自転車専用通行帯
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

自転車通行のためのほかの道路施設については「自転車道」をご覧ください。
普通自転車専用通行帯普通自転車専用通行帯標識(327-4-2)

普通自転車専用通行帯(ふつうじてんしゃせんようつうこうたい)は、日本の道路において専ら自転車通行のために、車道の左端に設けられる車両通行帯(レーン)で、自転車専用の標識標示の両方が掲げられているもののこと[1]。地面がに塗装されていることが多い[2]。一般に(青い)自転車レーン[2][3]、自転車専用レーン[4]とも呼ばれる。

普通自転車専用」と言う名称だが、普通自転車以外の自転車も通行可である。

なお本項目では、自転車レーンに見かけ上類似した「路面表示」による通行誘導、「自転車ナビマーク」およびその他の自転車通行空間として指定された道路上の設備についても述べる。
概要

普通自転車専用通行帯が設置されている道路では、普通自転車は、原則としてこの部分を通行しなければならない。また、2023年(令和5年)7月1日施の特定小型原動機付自転車および軽車両(普通自転車以外の自転車を含む)は専用通行帯規制の対象外の車両であるため[5]、道路標示に関わらず、原則として第一通行帯を通行しなければならない(なお、普通自転車専用通行帯は通常第一通行帯として設置されるため、結局、特定小型原動機付自転車および軽車両は専用通行帯の部分を通行することとなる[2]

「特定小型原動機付自転車および軽車両」以外の車両(すなわちオートバイを含む自動車、一般原動機付自転車)は、原則としてこの部分を通行してはならない。
詳細

「特定小型原動機付自転車および軽車両」以外の車両は、通常は一般原動機付自転車は第一通行帯を通行し、自動車で速度に応じる場合はそれに加えて最も右側以外の通行帯を通行でき、最も右側の通行帯はいずれも通行できないところ[6]、第一通行帯に自転車専用通行帯が設置された場合、普通自転車専用の第一通行帯は通行できず、逆に第一通行帯以外の全ての通行帯を通行できる[7][5]

したがって、オートバイを含む自動車、一般原動機付自転車は、車両通行帯通則(法第20条第1項の通則)の例外(法第20条第3項)となる場合(左折のためにあらかじめ左側端に寄る場合など)を除いて、ここを通行してはならない。走行すると通行帯違反となり、交通反則切符が切られる[4]。「車両通行帯#専用通行帯など」も参照

また、通常は道路標識等により駐車禁止場所に指定されている事が殆どであり、車両は駐車してはならない(法令の規定によりやむを得ず駐車する場合はこの限りではない)。ただし、停車は(駐停車禁止場所でなければ)可能である[1][8]。しかし、実際には違法な路上駐車が多く、なかなか自転車レーンを安全に走ることができないのが実情である[9]
法律上の位置づけ

道路交通法第20条第2項の「車両は、車両通行帯の設けられた道路において、道路標識等により前項に規定する通行の区分と異なる通行の区分が指定されているときは、当該通行の区分に従い、当該車両通行帯を通行しなければならない」が法的根拠である[10]。また、道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(標識令)にも交通規制の根拠としての条文および道路標識・道路標示の様式が規定されている。
経緯

自転車は、車道の一番左を走るべきものとして規定されていたが、1960年代のモータリゼーションの発達の中、歩道の整備も遅れている状況で、自転車と自動車の分離に重点が置かれ、道路交通法の改正により普通自転車を規定し広い歩道として整備される自転車歩行者道を走行する規定を設けるなど自転車と歩行者の分離をせずに整備されてきた[11][12]。その後、自転車乗車中の交通事故死者は減少したものの、対歩行者の事故の減少幅は小さく、自転車が車両であるという認識が希薄となり歩行者が危険に晒されているとして2000年代頃から問題になった。

平成24年国土交通省警察庁が導入ガイドライン[13]を発表した[14][15]国土交通省は自転車による交通事故件数が高止まりしていることを懸念し、各自治体に、整備計画として「自転車走行空間ネットワーク整備計画」の早期策定・実行を求めていた[16][17]。これが功を奏してか、今日では全国に自転車レーンが見られる。
歴史

2008年(
平成20年):道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(標識令)が改正され、「専用通行帯」としての「普通自転車専用通行帯」が法的に設置可能となった[18]

2012年(平成24年):国土交通省警察庁が導入ガイドライン[13]を発表した[14][15]

ガイドライン発表後も、国土交通省は各自治体に、整備計画として「自転車走行空間ネットワーク整備計画」の早期策定・実行を求めた[16][17]


2019年(平成31年/令和元年):には道路構造令の改正で自転車通行帯の規定が設けられた。[19]

2020年(令和2年):新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴い、感染拡大防止策として、3密となる公共交通機関を避けられるため、欧州では自転車専用レーンの整備が加速した[20]

「路面表示」による通行誘導

あるいは、車両通行帯に満たない路肩部分を「路面表示」により通行誘導しているものも存在する。これは見かけ上、普通自転車専用通行帯と見分けが付きにくい場合もあるが、道路標識の設置が無いこと、道路標示に「自転車専用」の文言が無い事で区別可能である。なお、後述の「自転車ナビマーク」は、見かけ上の見分けはつきやすいものである。これらはガイドラインでは「車道混在」と位置付けられている。

いずれも、縁石または柵により区画された自転車道(狭義)とは区別される。以下は、普通自転車専用通行帯またはこれに見かけ上類似する「路面表示」による通行誘導の法的扱いその他について詳述する。(煩雑となるためすべて自転車道(狭義)が設置されていない場合を前提とする)


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:35 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef