自衛消防組織(じえいしょうぼうそしき)は消防法8条の2の5に基づき一定規模を有する防火対象物の管理権原者に設置が義務付けられている防火対象物内の事業所の従業員により構成された自衛の消防組織。
なお、危険物を大量に取り扱う一定の大規模な事業所にも自衛消防組織が編成されているがこちらは消防法第14条の4に基づいており法的根拠が異なる。 自衛消防組織、防火自衛消防組織を設置しなければならない防火対象物は、消防法第8条が該当する以下の大規模建築物等。1つの防火対象物に複数の管理権原者がいるときは共同して自衛消防組織を置かなければならない(消防法施行令 2007(平成19)年6月の消防法改正により、防火対象物となる大規模建築物等(前述)については、自衛消防業務講習の修了者等を統括管理者及び本部隊の各班の班長として配置した自衛消防組織の設置が義務づけられた[2]。 該当する防火対象物の管理権原者は自衛消防業務講習の修了者等を責任者である統括管理者[3]及び各班の班長に充てた自衛消防組織を設置し、設置届を所轄消防長か消防署長に届け出なければならない。 各自治体の消防局等または委託した公益財団法人、一般財団法人等が講習を行う。東京消防庁管内では、防災センター要員講習と自衛消防業務講習は、同一のカリキュラムで2日間(座学1日、実技1日)実施され、講習の最後には、1時間の効果測定が行われる。講習修了者は、防災センター要員講習修了証と自衛消防業務講習修了証を取得できる。 自衛消防業務講習修了者は、講習後5年以内ごとに自衛消防業務再講習(1日の講習)を受けることが義務付けられている。 東京都で実施する講習は以下の科目で行われる。自衛消防組織で統括管理者及び本部隊の各班の班長として従事し、受講申請時にすでに甲種防火管理講習と防災管理講習の2つの修了証を取得している場合は、1日目の座学が免除される。 統括管理者及び本部隊の各班の班長として従事する者は、自衛消防業務講習受講対象者(受講資格はない)。 防災組織 国家機関(実動5省庁) 警察庁 · 消防庁 · 国土交通省(緊急災害対策派遣隊) · 防衛省(自衛隊) · 海上保安庁 内閣府(中央防災会議、防災担当) · 気象庁 · 防災科学技術研究所等 地方防災会議等 指定行政機関 · 指定公共機関 自衛消防組織 人の役割 公務員 消防吏員 · 消防団員 · 警察官 · 海上保安官等 防災管理者(消防法) · 防火管理者(消防法) · 自衛消防技術試験 · 防災センター要員 情報 情報伝達体制 防災無線(市町村防災行政無線) · 自治体衛星通信機構(SUPERBIRD) · 全国瞬時警報システム(J-ALERT) 地震 地震情報 · 緊急地震速報 · 東海地震に関連する情報 津波情報 · (大津波)警報 · 津波警報 · 津波注意報 · 津波予報 噴火警報 · (火口周辺警報) · 噴火予報 · 噴火警戒レベル · 降灰予報 · 火山ガス予報
防火対象物
劇場等、風俗営業店舗、飲食店等、百貨店等、ホテル等、病院・社会福祉施設等、学校等、図書館・博物館等、公衆浴場等、車両の停車場等、神社・寺院等、工場等、駐車場等、その他の事業場、文化財[1]
地階を除く地上階の階数が11以上の防火対象物 延べ面積10,00平方メートル以上
地階を除く地上階の階数が5以上10以下の防火対象物 延べ面積20,000平方メートル以上
地階を除く地上階の階数が4以下の防火対象物 延べ面積50,000平方メートル以上
延べ面積1,000平方メートル以上の地下街
複合用途防火対象物
11階以上の階にある防火対象物 延べ面積 延べ面積10,000平方メートル以上
5階以上10階以下の階にある防火対象物 延べ面積20,000平方メートル以上
4階以下の階にある防火対象物 延べ面積 延べ面積50,000平方メートル以上
自衛消防業務講習
講習科目
防火管理及び防災管理の意義及び制度
自衛消防組織並びにその統括管理者及び要員の役割と責任
防災設備等に関する知識
防災設備等の取扱い並びに自衛消防組織の統括管理者及び要員の災害対応に係る総合訓練
効果測定
自衛消防組織の編成
本部隊
通報連絡班
初期消火班
避難誘導班
応急救護班
地区隊
脚注[脚注の使い方]^ これらに該当しない用途の例として共同住宅、倉庫等がある
^ ⇒自衛消防業務講習 一般財団法人 日本消防設備安全センター
^ 管理権原が複数に分かれている場合において通常統括防火管理者をもって統括管理者に充てる。ただし統括防火管理者と自衛消防組織の統括管理者は異なるものである。
参照文献
消防法の実務 : テーマ別ユニット解説単元 消防法研究会編著 東京法令出版 ISBN 978-4-8090-2295-1
関連項目
消防計画
防火管理者
防災管理者
防火管理技能者
自衛消防技術試験
防災センター
防災センター要員
特定一階段等防火対象物
外部リンク
⇒一般財団法人 日本消防設備安全センター
歴
日本の防災
国家機関(その他)
地方行政機関
災害対策基本法指定機関
事業者
自治体
国家公的資格
その他資格
防災気象情報
(気象業務法)
津波
火山
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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