?_?孫子異伝?
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? ?孫子異伝?
ジャンル
歴史フィクション軍事政治
戦国時代中国史)、青年漫画
漫画
作者星野浩字
出版社集英社
掲載誌スーパージャンプ
グランドジャンプPREMIUM
グランドジャンプ
レーベルジャンプ・コミックス デラックス
発表期間2007年22号 - 2011年21・22合併号
2012年1号 - 2013年15号
2013年8号 - 2016年24号
巻数全21巻
テンプレート - ノート

『? ?孫子異伝?』(ビン そんしいでん)は、星野浩字による日本漫画作品。『スーパージャンプ』(集英社)にて連載され、同誌休刊後は『グランドジャンプPREMIUM』、更に『グランドジャンプ』本誌に移籍して2016年24号まで連載。単行本は全21巻。
概要

中国戦国時代を舞台に、もう一人の孫子と呼ばれた孫?の活躍を孫子兵法の事例を交えながら描く。史実どおりの人物が多く登場するが、オリジナルの設定や人物の要素が多い。その一例として、孫?や威王がいたとされる時代に匈奴の単于が存在し、斉と匈奴が交戦することなど時代錯誤のフィクションとして描かれている架空戦記ものといえる作品である。戦闘描写が緻密な作風が特徴。

単行本14巻の巻末にて、作者の星野と同じく中華戦国時代を題材とした作品・『キングダム』の作者・原泰久との対談が掲載されている。

作者の構想では「?」はあくまで「孤鳳卒」という長い物語の一部であるという。全7章を予定しており、本作は「第5章」にあたる。「6章」の展開で「2章」「3章」の登場人物が死んでいくため、先に「2章」「3章」を描いていきたいとの弁。

雑誌掲載が叶わない場合には、続きあるいは前章は作者のホームページにて発表していく考えがあると語っている[1]
あらすじ

古今の名将に影響を与えた書・『孫子兵法』。それを著した「孫子」と呼ばれる男は2人いるのだ。一人は『孫子兵法』を著した孫武。もう一人の「孫子」は名を孫?という。群雄が割拠する戦国時代の真っ最中にあった紀元前360年ごろの中国。顔に墨を入れ、膝の骨を抜かれた異形の軍師・孫?はその乱世を駆け抜けてゆく。
登場人物

