この項目では、人間が、動物の肉を食べることについて説明しています。動物が、他の動物を捕食することについては「肉食動物」を、人間が食べる肉については「食肉」をご覧ください。
肉食(にくしょく、にくじき)とは、 狩猟採集社会では、(最近の学者らの指摘のように実際には採集のほうが基本であるにしても)自然界の鳥・獣を捕えて、その肉を食べていた。こうした狩猟は現代も行われており、獲物の肉は狩猟者本人が食用にするだけでなく、販売もされている(ジビエ)。 畜産を含む農業が発達すると、家畜として育てられた動物の肉を食べることが主流となった。飼料を与えて育てた家畜から食肉を生産することは、人間が直接的に植物性の食物を食べるよりも多くの飼料植物を必要とし、効率がかなり悪い。世界人口の増加による食肉不足への備えや、獣肉を避ける人向けに、食感を肉に近づけた植物由来の人工肉も開発・販売されている[1]。 様々な宗教で、もととなる動物の種類や処理方法により、食してよい肉と食してはいけない肉を区別している。宗教とは別の個人的な価値観や嗜好、健康上の理由などで肉全体あるいは一部の肉を食べない人もいる。「食のタブー」、「カシュルート」、「ハラール」、および「精進料理」も参照 動物考古学においては遺跡から出土した野生獣や家畜の動物遺体(動物の骨)を素材に、遺跡の性格などと総合して食用としての用途を考察する。イヌやウマなどは埋葬されたケースもあり、遺跡から出土した動物遺体の用途の判断は、まず骨格が解剖学的位置を保った埋葬事例と区別する点が留意される[2]。 動物を食肉として利用するためには刃物を用いて部位を切り分け、筋肉を骨から剥がし、場合によっては骨自体を断ち切り、骨膜を剥離するなど様々な作業が行われ、その過程で骨自体に解体痕
動物の肉を食物とすること。
一般の動物が、他の動物を食物とすること。対比されているのは「草食」という概念。
概要
動物考古学から見た肉食
また、肉食の痕跡は人骨に残されるコラーゲンに含まれる炭素と窒素の同位体比測定から推察する手法も確立されている[3]。 魚類に関しては、自然界の魚を捕えて、つまり漁を行って魚を得てそれを食べている割合が圧倒的に多い。日本では伝統的に魚を食べること(魚肉を食べること)がさかんであり、これが日本人の健康に貢献していることが知られている。内陸部では川魚・ため池での養殖・小魚の佃煮などが、多く食べられていた。イナゴ・蚕なども佃煮にして、タンパク源としていた。 また、様々な獣や鳥の狩猟が行われて、食べられている。農業が盛んになってからは狩猟をして捕える量よりもむしろ肉畜を飼育する割合が増えたが、ヨーロッパでは自然界の木の実、木の芽などを食べて育ったジビエのおいしさがよく理解されており、高級料理店でさかんに食べられており、食材店でも並んでいる。日本でもようやくそれに気付く人が増えてきた。 家畜一覧より改変(2003-xij-20現在)。
肉食の対象
猟/漁によって得た肉を食べる場合
家畜を食べる場合
アルパカ(alpaca)
イヌ(犬、dog)
ウサギ(兎、rabbit)
ウシ(牛、cattle)
ウマ(馬、horse)
スイギュウ(水牛、water buffalo)
ネコ(猫、cat)
ヒツジ(羊、sheep)
ブタ(豚、pig)
山羊(ヤギ、goat)
ヤク(yak)
ラバ(騾馬、mule)
ラマ(リャマ、llama)
ロバ(驢馬、donkey)
クイ(モルモット、天竺ネズミ)