膀胱癌
膀胱癌の病理写真
概要
診療科腫瘍学
分類および外部参照情報
ICD-10C67
膀胱癌(ぼうこうがん、英: Bladder cancer)は、膀胱から発生する上皮性悪性腫瘍である。 発癌の危険因子としては、不衛生な環境、化学物質(芳香族アミン)[1]、ビルハルツ住血吸虫による感染症(扁平上皮癌)[2]、喫煙、などが指摘されている。 第9染色体長腕ヘテロ接合性の消失、第17染色体短腕ヘテロ接合性の消失が関与するタイプも指摘されている。 膀胱癌の骨転移の頻度は13%?26%である[7]。 膀胱癌の診断が確定すると、治療方針決定のために病期診断を決定する必要がある。これには原発巣の膀胱壁内深達度の評価、リンパ節転移の有無の評価,遠隔転移の有無の評価が必要である。病期分類としては、UICC/AJCCのTNM分類によって決定される。 膀胱癌のTMN分類(TNM悪性腫瘍の分類第7版2009)[8]
原因
症状
血尿
排尿痛などの見られない、無症候性肉眼的血尿が唯一の症状であることも多い。上皮内癌や浸潤癌では頻尿や排尿痛などを伴うこともある。
疫学2004年における10万人毎の膀胱癌による死亡者数(年齢標準化済み)[3] .mw-parser-output .legend{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}.mw-parser-output .legend-color{display:inline-block;min-width:1.5em;height:1.5em;margin:1px 0;text-align:center;border:1px solid black;background-color:transparent;color:black}.mw-parser-output .legend-text{} データなし 1.5人以下 1.5人から3人 3人から4.5人 4.5人から6人 6人から7.5人 7.5人から9人 9人から10.5人 10.5人から12人 12人から13.5人 13.5人から15人 15人から16.5人 16.5人以上
死亡数は、男性が悪性腫瘍の第11位、女性は第14位である。
発生率は男性が女性の3倍多い。
70歳代での発症が多く、50歳以下の若年発症はまれ。
糖尿病治療剤のピオグリタゾンを長期使用することは、他の糖尿病治療剤と比較して膀胱癌の発生率が有意に高くなる[4]。
喫煙で膀胱癌のリスクが高くなる[5]。
非喫煙者でコーヒー、カフェイン摂取量が高いほどリスクが高くなる[5]。なお、ニコチンはCYP1A2を誘導するため、CYP1A2によるカフェインの代謝が促進される[6]。
転移
病理組織学
90%以上が尿路上皮癌(移行上皮癌)。
次いで扁平上皮癌、腺癌の順である。
細胞異型と構造異型によって組織学的異型度を低異型度と高異型度に分類する。旧規約分類ではG1からG3までの3段階に分類(G3のほうが異型度が高い)していた。従来のデータベースと連続性を保つために、現在も以前の規約分類による細胞異型を併記することが多い。
病期分類
原発腫瘍の壁内進達度
T0 原発腫瘍を認めないTa 乳頭状非浸潤癌Tis 上皮内癌 (CIS) “flat tumour”T1 上皮下結合組織に浸潤する腫瘍T2 筋層に浸潤する腫瘍T2a 浅筋層に浸潤する腫瘍(内側1/2)T2b 深筋層に浸潤する腫瘍(外側1/2)T3 膀胱周囲脂肪組織に浸潤する腫瘍T3a 顕微鏡的T3b 肉眼的(膀胱外の腫瘤)T4 次のいずれかに浸潤する腫瘍:前立腺間質、精?、子宮、腟、骨盤壁、腹壁T4a 前立腺間質、精?、または子宮、腟に浸潤する腫瘍T4b 骨盤壁、または腹壁に浸潤する腫瘍
所属リンパ節転移
N0 所属リンパ節転移なしN1 小骨盤内の1個のリンパ節(下腹、閉鎖リンパ節、外腸骨および前仙骨リンパ節)への転移N2 小骨盤内の多発性リンパ節(下腹、閉鎖リンパ節、外腸骨および前仙骨)転移N3 総腸骨リンパ節転移
Size:38 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:undef