腹痛
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腹痛

概要
分類および外部参照情報
ICD-10R10
ICD-9-CM789.0
Patient UK腹痛
[ウィキデータで編集]

腹痛(ふくつう、はらいた、abdominal pain)とは、腹部に感じる痛みとして自覚される症状である。主に「内臓性腹痛」、「体性痛」、「関連痛」、「心因性腹痛」などに分けられる。腹痛を発生させる要因も様々なものがあり、体内で発生した何らかの異常を知らせる情報がまず痛みとして自覚される。またこれらの痛みは、異常に対する一種の防御反応とも言えるものである。

痛みの症状が著しい場合は、人体に対して二次的に生理的・心理的影響を及ぼす可能性が高くなるため、速やかに要因を突き止め、医療機関で適切な処置を受ける必要がある(急性腹症疼痛を参照)。
鑑別診断

腹痛の最も一般的な原因は、胃腸炎(13%)、過敏性腸症候群(8%)、尿路の問題(5%)、胃炎(5%)、便秘(5%)である。約30%のケースは原因は特定されていない。その他約10%は、胆嚢胆石または胆道ジスキネジア)、膵臓の問題(4%)、憩室炎(3%)、虫垂炎(2%)、(1%)など、より深刻な原因である[1] 。高齢者では、さらに腸間膜虚血、腹部大動脈瘤などが一般的で深刻な原因である[2]
腹痛を起す産科的疾患
正常妊娠子宮外妊娠流産胞状奇胎などは腹痛を主訴に来院することが多い。これらは妊娠第一期に属する疾患であり患者は妊娠に気がついていないことが多く、一般病院を受診しやすい傾向にある。このような受診パターンから腹痛の女性をみたら妊娠を思えという格言ができたのであろう。頸管無力症、早産前置胎盤常位胎盤早期剥離出産、偽陣痛などでも腹痛は起きるが、大抵は産婦人科に受診するので一般医が診る機会は少ない。特に子宮外妊娠破裂、常位胎盤早期剥離は緊急手術になるので注意が必要である。
腹痛を起す婦人科的疾患
器質的疾患としては卵巣捻転、卵巣嚢胞出血、感染症、腫瘍、子宮腺筋症子宮内膜症があげられる。非器質性疾患としては月経困難症、骨盤鬱血症候群、機能的性器出血などがあげられる。特に卵巣捻転、卵巣嚢胞出血、卵巣膿瘍破裂などでは緊急手術の適応となるので注意が必要である。大抵は下腹部の体性痛を主訴に来院し、画像検査で診断できる。
腹痛を起す外科的疾患
特に緊急手術が必要な非外傷性疾患をあげる。急性虫垂炎腸重積症、絞扼性イレウス消化管穿孔、急性腸間膜動脈閉塞症心房細動から起きやすい)、腹部大動脈瘤破裂、感染症性ショックを伴う腹腔内膿瘍、出血性ショックを伴う腹腔内出血精巣捻転鼠径ヘルニア頓挫などがあげられる、特に小児の下腹部痛で精巣捻転がみつかることがあるので小児の場合は睾丸までみる習慣が必要である。診断がつかなくても、筋性防御、進行する低血圧やアシドーシス、低下し続けるHbなどが認められれば緊急手術を考慮する。
腹痛を起す内科的疾患
腹腔、胸腔の全ての臓器がターゲットとなるのだが、特に見逃しがちなのは全身性疾患による腹痛である。具体的には糖尿病性ケトアシドーシス、アルコール性ケトアシドーシス、急性副腎不全高カルシウム血症尿毒症急性間欠性ポルフィリン症家族性地中海熱伝染性単核症リウマチ熱アレルギー性紫斑病、鉛中毒、麻薬離脱などがあげられる。緊急性の高い疾患としては虚血性心疾患(心筋梗塞など)が挙げられる。慢性の腹痛で注意すべきは悪性腫瘍である。

