


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