自衛艦
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補給艦「ときわ」(左)と護衛艦「おおなみ」

自衛艦(じえいかん)は、海上自衛隊が使用する船舶の区分の一つである。
概要

主に戦闘を行い、またはそれを支援する能力を有するもの、あるいは国外での活動が想定されるもの等を含む。つまり、任務を遂行する上で国際法上の軍艦としての資格を必要とする船舶である。海洋観測艦などの武器を装備していない補助艦艇も自衛艦に含まれる。

海上自衛隊の使用する船舶は自衛艦と支援船(港湾業務、補助的業務、訓練に使用される船艇及び保管中の船艇等)に区分される。

自衛艦は、国際法上の軍艦であるとされており、諸外国からも国際法上の軍艦として接遇されている。自衛艦は自衛艦旗を掲揚する。

“自衛艦”の英訳は「Self Defense Ship」とされている[1]。また、自衛艦は英称に際しては「JS」(Japan Ship)を冠称して、「JS Atago (DDG-177)」などと表記される。
自衛艦の区分

自衛艦は、警備艦と補助艦に区分される。警備艦はその任務により、機動艦艇、機雷艦艇、哨戒艦艇、輸送艦艇に細分される。また、補助艦はすべて補助艦艇とされている。

これよりさらに細かい区分が艦種(護衛艦、潜水艦、練習艦、海洋観測艦等)である。自衛艦の区分の細部は以下のとおりであり、それぞれの艦種の詳細については、当該ページに委ねる。

自衛艦の区分と命名基準分類種別記号建造番号番号名称
大分類中分類
警備艦機動艦艇
護衛艦DD/DDG/DDH1601 -101 -天象・気象、山岳、河川、地方の名(旧国名)
DE1201 -201 -
FFM1301 -001 -
潜水艦SS8001 -501 -海象、水中動物の名、ずい祥動物の名
機雷艦艇掃海艦MSO201 -301 -島の名、海峡(水道・瀬戸を含む)の名、種別に番号を付したもの
掃海艇MSC301 -601 -
掃海母艦MST462 -461 -
哨戒艦艇ミサイル艇PG821 -821 -鳥の名、草の名、種別に番号を付したもの
哨戒艦OPV701 -901 -
哨戒艇PB921 -901 -
輸送艦艇輸送艦LST4101 -4001 -半島(岬を含む)の名、種別に番号を付したもの
LSU4171 -4171 -
輸送艇LCU2001 -2001 -
エアクッション艇LCAC-2001 -
補助艦補助艦艇練習艦TV3501 -3501 -名所旧跡の名、種別または船型に番号を付したもの
練習潜水艦TSS-3601 -
訓練支援艦ATS4201 -4201 -
多用途支援艦AMS-4301 -
海洋観測艦AGS5101 -5101 -
音響測定艦AOS5201 -5201 -
砕氷艦AGB5001 -5001 -
敷設艦ARC1001 -481 -
潜水艦救難艦ASR1101 -401 -
潜水艦救難母艦AS1111 -405 -
試験艦ASE6101 -6101 -
補給艦AOE4011 -421 -
特務艦ASU-7001 -
特務艇ASU81 -61 -
ASY91 -91 -

命名基準は、実際には「補給艦は(自らの搭載する物(水)を供給するイメージから)湖の名前」「潜水艦救難艦・潜水艦救難母艦は城の名前」「音響観測艦・多用途支援艦は灘の名前」「練習艦は神社名(旧海軍の練習巡洋艦の名前でもある)」などの、非公式な体系も存在する。

また、砕氷艦「しらせ」は、南極探検家の白瀬矗ではなく、南極の「白瀬氷河」の地名から命名されたとされている(「白瀬氷河」自体は白瀬矗の名前にちなんでいる)。

艦名の特殊な例としては、ましゅう型補給艦「おうみ」の艦名は、琵琶湖の万葉集における古名「淡海」からとられたものであり、自衛艦で唯一、厳密な意味では命名基準に合致しない(たかみ型掃海艇「おうみ」は、山口県の青海島から命名されたものである)。

一方、「しらね」に関しては、当初「こんごう」が予定されていたにもかかわらず、時の防衛庁長官金丸信が「そんなものより僕の地元に由来するものにして欲しい。」とシビリアン・コントロールを大義名分に制服組の大反対を押しきって、命名基準に一切合致しないものを命名させる(このため、後付けで白峰三山の通称を採用したことにしている)という世界的にも珍しい事例も存在する(このように命名基準に合致しない例として英国海軍のマレーヤがあるが、これは当時植民地であったマレーシアからの義援金によって建造されたという、日本の例とは異なる経緯がある)。
現存しない艦種

廃止された種別または該当する艦艇が存在しない種別の一覧

警備艦

機雷艦艇

機雷敷設艦

掃海母艇

掃海管制艇

敷設艇


哨戒艦艇

魚雷艇

駆潜艇

哨戒艇

警備艇上陸支援艇



補助艦

補助艦艇

特務艦

給油艦

消防艇

高速艇

海洋観測艇



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この節の加筆が望まれています。

2020年から順次、ロービジ(「ロービジビリティ」Low-visibilityの略[注 1])塗装へ塗装変更が進んでいる。その内容としては、煙突頂部の汚れを目立たなくするための黒帯の廃止、艦番号及び艦名の灰色化かつ無影化、飛行甲板もしくは艦橋上の対空表示(航空機に対し艦番号下2桁を表示するための塗装)の消去である[2]

従来塗装の「おおよど」

低視認性塗装とされた「おおよど」

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 自衛隊公式SNS等で「ロービジュアル」との記載があるが、これを訳せば「低い視覚」「低画質」などとなり文法的におかしく、正しい軍事用語としては「ロービジビリティ」(訳:低視認性)が存在し、各種文献にも「ロービジュアル」の記載がないことから、誤植と判断する。

出典^海上自衛隊の部隊、機関等における英語の呼称について(通達)海幕総第3614号(昭和50年8月13日)
^ イカロス出版 2021.

参考文献

イカロス出版(編)「「いずも」第一次改修の全て」『JShips』第100巻、イカロス出版、2021年10月、14-17頁、ASIN B09CRM4GNV。 

関連項目

海上自衛隊

海上自衛隊艦艇一覧


軍艦

艦長

外部リンク

海上自衛隊の使用する船舶の区分等及び名称等を付与する標準を定める訓令(昭和35年海上自衛隊訓令第30号)

海上自衛隊の使用する船舶の名称を選出する標準について(通知)(昭和56年海幕総第3807号)

海上自衛隊の使用する艦船等の塗粧及び着標に関する訓令(昭和32年海上自衛隊訓令第35号)(2022年7月1日時点でのWARPによるアーカイブ)

艦船等の塗粧及び着標に関する達(昭和44年海上自衛隊達第55号)

自衛艦の艦内の編制等に関する訓令(昭和47年海上自衛隊訓令第17号)
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