舳倉島(へぐらじま)は日本海に位置する島であり、石川県輪島市海士町に属する。 周囲約5 km、面積0.55 km2の島である。海抜高度は最高地点で12.4 m、地質は安山岩類からなる[1]。北側は崖や岩礁が多いが、南側はなだらかで漁港や砂浜がある。 2000万年前の火山活動により形成され、西岸に海没した火口跡を持つ[2]。最終氷期で海水面が低下した2万年前は七ツ島とともに能登半島と陸続きであったが、1万6千年前に能登半島から分離した[3]。地形に関しては上中下3段の段丘があるが、比高が小さく、段丘堆積物もみられないか非常に薄い[1]。 舳倉島の北約250-200 mにある小瀬と大黒瀬の2つの小島は日本の排他的経済水域 (EEZ) の基点となっている[4]。 島の中央には灯火標高42.7 mの舳倉島灯台
地理
気象庁では、平成25年台風第26号による伊豆大島の大雨被害等を受けて、島しょ部や豪雨災害が起きている地域に雨量計を増設することとし、雨量観測所「舳倉島」が設置され、2014年8月7日より運用を開始した[6]。 渡り鳥の重要な中継地であり、ヨタカ、チゴモズ、イスカ、コウライウグイス、ツバメチドリ、キタツメナガセキレイなど360種類以上の野鳥が確認されており、石川県で確認できる野鳥の約8割を観察できるバードウォッチングに適した地域である[7]。一方で、コウモリ類は散発的に確認されることはあるが、通常生息はしていない[8]。 イルカ類[9]やキタオットセイ[10]などの海獣は近年にも時節確認されているが、かつては多数が見られたとするニホンアシカは現在では絶滅種に指定されている[11]。 植物では北方系のアカネムグラやヒメヌマハリイの南限となっている。その他ウラジロアカザ、ハマエノコロは石川県で舳倉島のみに自生する植物である[12]。 2000年(平成12年)国勢調査によれば人口164人だったが、2020年(令和2年)国勢調査では人口は66人、世帯数32世帯となっている[13]。ただ、舳倉島の人口には季節変動があり、漁獲時期(ピーク時)には200人ほど、冬期間は30人ほどとなる[13]。 後述のように昭和30年代までは定住者はほとんどいない島で、夏季のみ本土の輪島市海士町から季節移住する形態がとられていた[13]。 主産業は漁業で、このほかに副業的に行われている民宿と海士町自治会が取り組んでいる製塩施設などがある[13]。
生物相
住民生活
海女漁
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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