分類疾患
食道・胃・腸疾患虫垂炎小腸大腸の閉塞、ヘルニア嵌頓、消化性潰瘍、胃・腸管の穿孔・破裂、憩室炎とくにメッケル憩室炎、炎症性腸疾患マロリーワイス症候群、特発性食道破裂(Boerhaave症候群)、胃炎・腸炎、急性胃炎、結腸垂捻転、上腸間膜動脈症候群上腸間膜動脈血栓症悪性腫瘍
肝臓・脾臓・胆道系疾患急性胆嚢炎、急性胆道炎、肝膿瘍、肝腫瘍の破裂、脾破裂、脾梗塞、急性肝炎
膵臓疾患急性膵炎
腎・尿路系疾患腎結石・尿管結石、急性腎盂腎炎、腎梗塞、急性膀胱炎
産科・婦人科疾患子宮外妊娠(異所性妊娠)、卵巣茎捻転、卵巣嚢胞の破裂 (卵巣出血)、急性卵管炎、子宮内膜症月経困難症(月経痛・生理痛)、Fitz-Hugh-Curtis 症候群
呼吸器系疾患肺炎(下葉の異常)、胸膜炎
血管系疾患虚血性心疾患(狭心症心筋梗塞を胃痛として訴えることがある)、大動脈瘤破裂・腹部大動脈解離虚血性大腸炎、腸間膜動脈・静脈への血栓塞栓
腹膜疾患腹腔内膿瘍、(一次性の)腹膜炎、結核性腹膜炎
後腹膜腔の異常後腹膜腔出血
精神・神経系疾患過敏性腸症候群身体化障害心身症
その他詐病仮病

診断アプローチ

急性腹痛では次のような順序で行うと誤診が少なくなる。まずは外傷性かどうかを調べる。病歴をもとに考え、腹部エコーで臓器損傷を確認する。次に産科的疾患、婦人科的疾患、外科的疾患、内科的疾患と考えていく。どうしても診断がつかなければLQQTSFAを全て埋めるような問診をして、精神的疾患まで考えていく。診断をつける際は緊急手術が必要かどうかを常に考える。たいていの場合、腹痛の緊急性は、心肺血管系の緊急疾患でない場合、原因によらず、腹膜炎になっているかどうかで決まる。緊急性を感じたら、術前に必要な検査を行い、静脈確保も手術に耐えられるようなものにしなければならない。具体的には、胸部X線写真ではPA像で撮影、腹部X線写真は立位、臥位の二方向撮影、凝固機能、クロスマッチテスト、針は18Gにするといったことを行わなければならない。原則として背部痛を伴う場合は後腹膜臓器の疾患を考える。ブスコパンで反応すれば内科系疾患であり、反応しなければ外科系疾患であるという経験則も使える。救急では診断がつき、バイタルサインが安定化するまでは鎮痛薬を使用しないという原則がある。ブスコパンは鎮痙薬であるので使っても診断は行うことができる。またたとえ診断がついてもモルヒネは膵、胆管系の疾患を増悪させるので禁忌である。

慢性腹痛では、機能性の疾患(過敏性腸症候群便秘機能性胃腸症など)が多いが、見逃してはならないのは腸閉塞と悪性腫瘍である。

重要な問診事項は以下のようなものである。

腹痛の位置
痛い場所ははっきりしているか。はっきりしているならその場所。あるいは、腹部全体がなんとなく痛いのか。

放散痛はあるか
例えば胆道系の疾患では右の肩甲骨に放散痛を感じるし、膵臓の疾患では背部に、虚血性心疾患では肩に放散痛を感じるという具合である。

腹痛はいつごろ始まったか
急激に発生した腹痛は潰瘍の穿孔や動脈瘤の破裂、子宮外妊娠の破裂などに関連する。また、食後に起こるのか、空腹時に起こるのかということも重要な情報である。

腹痛の性質は
痛みは持続するのか、または軽くなったりひどくなったりを繰り返すのか。就寝中に痛みで目がさめることがあるか。

腹痛以外の症状
下痢嘔吐便秘下血発熱などの症状は見られないか。特に、腹痛と同時、または後に嘔吐が見られる場合は緊急性が高い可能性がある。

女性の場合は月経周期

既往歴
腹部手術の既往があると腸管の癒着を起こしている可能性がある。
病態生理学

腹痛のメカニズムを急性腹症で有名な虫垂炎を例として説明する。虫垂炎(盲腸と一般には言われる)は知名度のわりに診断が難しい疾患である。診断学の世界では虫垂炎の病態生理は次のように理解されている。まず虫垂に異物などが貯留し細菌が繁殖することで管腔内圧が上昇し、心窩部の鈍痛という形で関連痛が発生する。さらに腸管粘膜に炎症が起こると右下腹部の鈍痛という形で内臓痛が発生する。さらに進行すると炎症が管腔の内側から外側、すなわち臓側腹膜に波及する。腸管の動きなどで臓側腹膜が壁側腹膜と接触し、炎症が壁側腹膜に波及すると右下腹部の鋭い痛みとして体性痛が発生する。この頃には、反跳痛といった腹膜刺激症状が出現する。これは概念上の話であり、炎症が激しくなり組織障害が強くなれば、関連痛、内臓痛、体性痛という順に進行していく。十二指腸潰瘍などで穿孔をおこすと体性痛が発生するが大網によって穿孔がふさがれると圧痛がなくなることもある。こういったことがおこると身体診断学は無力であり、造影CTなど画像診断を行わざるをえなくなる。

