自動車
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「オートモービル」はこの項目へ転送されています。雑誌については「オートモービル (雑誌)」をご覧ください。
現代高速道路を実際に走る 数々の自動車の状況。乗用車(数名程度の人を乗せて走るための車)が圧倒的に多い。乗用車の群れの中に、トラック(貨物自動車)タンクローリーバスなどがいくらか混じる。ニュージーランド、2019年スーパーマーケット駐車場に客が駐車した多数の乗用車。日用品買い物のために使われている自動車の例。アメリカ、2010年観光バスの例。多くの人を運べる自動車。千葉県、2008年

自動車(じどうしゃ、英: automobile、motorcar、motor vehicle、car)は、原動機の動力によって車輪を回転させ、軌条架線を用いずに上を走る[1][2][3][4][5][6]。広義には自動二輪車オートバイ)も含むが、本項では四輪自動車について述べる。
概要

自動車は、大辞泉では原動機の動力によって車輪を回転させ、軌条架線を用いず上を走る、と説明されている。角川1989年国語辞典には「発動機の動力で軌道なしに走る四輪車」と記載されている[7]

自動車は、18世紀蒸気機関を用いた蒸気自動車として登場し、19世紀にはイギリスフランス都市間を移動するためのバスに用いられるようになっていた。19世紀後半、1870年代から1880年代にかけてはオーストリアドイツガソリン内燃機関を用いた自動車の制作や特許取得が行われた。1896年米国ヘンリー・フォードもガソリン自動車を開発し、1903年に自分のを冠したフォード・モーター社を設立し、まずは2気筒エンジンの小さな車の製造・販売を開始、1905年には4気筒エンジン車を販売開始、1908年には改良のうえ、価格も比較的安く設定したフォード・モデルTを発売し、大人気となった。モデルTは1909年の1年間だけでも1万台を超える数が売れ、米国で急速に自動車が普及してゆくことになる。米国ではそれまで街の大通りを走る車と言えば(裕福な人々が所有し、御者付きの)馬車ばかりだったのだが、その後 わずか10年ほどのうちに馬車の所有者たちはそれを自動車へと換えてゆき、米国の通りの景色は一変することになった。1910 - 1920年代には安価な大衆車も普及しはじめた。→#歴史

自動車は基本的には、貨物を運ぶための実用道具として用いられるものであり、交通手段の一つとして通勤通学、客の送迎、顧客先訪問、の際に使用される事がある。貨物輸送に関してはトラック(貨物自動車)等を用いて、多種多様な荷物が運ばれており、鉄道から駅への輸送しかできないのに対して、自動車は戸口から戸口へ(=建物から建物へ)と輸送できるという特徴がある[6]。→#自動車の利用

また自動車は、実用性を離れて、愛着の対象となって趣味的に所有されたり[6]、運転を楽しむため(スポーツ・ドライビングやツーリング)に用いられたり、整備すること("機械いじり")を楽しむために用いられることもある。また高級車の場合ステータスシンボルとして利用される場合などもある。→#自動車文化

自動車は世界中で大量に普及したため、大気汚染の原因となったり、その石油資源の消費量によって石油危機時のリスク要因となったり、道路上の自動車の過密状態などの問題を引き起こしている[6]。課題の解決に向けた努力も続けられており、大気汚染防止のために行政は排出ガス規制を行い、自動車メーカーは消費する石油を減らすこと、つまり燃費の向上(省燃費エンジンの開発)を行い、電気自動車ハイブリッド・カー水素自動車などの開発・販売も行われている。

専用の軌道を必要としないことから、経路と進路の自由度が高いという特徴がある。自動車を動かすこと・操ることを運転と言い、ほとんどの国で、公道での自動車の運転には運転免許が必要とされている。自動車の最初期の段階からすでに運転を誤る事故(交通事故)が発生していた。自動車によって、怪我をさせられたり命を失ってしまう人やその家族という被害者が生じ、同時に運転者が加害者として生きていかなければならなくなることは、自動車普及後の社会が抱え続けている重い課題のひとつである。最近では単純な自動運転技術を超える、本格的な人工知能と高度なセンサー類を用いて自律走行が可能な自動運転車も研究されており、AIならば人間が運転するよりも事故率が劇的に減るであろうと期待されてもいて、一部ではすでに(社会実験的な)導入が開始されており、世界での本格的な普及開始の時期が近付いている。→#負の影響

自動車の生産は、部品となる様々な工業製品があってはじめて可能となるので、他の様々な工業の振興、一次的工業品の製造とも関連する[6]。その規模の大きさ、影響の大きさによって、政府にとっては自動車の製造は(一国の)経済を支える重要な産業となりうる。現在のところ、一握りの先進国が自動車の生産を独占してしまっているような状況にある[6]。多くの開発途上国の政府が、自動車製造を行うために懸命の努力を行っている(例えば、先進国の自動車メーカーや政府と交渉し、自動車を輸入するだけでなく、自国内に製造工場などを設けさせる努力を続けている)のは、経済的な影響が大きいからである[6]。→#自動車産業

公共交通機関の発達していない田舎などでは特に一人当たりの所有率が一般的に高い[要出典]。→#自動車の普及

自動車の例 (それぞれの説明はマウスでカーソルを画像の下の方へ、またはJavascriptオンで画像をクリック)

20世紀初頭の自動車の急激な普及のきっかけとなったフォード・モデルT(T型フォード)

貨物自動車(貨物車)の例。多くの荷物を運べる。

自動車は一般に軌条(鉄道)を必要としないが、さらに、道路すら離れて走ることができる車(オフロード車)もあり、街から離れた、道路があまり整備されていない場所への移動に便利である。オフロード車(en:Off-road vehicle)の多くは総輪駆動である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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