孫?(そんびん)
本作の主人公。孫子兵法を著した稀代の天才軍師・孫武の末裔という設定(史実の孫?も孫武の子孫と考えられているが、確たる証拠はない)。顔に罪人の証である入墨(黥刑)があり、?刑として両足の膝蓋骨は抜かれている。彼が普段名乗っている「?」という名前はこの刑を受けたことに由来する[2]。これらの刑は、親友であった?涓の讒言によって科せられたもの。立派なものが股間にあったことから、宮刑は受けていない模様。普段はいざり車に乗り、それを人に引いてもらったりして移動しているが、義足に似た装具を着ければ遅いものの歩行も可能。孫武の血筋ゆえか、状況判断力に優れ、軍略にも長けている。加えて、一度会った人物の顔と名前、その人物の特技や家族などを同時に(兵卒の雑兵でさえも)数の限りなく記憶できる能力を持ち、クーフェンツでは身分・出自・経歴に関係なく、志願すれば仲間に加える度量の広さがある。罪人の烙印を押されているものの、その類希な知略ゆえに斉の将軍・田忌に重用されている。弱者が虐げられるのを見過ごすことが出来ない優しい性格で、彼らを助けるためならば自らが傷つくことも厭わない。身体の至る所には、その過程で付いたと思われる無数の傷跡がある。彼が救った者たちの中には妙齢の女性も多数おり、?の高潔かつ献身的な態度は彼女達の感謝と思慕を一身に集めている。そのためか、異様にモテる(田忌曰く「天性の遊人気質」)。童顔で若く見えるが、作品中の描写から年齢は26歳前後と推定される。余談だが、1巻の裏表紙には刑を科せられる前の?の姿が描かれているが、容姿は現在とほとんど変わっていない。
田忌(でんき)
斉の驃騎将軍。王族。最初は?を見下していたが、彼の才に感服して以来、食客として側に置いている。義に篤いが、時折?の途方もない行動に困惑することもある。筋骨隆々の巨漢かつ幼少のころから修練を欠かしてこなかったため、斉国最強の武人でもある。
威王(いおう)
斉の国王。鄒忌達の押しに負けて軍儀の前に阻大を狄討伐の総大将に据えたり、孫?達に正規兵を与えず(正規兵は全て臨?の防衛に回してしまった)城外兵だけで戦わせる等、暗愚な面が目立つ。
鄒忌(すうき)
斉の司徒宰相)。阻大と結び、軍の私有化を目論み、田忌と対立していた。単于に阻大が殺されたのち、魏に援軍を求めたため、孫?とも対立するようになった。たびたび?と軍事面で論争となるが、そのたびに論破され、「愚かな宮廷雀」とまで耳元で言われた。史実では美男で有名な人物だが、本作では敵役ゆえか、「鶏がら」と陰口を叩かれるほどやせぎすで、鼻が異常に細長い。
阻大(そだい)
斉の破慮将軍。鄒忌と結んで、狄討伐の総大将に任命された。だが、単于が襲撃してきた際、単于が叫んだ田忌の名に対する嫉妬に駆られ、?が言った「単于が挑発してきても必ず逃げること」の旨の忠告を破って挑もうとした結果、単于に斬首された。単于からは「たまたま人の上に立っていただけの無能者」、「ゴミ」と罵られ、その首を潰された。勇猛果敢で武闘派ではあるが、その反面、兵や自分の副官ですら殺す冷酷無比な悪人である。
甘黒(カンヘイ)
黒髪の老人で、斉北方の寒村の住人。?の祖父。かつては斉の兵士で、年老いてなおその武勇は衰えない。?をいたく気に入り、自慢の孫娘3人を嫁にやろうとする。
厳常(イエンチャン)
白髪の老人。斉北方の寒村の住人。忍の祖父。かつては斉の兵士で、楽倉の麾下にあった。彼も?をいたく気に入り、自慢の孫娘3人を嫁にやろうとする。
宋政(ソンチェン)
田忌将軍に仕える武将・副官。庶民の出自。田忌私兵500人を主に統率する。
?彭(ヤンペン)
?の選抜した城外兵3000人の一人。?の演説に感銘を受ける。臨?城外東出身で、家族には妻と14歳の娘・フウがいる。実家は食堂を経営しており、現在は妻が切り盛りしている。ファンパオ、文池と三人一緒に登場することが多い。
方飽(ファンパオ)
?の選抜した城外兵3000人の一人。家族には父、母、妻・チンファ、6歳の娘・ソウ、3歳の息子・シンがいる。ヤンペン、文池と三人一緒に登場することが多い。かつては流民(るみん。- 難民と同義)であり、その壮絶な生活の中で、両親と兄弟を失った(従って、先述の父と母は、妻方の両親、つまり義理の両親であると推測される)。
文池(ウェンチィ)
?の選抜した城外兵3000人の一人。家族には母、弟・煤(メイ)、二人の妹・倫(ルン)と玲(リン)がいる。ヤンペン、ファンパオと三人一緒に登場することが多い。また、三人の中では一番若く、雀斑が特徴(母、弟にも雀斑がある)。
章何(チャンフー)
?の選抜した城外兵3000人の一人。筵(むしろ)編みで、?から「名人」と評されるほどの腕前を持つ。裴煽に惚れているが相手にされていない。?の影武者を演じていた裴煽をかばい事切れたと思われたが、実は気絶していただけで、鎧と懐に入れていた筵でなんとか助かる。
孤鳳卒(クーフェンツ)

