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自走式対空砲(じそうしきたいくうほう、英語: self-propelled anti-aircraft gun、SPAAG)または対空自走砲(たいくうじそうほう)は、航空機やヘリコプターなど、飛行中の目標を破壊するための高射砲・対空機関砲・地対空ミサイルを搭載し、自力で移動可能な戦闘車両である。
概要.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}装輪式のパーンツィリ-S1レオパルト2にマークスマン対空砲塔を搭載したもの。
全ての自走式対空砲は、1門以上の対空兵器とその光学式照準器や電波探信儀などの照準・探査・射撃管制装置、及びこれらを搭載する車体からなる。射撃の際には停止して固定砲台として用いられる物や、機動しながらの射撃が可能な物など、時代や形式により様々なタイプがある。
兵装がミサイルのみの場合は、地上から攻撃を受けたときに自身を防護する手段がなく、護衛の装甲車両や歩兵をより多くつけなければならないため、コスト削減の面から機関砲を併用する場合が魅力的であると判断する国家もある。既存の自走式対空砲の近代化改修の一環として、地対空ミサイル(MANPADS)を追加装備する例もある。
近代においては照準と探査のために二種類のレーダーを搭載したうえにレーダーと連動した射撃管制装置を持ち、それだけの装備を動かす電源も含めて戦車一台分のスペースに収まるように小型化するため、主力戦車の数倍にもなる極めて高価で複雑な兵器となっている。陸上自衛隊では90式戦車が8億円なのに対して87式自走高射機関砲は15億円を越える。
ほとんどの自走式対空砲は非装甲または軽度の装甲しか施されておらず、地上部隊の戦闘車輌や対戦車兵器との直接戦闘を考慮していない。しかし、運用者にとって対空機関砲・機関銃による水平射撃の威力は魅力的であり、しばしば対地目標への火力支援に投入される。特に歩兵などの非装甲目標に威力を発揮し、また、市街戦など火器に大きな仰角が必要とされる戦場にも駆り出される。しかし、このような運用では反撃による損耗も大きく、自走式対空砲による対地戦闘を前提としたドクトリンを持つ軍隊はあまりない。特に近代では機関砲を搭載した歩兵戦闘車が、歩兵などの非装甲目標に対する攻撃に当てられることが多い。
このため、過去に行われたような対地目標に自走式対空砲を使用する必要性は無くなり、対地攻撃を行う必要性は突発的な自衛戦闘以外は無いと言える。一方で、自衛戦闘が可能という点で、ミサイルのみを装備した車両よりも、より前線に近い所に車両を配置できるというメリットがあり、地対空ミサイルの護衛のために余計な部隊を割く必要がないところは魅力的である。
近年の戦争、主に発展途上国の対テロ戦争では歩兵戦の機会が極めて多く、対空砲を転用したテクニカル/ガントラックが多用されており、これらはヘリコプターにも脅威となることから、広義の自走式対空砲と見なすことができる。