舗装
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舗装(鋪装、ほそう)とは、道路の耐久力を増すために表面を煉瓦コンクリートアスファルト砂利などで敷き固めることである。
概要

道路の断面は、多くは表面から地下の順に、表層・基層・路盤(上層路盤と下層路盤)・路床(ろしょう)とよばれる各層からなり、このうち表層・基層・路盤を併せた部分が舗装と定義されている[1][2]。舗装の下にある1メートルの層が路床、その下を路体(ろたい)と呼び、舗装を支える基礎となる地盤である[1][2]。高架橋やトンネル内の道路、歩道などでは、舗装の断面構成要素はこれらの内容とは異なる[1]。普通、表層部は一般にアスファルトとよばれているアスファルト混合物アスファルトコンクリート、基層部は表層部よりアスファルト混合量が少ないアスファルト混合物、路盤は人工的に粒径を調整された砕石によって構成されている[1]。表層にはアスファルトが使用されることが多いが、環境に配慮した道路や遊歩道では、インターロッキングブロック (ILB) が使用される例もみられる[1]

道の歴史は、原始人が草を踏み分けたものから始まり、歩き辛さを軽減するために小石などを取り除き、やがて牛・馬の背に載せたり、台車を使ったりすることで、荷物を大量に運搬することができるような道になっていったと考えられている[3]。人は、物の運搬の効率化を考えるようになると、なるべく牛や馬の疲れを軽減し、人も歩きやすくするために道路改良を行うようになり、雨天によって出来たぬかるみなどで歩行に影響が出ない人工的な路面、すなわち舗装が考えられるようになった[3]。近代になると自動車が走るようになり、その後の自動車の大型化が進むとともに道路の舗装断面もそれに耐えうる構造に、舗装の設計法は変わっていった[3]

したがって、舗装の役割・機能とは次のようなものである。
路面が雨天時に軟弱になり泥濘化[注釈 1]することや、晴天時に車両が通行することで砂塵が巻き上げられ、周囲環境が汚染されるのを防止する[4]

路面を平坦にし、また適切な摩擦抵抗をもたせることによって、人が歩く時、また車両で走行する時の快適性や安全性を向上させる[4]

道路の耐久性を高める[4]

舗装は設計に際して、交通荷重と自然環境の作用に対する耐久性確保に配慮する必要がある。舗装の基礎部分である路床は、その上層の加重および交通荷重に耐えられなければならず、道路の善し悪しは路床の強度で決定づけられる[1]。舗装全体は、表層からの交通荷重を分散させられるように適切な構造でなければならない。その場所ごとの状況・条件、沿道環境、経済性などを考慮しながら舗装の構造を決定する必要がある。
歴史
世界

舗装の歴史は古く、道路の歴史とともに人々の文化や産業が発展するたびに、変遷を遂げてきた[5]

紀元前3000年頃の古代エジプトピラミッド建設用の石積道は、巨大な石を運ぶためにしっかりとした舗装がされた[5]ギザの大ピラミッドの建造では、平均数トンの重さの石が2百万個以上運ばれたので特に丈夫な舗装が行われた。紀元前5世紀ころの古代メソポタミアの中心都市バビロンの「王の道」では、アスファルトが用いられた[6]。紀元前1600年頃とされるクレタ島の道では、基礎部分にモルタル石膏と火山灰土を混合したもの)やセメントを敷き、その上に玄武岩の板石や砕石を敷き並べた。(道の両脇には排水溝も備えていた)ローマ街道の標準的な舗装の断面ローマ街道の舗装の表面

ローマ帝国によって紀元前350年頃からヨーロッパを中心に800年をかけて建設されたローマ街道では[5]、主要な街道はすべて石で舗装された[7](「敷石舗装[7]」、「石畳」)。驚くことにローマ街道の舗装の全構成厚は1.0 ? 1.5 mほどもあり、現代の先進国の幹線道路などの舗装と同程度の厚さで作っていた[7]。最上層は、接合面がぴったり合うように切った一辺70 cm程度の大石をすきまなく敷き詰めている[7]。路面は丸みを持たせて雨水などを道路両端の排水溝へ流す仕組みがなされた[5]。ローマ帝国の土木技術は当時、圧倒的に優れていて、石の加工技術にも秀でていた。特に有名なアッピア街道は、現在でも車の通行にたえている[8]。ローマ帝国では、軍事的および政治的な目的で、物資輸送を迅速に行うためにこのような舗装の整備が発展した[5]

中世ヨーロッパ各国では、石畳やレンガ舗装が普及した。フランス国王フィリップ2世(1165?1223年)は、パリの道路を全面、石で舗装するよう指示したものの、砂岩の薄い板の舗装を選択したため壊れやすく、また費用も市民まかせにしたため工事もほとんど進まなかった。パリで本格的に石畳の道が広まったのは15世紀頃で、固い舗石を敷き並べるものであった。

イギリスを中心に産業革命が進むにつれ、陸上交通は乗馬による移動から馬車による移動へと変化し、その交通量も増加するようになると、交通事情の変化に合わせて安価でかつ耐久性に優れた舗装が次々と開発されるようになった[5]。代表的なものとして、トレサゲ工法、テルフォード工法、マカダム工法といった砕石舗装の道が整備されるようになり、19世紀まで普及を続けていった[5]

1764年にトレサゲ(英語版)(1716?1796年)が、路床面と路面が同じ曲率を持つように、上方に凸状に反らせる砕石舗装を提案した(「トレサゲ工法」)[9]。この舗装は、上反り状に形成された路床に厚さ20 cmの栗石の基板層を施設し、その上層部に厚さ5 cmの砕石、表層部に砂利2.5 cmを敷き詰めて転圧したものである[9][10]。路床に水が浸入すると支持力が低下するので、それを防ごうと、排水を路肩に流すことに配慮したものであった。

1805年にはスコットランド生れのトーマス・テルフォード(1757?1834年)によって、トレサゲ工法の欠点を解消する方法が考案された[9]。路床は平面のままとし、頑丈な基礎によって荷重に耐えさせるという考えで、新しい断面が考案されたのである(「テルフォード工法」)。平坦に形成された路床の上に栗石の基板層を厚さ約18 cmで敷設して基礎とし、その上に厚さ18 cmの砕石、表層部分に砂利2.5 cmを敷き詰めて転圧したものである[9][10]


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