虫垂炎に限って言えば、痛みが関連痛である心窩部痛の時点では特に診断せず、痛みが下腹部に移動したり、治らなければ再受診という形にし、下腹部の鈍痛であったら抗菌薬で保存的に治療する。腹膜刺激症状まで出現したら手術を検討するという方法が考えられる(手術が可能な施設ならば、この時点では外科を紹介するだけで十分なことが多い、腹膜刺激症状が限局している場合は保存的に治療可能なことが多いが、その所見が広がってきたときは手術ができる状況でないと危険である。いずれにせよ、虫垂炎の診断は総合的に行われる。そしてなじみ深い疾患であるのもかかわらず誤診率も極めて高い)。

虫垂炎に関してはLQQTSFAの病歴と身体所見で疾患の局在と病因、疾患の進展度と重症度、疾患の治療と判断を行うことができる。Alvaradoスコアというものもあり

項目内容点数
Migration of pain心窩部、臍周囲部から右下腹への移動1
Anorexia食思不振1
Nausea嘔気、嘔吐1
Tenderness of RLQ右下腹部圧痛1
Rebound tenderness反跳痛2
Elevated temperature発熱>37.3℃1
LeukocytosisWBC>10000/ul2
Shift of WBC count白血球の左方移動1

7点以上で虫垂炎が疑わしいとされている。画像診断では造影CTが望ましいとされている。外科のcope's early diagnosis of the acute abdomenによると急性虫垂炎は食思不振からはじまり、徐々に心窩部あるいは臍周囲の痛みが出現し、悪心、嘔吐が出現する。食思不振が高頻度(95%)に先行するため悪心、嘔吐は程度が軽い場合が多く、嘔吐はあっても数回程度である。その後右下腹部痛が出現し、微熱を伴い白血球の増加が起こるとしている。この順序で出現しなければ虫垂炎以外の疾患を考慮する必要があるとされているが非典型例も多い。
腹部症状との関係
悪心・嘔吐
悪心・嘔吐を起こす疾患

悪心嘔吐延髄にある嘔吐中枢によって制御されている。消化器、心臓、前庭、脳実質の障害によって嘔吐は誘発される。中枢神経系の障害による嘔吐は悪心を伴わないのが一つの特徴である。消化器の異常が最も多いがそれ以外の疾患も数多い。特に急性冠症候群が悪心、嘔吐のみしか認められないことがあり注意が必要である。診断学上は下痢といった下部消化器症状の有無が重要である。下部消化器症状が認められる場合は中毒(特に薬物ではジゴキシンテオフィリンが有名)によるもの以外は消化器疾患である可能性が高い。特に見逃すと重篤な疾患としては脳内病変としては脳出血や髄膜炎があげられる。無痛性心筋梗塞は糖尿病患者や高齢者で多いとされている。糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)、アルコール性ケトアシドーシス(AKA)、腎盂腎炎妊娠、敗血症、絞扼性イレウス、急性胆嚢炎、急性膵炎などが重要である。これらの疾患は下痢といった下部消化器症状を伴わないことが多い。

悪心、嘔吐を起こす疾患としては具体的には以下のような疾患が考えられる。

分類疾患
閉塞性消化器疾患イレウス幽門狭窄便秘
非閉塞性消化器疾患急性胃炎、急性胃腸炎、急性膵炎、消化管穿孔、急性胆嚢炎
感染症敗血症など
眼科疾患緑内障など
耳鼻咽喉疾患良性発作性頭位めまい症乗り物酔いなど
心血管疾患急性冠症候群、急性大動脈解離など
神経疾患脳血管障害髄膜炎、頭蓋内圧亢進症など
代謝内分泌疾患尿毒症糖尿病性ケトアシドーシスアルコール性ケトアシドーシス
泌尿器疾患腎炎
産科疾患妊娠性悪阻
薬物ジゴキシンテオフィリンカルバマゼピン
中毒きのこ中毒
アレルギー疾患消化管アレルギーアナフィラキシー
精神疾患拒食症過食症など

悪心・嘔吐のマネジメント

診断の手掛かりとなる情報としては24時間以内に摂取した食物や旅行歴のほか、腹痛、下痢、便秘といったその他の腹部症状、排ガスの有無や冷や汗の有無など重要である。


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