戦災孤児や奴隷だった少年少女を鍛え上げて組織された?を卒長とする私兵部隊。斉国に招集された時点で412人(?、蘇秦、張儀らを除く)。残灰?戦初戦終了後での報告では、戦闘に参加していたのは516人。武技だけではなく連携力にも優れており、戦力に換算すると孤鳳卒1人あたり25。
蘇秦(そしん)
斥候伝令部隊“黄鳩(ファングー)”隊長代理。史実ではのちの縦横家。髪を纏めているため、額が広く「デコ」とあだ名されている。?を兄と慕い、彼の手足となって様々な役割をこなす。
張儀(ちょうぎ)
近衛隊“白雕(パイデァオ)”隊長代理。史実ではのちの縦横家。丸顔のため「まんじゅう」とあだ名されている。?を慕っており、彼もまた?の傍で様々な役割をこなす。
淳于?(じゅんうこん)
奴隷出身の青年。?に危機を助けられ、彼に忠誠を誓う。?の計略で鄒忌に近づいている。類い希な才を持ち、史実では後に「稷下の学士」の筆頭に数えられることになる。
高仲(カオソン)
吶喊隊“黒鷲(ヘイジウ)”隊長代理。頭の手拭いが特徴。見た目は13?14歳の少年。剣術の腕前は、田忌から『達人』と認められるほど。独立遊軍の指揮を任せられるほど?から信頼されている。
白圭(バイグイ・はっけい)
諜報部隊“紫隼(ジースン)”隊長。孤鳳卒第一期生。周に大店を構える大商人でありながら、間者・武将の顔も併せ持つ。単于軍に帰化人として諜報活動をしており、「バイグイ」はそのときに名乗っていた。同時に人質のトルタイの監視兼話し相手もしており、後にトルタイを救出。そのときトルタイに対しては自身が任務だったとはいえ敵側として恐怖を与え続けてしまったことに罪悪感を覚えていたが、トルタイ本人からはシンフェンの話などを良く聞かせてくれたといい、むしろ感謝されていた。匈奴にいた頃は残虐かつ非道な性格を演じていたが、本来は義に厚い人物で、孤鳳卒の仲間達からも「白圭の兄貴」と慕われている。
岳思(ユエシイ)
“紫隼(ジースン)”副長。短髪。一見すると軽い性格に見られるが、実際には切れ者。まきびし作りも得意。[3]
銀蝣(インヨウ)
“紫隼(ジースン)”隊員。
梅染(メイラン)
女人隊“紅鶴(ホンフー)”第6隊長。
?尺(ジーチェ)
戦術工兵部隊“褐雉(フウチイ)”隊長。長髪。
??(ケーホン)
水練隊“緑鴎(リューオウ)”隊長。
裴煽(ペイシャン)
補給部隊“藍鸛(ランガン)”隊長。毒舌。?の影武者でもある。下項の「?を取り巻く女性」たちに嫉妬することもあるが、同時に孤鳳卒である自分にしかできないこともあると悟っており、忠実に?を守ろうとしている。
荏涌(レンヨン) 太嵩(タイソン)
それぞれ“白雕(パイデァオ)”と“黄鳩(ファングー)”の隊員。
郭縦(かくしょう)
錬鉱士。孤鳳床机強弩などの機材の設計も手掛ける。史実では趙の大富豪。
法栄(ファーロン) 彭広(ボンカン) ??(スーチェン) ?潔(スージェ) 蕭(シャオツウ) 萍荊(ビンジン) 慎侃(センカン) 楊牧(ヤンムー) 汲援(ジィユァン) 耿弼(ゲンビィ) 秦異(チンイー)
“藍鸛(ランガン)”隊員。
トルタイ
中原定住民の少年だったが、奴隷として狄に攫われた。奴隷としてさらわれてきた当初は狄の言葉を解せず、殴る蹴るのいじめにあい「長くはもたない」とまで言われていたが、馨逢は身体を代償として彼を譲り受ける。以来、馨逢に弟のように守られ、孫?の暗殺ために彼が人質に取られたとき、彼女はその暗殺に必死となったが、後に白圭に助けられる。過酷な境遇を過ごした故か度胸の座った所があり、喘突に「いい戦者になる」と評されている。


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