腫瘍随伴症候群
概要
診療科腫瘍学
分類および外部参照情報
DiseasesDB ⇒2064
eMedicine
腫瘍随伴症候群(しゅようずいはんしょうこうぐん、英: paraneoplastic syndrome)、パラネオプラスティック症候群とは、癌によって引き起こされる疾患または症候であり、圧迫所見(英語版)を除く概念であり、癌細胞が存在することにより局所的にもたらされる作用も除外される[1]。これらの現象は腫瘍細胞が分泌する体液性因子(英語版)(ホルモンやサイトカインによる)や腫瘍に対する免疫応答に基づく。腫瘍随伴症候群は主に中年期または高齢の患者に見られ、肺癌、乳癌、卵巣癌、リンパ腫で多い[2]。腫瘍随伴症候群は病因となる悪性腫瘍の確定診断に先立って見られることが多い。このパラダイムでは、腫瘍細胞は(神経蛋白質等の)腫瘍拒絶抗原(英語版)(参考)を発現し、部分的に(時には完全に)有効な抗腫瘍免疫反応を惹起[3]して腫瘍増殖を抑制し、症状を軽減する[4][5]。患者は、腫瘍免疫が破綻して免疫寛容の状態になりその(例えば神経細胞)の蛋白質を発現する正常な組織が攻撃され始めたときに初めて受診しようと考える。
腫瘍随伴症候群はPNSと略されることが多いが、PNSは「末梢神経系」の意味で用いられることのほうが多い。 腫瘍随伴症候群は4つの主カテゴリーに分類することができる。「内分泌系」、「神経系」、「皮膚粘膜系」、「血液系」であるが、このカテゴリーに入らないものもある。
分類
胸腺腫
異所性ACTHおよびACTH様物質
SIADH
小細胞肺癌[7]
悪性中枢神経系腫瘍[7]
抗利尿ホルモン[7]
高カルシウム血症
肺癌(主に扁平上皮癌)[7]
乳癌[7]
腎細胞癌[7]
多発性骨髄腫(恐らく溶骨性病変とは無関係)
成人T細胞白血病[7]
卵巣腫瘍[7]
PTHrP(副甲状腺ホルモン関連ペプチド), TGF-α, TNF, IL-1[7]
低血糖症
線維肉腫[7]
他の間葉性肉腫[7]
インスリノーマ
肝細胞癌[7]
インスリン、インスリン様物質[7]、IGF-II
カルチノイド症候群
気管支腺腫(カルチノイド型)[7]
膵癌[7]
胃癌[7]
セロトニン、ブラジキニン[7]