脳血栓
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出典検索?: "脳梗塞" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2016年3月)

脳梗塞
CTスキャンの脳断面図。右半球が虚血による脳梗塞を起こしている(画像の左側、濃い黒色の部分)。
分類および外部参照情報
診療科・
学術分野
神経学
ICD-10I61-I64
ICD-9-CM434.91
OMIM601367
DiseasesDB2247
MedlinePlus000726
eMedicineneuro/9 emerg/558 emerg/557 pmr/187
MeSHD020521
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脳梗塞(のうこうそく、: cerebral infarction/stroke)、または脳軟化症(のうなんかしょう)[注 1] とは、栄養する動脈閉塞、または狭窄のため、脳虚血を来たし、脳組織が酸素、または栄養の不足のため壊死、または壊死に近い状態になることをいう。また、それによる諸症状も脳梗塞と呼ばれることがある。なかでも、症状が激烈で(片麻痺意識障害失語など)突然に発症したものは、他の原因によるものも含め、一般に脳卒中と呼ばれる。それに対して、ゆっくりと進行して認知症(脳血管性認知症)などの形をとるものもある。

日本における患者数は約150万人で、毎年約50万人が発症するとされ、日本人の死亡原因の中で高い順位にある高頻度な疾患である。また、後遺症を残して介護が必要となることが多く、寝たきりの原因の約3割、患者の治療費は日本の年間医療費の1割を占めており、福祉の面でも大きな課題を伴う疾患である。目次

1 分類

1.1 アテローム血栓性脳梗塞

1.1.1 危険因子

1.1.2 発症機序


1.2 ラクナ梗塞

1.3 脳塞栓 (embolism)

1.4 3病型のまとめ

1.5 その他の脳梗塞

1.5.1 BAD(branch atheromatous disease)

1.5.2 解離(dissection)によるもの

1.5.3 Trousseau症候群(トルーソー症候群)

1.5.4 脳静脈・静脈洞洞血栓症(CVT)

1.5.5 脳アミロイドアンギオパチー(CAA)

1.5.6 線維筋性形成異常症(FMD)

1.5.7 遺残原始血管

1.5.8 CADASILとCARASIL

1.5.9 血管炎によるもの


1.6 原因不明の脳梗塞

1.7 分類に含まれないが重要な脳梗塞の概念

1.7.1 若年性脳梗塞

1.7.2 線条体内包梗塞

1.7.3 Binswanger病

1.7.4 多発性脳梗塞

1.7.5 脳幹梗塞


1.8 脳梗塞と紛らわしい病態

1.8.1 一過性全健忘(TGA)

1.8.2 MELAS

1.8.3 RPLS、PRES



2 一過性脳虚血性発作(TIA)

3 症状

4 経過

5 確認方法

6 診断

6.1 身体所見(神経学的所見)

6.2 検査所見

6.3 画像所見


7 対応

7.1 血栓溶解療法

7.2 血管治療(血栓回収療法、機械的再開通療法)

7.3 保存的治療

7.4 他の療法

7.5 予後

7.6 慢性期の管理


8 病理

8.1 貧血性梗塞と出血性梗塞

8.2 脳梗塞の背景病変


9 Microbleeding

10 脳梗塞の合併症

10.1 early seizure


11 無症候性病変に関して

12 脳梗塞悪化のメカニズム

13 脚注

14 出典

15 参考文献

16 関連項目

17 外部リンク

分類

脳梗塞は、血管が閉塞する機序によって血栓性・塞栓性・血行力学性の3種類に分類される。臨床病型としては1990年のNIND-III(NINDS: National Institute of Neurological Disorders and Stroke米国国立神経疾患・脳卒中研究所による分類)がよく知られている。

NIND-IIIの分類では局所性脳機能障害をTIAと脳卒中に分類する。脳卒中は脳出血、くも膜下出血、脳動静脈奇形に伴う頭蓋内出血、脳梗塞に分類し、脳梗塞はアテローム血栓性脳梗塞・心原性脳塞栓・ラクナ梗塞・その他の脳梗塞の4種類に分類される。分類によって急性期治療および再発予防が異なる、NINDS-IIIでは臨床病型の特徴は記載されているが診断基準は示されていない。治験などではTOAST分類やオックスフォードの分類が用いられることもある。

TOAST分類では大血管アテローム硬化(=アテローム血栓性脳梗塞)、小血管閉塞(=ラクナ梗塞)、心塞栓症(=心原性脳塞栓症)、その他の原因によるもの、原因不明の5つの病型に分類される。診断基準があるため確実な診断が可能であるが、アテローム血栓性脳梗塞と心原性脳塞栓症のリスクが両方ある場合など複数の原因が考えられる場合に診断ができなくなるため、臨床現場では使いづらい。オックスフォードの分類は症状と画像所見から分類するものである。
アテローム血栓性脳梗塞

動脈硬化によって動脈壁に沈着したアテローム(粥腫)のため動脈内腔が狭小化し、十分な脳血流を保てなくなったもの。また、アテロームが動脈壁からはがれ落ちて末梢に詰まったものもアテローム血栓性に分類される。アテロームは徐々に成長して血流障害を起こしていくことから、その経過の中で側副血行路が成長するなどある程度代償が可能で、壊死範囲はそれほど大きくならない傾向がある。また、脳梗塞発症以前から壊死に至らない程度の脳虚血症状(一過性脳虚血発作、TIA)を起こすことが多く、このTIAに対する対処が脳梗塞の予防において重要である[1]。TOAST分類では病巣近位の責任血管に50%以上の狭窄があること、梗塞巣が1.5cm以上であることが診断基準に含まれる。
危険因子

原疾患として高血圧糖尿病脂質異常症喫煙など。予防は、抗血小板薬アスピリンチクロピジン: Ticlopidine)・クロピドグレル: Clopidogrel)・シロスタゾールジピリダモール: Dipyridamole)など)によってアテロームの成長を抑制すること、原疾患に対する加療・コントロールを行うこと、また飲水を心がけて血流を良好に保つことである。


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