脊髄反射
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生物学で言う反射(はんしゃ、: reflex or spinal reflex)とは、動物の生理作用のうち、特定の刺激に対する反応として意識される事なく起こるものを指す。普通、反射という言葉を使う対象は意識の存在が(曖昧にではあっても)確かめられる脊椎動物に限られる。たとえば昆虫に集まる、ゾウリムシが水面近くに集まるというような走性は反射と呼ばない。ヒトの反射でもっともよく知られたものに、膝蓋腱を叩くと下腿が跳ね上がる膝蓋腱反射、屈筋反射がある。条件反射は定義によっては反射に含まれるが、ここでは扱わない。
目次

1 機能に着目した分類

1.1 姿勢反射

1.1.1 局在性静位反射

1.1.2 分節性静位反射

1.1.3 全身性静位反射

1.1.4 平衡運動反応


1.2 体性反射

1.2.1 腱反射

1.2.2 表在反射

1.2.3 病的反射


1.3 内臓反射


2 神経回路

3 神経診断学

4 脚注

5 参考文献

6 関連項目

機能に着目した分類

反射はその機能から、体性反射と内臓反射(自律神経反射)に大きく分けることができる。体性反射とは骨格筋を収縮させるものであって、腱反射(深部反射)、表在反射に代表される。内臓反射とは、自律神経系を介して、内臓筋を収縮させたり分泌を促進したりするものである。
姿勢反射
局在性静位反射
伸張反射

屈曲反射

陽性支持反射

分節性静位反射
交叉性伸張反射

交叉性屈曲反射

全身性静位反射
緊張性頚反射

緊張性迷路反射

立ち直り反射

平衡運動反応
踏み直り反応

跳び直り反応

シーソー反応

傾斜反応

保護伸展

不動化反射 
普段しない体勢にすると、バランスがとれなくなり、身動きができなくなる。
体性反射
腱反射

腱反射とは、の突端を叩くと、そこにつながっている骨格筋が収縮する反射を指す。医師診察において患者の反射を見るときは、打腱器と呼ばれるハンマーを使って患者を叩く。患者とハンマーの間に医師の指を挟んで刺激を調整することもある。よく知られた腱反射には次のものがある。
上腕二頭筋反射 
肘窩にある、上腕二頭筋が橈骨に付く腱を叩くと、上腕二頭筋の収縮により肘関節が屈曲する。
逆転上腕二頭筋反射

上腕三頭筋反射 
肘頭の上にある、上腕三頭筋が尺骨に付く腱を叩くと、上腕三頭筋の収縮により肘関節が伸展する。
逆転上腕三頭筋反射

膝蓋腱反射(大腿四頭筋反射) 
膝蓋骨の下にある膝蓋靭帯(英語版)を叩くと、大腿四頭筋の収縮により膝関節が伸展する。
アキレス腱反射(下腿三頭筋反射) 
かかとにあるアキレス腱を叩くと、下腿三頭筋の収縮により足関節が底屈する。
橈骨反射

腕橈骨筋反射

回内筋反射(円回内筋反射、尺骨反射、橈骨回内筋反射)

下顎反射

頭後屈反射

眼輪筋反射

胸筋反射

腹筋反射

下肢内転筋反射

膝屈筋反射

吸息反射 
酷く驚いたり恐怖を感じると、息を溜めたまま吐き出せなくなること。
表在反射

表在反射とは、皮膚や粘膜に刺激を加えることで、その周りの筋が収縮する反射を指す。よく知られた表在反射には次のものがある。
角膜反射 
角膜にものが触れると目が閉じる。
くしゃみ反射 
鼻の
粘膜をこよりなどでくすぐるとくしゃみが出る。
咽頭反射 
咽頭後壁の粘膜を強く押すと吐き気を起こす。
腹壁反射 
腹壁の片側を先の鈍い針などで引っかくと、腹壁の筋が収縮して、臍が刺激された側に動く。
挙睾筋反射 
大腿の内側を鈍い針などでこすると、刺激された側の睾丸が挙上する。
殿筋反射(臀部反射) 

足底反射 
足の裏を鍵などでこすると、母趾が屈曲する。常にバビンスキー反射と関連付けて語られるので、詳しくはそちらの記事を参照されたい。
病的反射

上記の反射は日常生活の様々な場面で起こり、姿勢を保ったり、外傷に弱い臓器を守ったりする役に立っている。次に挙げるような病的反射は、定義から言うと腱反射または表在反射に分類できるが、上に挙げたようなものが「起こって正常」なのに対し、「起こると異常」であることから、臨床では別に扱われることが多い。 把握反射
吸引反射 
乳児が唇をこすられると、乳汁を飲むような動きが現れる。吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)とも言う。成長と共に、いずれ消失する反射の1つであり、成人で起こると異常である。なお、食道閉鎖などの奇形が原因で食物を経口摂取できないなどが原因で、胃ろうを使うなどする必要が出てくる場合がある。その後、食道閉鎖などを手術で治して解剖学的には食物の経口摂取が可能になったとしても、この反射が消失する前までに食物の経口摂取をしていなかった場合、食物を経口摂取することは難しくなることが知られている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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