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ウシ(牛)は、哺乳綱鯨偶蹄目ウシ科ウシ亜科の動物である。野生のオーロックスが家畜化されて生まれた。
「ウシ」は、狭義では特に(種レベルで)家畜種のウシ[学名:Bos taurus(日本語音写例:ボス・タウルス、ボース・タウルス)]を指す。一方、やや広義では、ウシ属 (genus Bos ) を指し、そこにはバンテンなどの野生牛が含まれる。さらに広義では、ウシ亜科 (subfamilia Bovinae) の総称である。すなわち、アフリカスイギュウ属、アジアスイギュウ属、ウシ属、バイソン属などを指す。これらは牛と認められる共通の体形と特徴を持つ。大きな胴体、短い首と一対の角、胴体と比べて短めの脚、軽快さの乏しい比較的鈍重な動きである。ウシと比較的近縁の動物としては、同じウシ亜目(反芻亜目)にキリン類やシカ類、また、同じウシ科の仲間としてヤギ、ヒツジ、レイヨウなどがあるが、これらが牛と混同されることはまずない。
以下ではこのうち、家畜ウシについて解説する。目次 ウシは、伝統的には牛肉食文化が存在しなかった地域においては単一語[例えば、漢字文化圏においては『牛』、ないし、十二支の配分である『丑(うし)]で総称されてきた。これに対し、古くから牛肉食や酪農を目的とする家畜としての飼育文化や放牧が長く行われてきた西洋地域(例えば、主に英語圏など商業的牛肉畜産業が盛んな地域)においては、ウシの諸条件によって多種多様な呼称をもつ傾向がある。 インターネットの世界的普及などによる情報革命が起き、ユビキタス社会の黎明期ともなった21世紀初期には、欧米由来の食文化のグローバル化も進展し、宗教的理由から牛肉食がタブーとされている地域を除いては、牛肉食文化の世界的拡散が顕著である。特に商業畜産的要因から、現代の畜産・肥育・流通現場においては世界各地で細分化された名称が用いられる傾向がある。
1 名称
1.1 性別による名称
1.2 年齢による名称
1.3 飼育条件による名称
1.4 日本語の方言・民俗
2 形質
3 家畜としてのウシ
3.1 食用等
3.2 使役
3.3 土壌改良
3.4 娯楽
3.5 信仰
3.6 家畜としての牛の一生
3.6.1 乳牛
3.6.2 肉牛
3.6.2.1 肥育牛
3.6.3 繁殖用雌牛
3.7 外科的処置
3.7.1 除角
3.7.2 去勢
3.7.3 鼻環(鼻ぐり)
4 病気
4.1 舌遊び
4.2 失明
4.3 中毒
5 主要品種
5.1 ヨーロッパ由来品種
5.2 アジア由来品種
5.3 日本由来品種
6 飼育数
7 利用
7.1 食用
7.2 皮革
7.3 生薬
7.4 牛糞
7.5 胆汁
8 歴史
8.1 世界
8.2 日本列島
9 文化と宗教
9.1 紋章
10 環境問題
11 慣用句
12 脚注
12.1 注釈
12.2 出典
13 参考文献
14 関連項目
15 外部リンク
名称
性別による名称
牡の牛
牡(雄、オス、♂)の牛。日本語では、牡牛/雄牛(おうし、おすうし、古訓:『をうじ』とも)[1]、牡牛(ぼぎゅう)[1]という。「雄牛(ゆうぎゅう)」という読みも考えられるが、用例は確認できず、しかし種雄牛(しゅゆうぎゅう、雄の種牛
牝の牛
牝(雌、メス、♀)の牛。日本語では、牝牛/雌牛(めうし、めすうし、古訓:『めうじ』『をなめ』『をんなめ[3]』『うなめ』とも)[4][3]、牝牛(ひんぎゅう)[3]という。「雌牛(しぎゅう)」という読みも考えられるが、用例は確認できず、雄と違って種雌牛も「しゅしぎゅう」ではなく「たねめすうし」と訓読みする[5]。