背高泡立草
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セイタカアワダチソウ
セイタカアワダチソウ Solidago altissima
分類

:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 Angiosperms
階級なし:真正双子葉類 Eudicots
階級なし:キク類 Asterids
:キク目 Asterales
:キク科 Asteraceae
:アキノキリンソウ属 Solidago
亜節:Solidago
種集群:Solidago altissima complex
:セイタカアワダチソウ S. altissima

学名
Solidago altissima
シノニム

Solidago canadensis var. scabra
和名
セイタカアワダチソウ(背高泡立草)
英名
Tall goldenrod

セイタカアワダチソウ(背高泡立草、学名:Solidago altissima または Solidago canadensis var. scabra)は、キク科アキノキリンソウ属多年草で、虫媒花である帰化植物

日本では代萩とも呼ばれる。茎を乾燥したものは、すだれや、お茶などの材料に利用される。良く花粉症の原因と間違われるセイタカアワダチソウだが虫媒花の為、花粉を飛ばすことがなく、原因はよく似た植物のブタクサという種である。
概要セイタカアワダチソウの花

北アメリカ原産で、日本では切り花用の観賞植物として導入された帰化植物外来種)であり、ススキなどの在来種と競合する。11月頃まで開花している。河原や空き地などに群生し、高さは1?2.5 m(メートル)、良く肥えた土地では3.5?4.5 m 程度にもなる[1]は、下の方ではほとんど枝分かれがなく、先の方でを付ける枝を多数出す。花期は秋で、濃黄色の小さな花を多く付ける。種子だけでなく地下茎でも増える[2]アレロパシーを有する(後述)。

日本における分布状況は、北海道の一部から沖縄までとなっており[3][4]、一部調査で北限の変化が確認されたことから、繁殖域が北上している可能性がある[3]

同時期(次節参照)に増えた、帰化植物のブタクサと時折間違われ、花粉症の原因だと言われるが、別の植物である。

英語ではカナダ・ゴールデンロッド(Canada Goldenrod)、カナディアン・ゴールデンロッド(Canadian Goldenrod)、レイト・ゴールデンロッド(Late Goldenrod)、トール・ゴールデンロッド(Tall Goldenrod、ただしこの語は「ジャイアント・ゴールデンロッド」ことオオアワダチソウのことを指すこともある)、などと言う。

アキノキリンソウ属の植物を総称して『ゴールデンロッド』と呼ばれるが、セイタカアワダチソウの原産地である北アメリカ大陸の北中部(カナダのオンタリオ州やアメリカのオハイオ州など)では、単にゴールデンロッドと言うとセイタカアワダチソウを指すことが多い。これらの地域では蜜源植物としても重要である。カナダ・アメリカ・メキシコ北部の至る所に生えている。

アキノキリンソウ属 Solidago は多くの種を含むため、その分類については古くから議論があった。最新の分子系統解析に基づくと、現在 Solidago altissima と Solidago canadensis は別種として扱われる[5]。Solidago canadensis var. scabra という学名は、分子系統が明らかになる前に使われていた学名であるが、この呼称が使われることによって、アジアにおける S. canadensis の分布に多くの曖昧さが生じてしまっている[6]。S. altissima には、2倍体、4倍体、6倍体が含まれるのに対し、S. canadensis には2倍体の系統のみが確認されている。日本に分布するセイタカアワダチソウでは現在のところ6倍体の系統しか確認されていないことからも[7]、日本ではセイタカアワダチソウを S. altissima と呼ぶのがより適切である。
特徴教会の前に咲くセイタカアワダチソウ

背の高くなる多年生草本[8]。地下茎を伸ばして良く増え、大きな群落を作る。背は高く、1?2 m に達する。葉は茎に沿って多数が密生して付き、披針形で先端は伸びて尖り、長さ6?13 cm(センチメートル)、幅1?2 cm。葉脈は主脈と1対の側脈、計3本の脈が目立つ。また茎や葉の全体に短くて固い毛が多く、手触りがざらついている。ロゼットで越冬する[9]

花は10月から11月にかけて咲く。花序は全体としては円錐花序となり、個々の枝は小さな頭花を総状に多数つけ、そのような横枝が主軸に対して直角に近い大きな角度を成して広がる。つまり主軸が上に伸びるのに対し、多数の花をつけた横枝が水平に近い方向へ伸びる。総苞は長さ3.2?5 mm、舌状花の花冠は長さ4 mm。
類似の種

やはり帰化植物オオアワダチソウ Solidago gigantea var. leiophylla は本種に似ているが全体に毛がない。また開花はやや早くて7月から9月である。同属の日本産のものにアキノキリンソウ S. virgaurea があり、これは変異に富む種で、複数の変異を含み、一部は別種とされることもあるが、総じて小型で背丈は大きくても80 cm 程度である。また花序は枝が広がらず、花数は遙かに少なく、個々の花はより大きい[10]
日本への侵入と拡散

日本国内への移入は、明治時代末期に園芸目的で持ち込まれ[11][12][13]、「昭和の初めには既に帰化が知られている」との記述が牧野日本植物図鑑にある[14]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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