職業教育
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米国シアトルの航空機整備教育施設イギリスの消防学校

職業教育(しょくぎょうきょういく、英語:vocational education)とは、即戦力となる職業人としての人材を育成するための知識技能を習得させるための教育のことをいう。徒弟制度と関連が深い。

世界人権宣言においては「技術教育及び職業教育は、一般に利用できるものでなければならない(第26条1)」と定められている。また技術教育および職業教育に関する条約(1989年、ユネスコ[1])があるが、日本はこの条約を批准していない。中等教育レベルについては「職業高等学校」を参照高等職業教育機関については「職業大学」を参照
分類

二次教育を卒業した若者(16-29歳)の
職業教育状況割合
[2]割合(%)徒弟に就く徒弟以外
として働く学習のみ
ドイツ72.720.36.8
オーストラリア43.048.48.5
オランダ19.650.929.4
イングランドおよび
北アイルランド6.060.733.2
オーストリア36.928.434.6
デンマーク26.537.935.4
ノルウェー14.345.540.1
フィンランド6.624.868.5
エストニア5.419.974.5
スウェーデン1.222.875.9
ポーランド3.410.685.9
スペイン1.412.486.1
チェコ2.510.387.1
フランドル地方3.98.687.4
日本0.012.187.9
韓国4.66.688.7
フランス5.73.390.93
スロバキア3.34.292.43
イタリア0.24.795.01
カナダ0.048.951.04

国際標準教育分類(ISCED)1997年版では、職業教育の分類は各国で以下のようにばらつきがある[3]

ISCED-4 - 米国・オーストラリアの短期職業大学プログラムなど

ISCED-5B - スイスの短期職業大学プログラムなど

ISCED-5A - オランダ、デンマークの専門職学位を付与する大学プログラム

また短期職業教育(Short-cycle professional education)とは、学位レベル以下の職業教育プログラムと定義されている(大学一般教育免状など)[4]

欧州連合ではコペンハーゲン・プロセスが進行しており、これは欧州31カ国で職業教育の資格認定を調整する政策である[5]。また各国の資格の互換性として欧州資格フレームワーク(EQF)が定められている。これら調整機関として欧州職業訓練開発センター(CEDEFOP)等が存在する。
各国の制度
アメリカ合衆国詳細は「en:Vocational education in the United States」を参照「en:Continuing education」、「アメリカ合衆国のコミュニティ・カレッジ」、および「プロフェッショナル・スクール」も参照
イギリス「全国職業資格」および「継続教育 (イギリス)」も参照

英国にて最初のTrades School(商業学校)はStanley Technical Trades School (現在のHarris Academy South Norwood) である。これはWilliam Stanleyによって設計・建設・運営され、1901年に構想されて1907年に開校した[6]

英国の職業教育制度は、初期は政府とは独立して発展し、ロイヤル・ソサエティ・オブ・アーツロンドン・シティ・ギルド協会が技能検定試験を行っていた。後に1944年教育法(Education Act 1944)によって、グラマースクール、Secondary Technical School、Secondary modern schoolのTripartite System(三分制)が確立され、1975年には英国人若者学生のうち技術学校を選ぶのは0.5%となり、これはドイツの割合の3分の2であった[7]

現在では、ビジネス・イノベーション・職業技能省および児童・学校・家庭省が所管しており、職業教育機関としては継続教育カレッジ(Further Education College)が最大である[8][9][10]。近年英国政府は職業教育の普及と拡大を図っており、1970年代には商業技術教育委員会(BTEC)が設立され、継続教育高等教育の評価に取り組むようになった。

1980-90年代には、英国保守党政権は Youth Training Scheme、全国職業資格(NVQ)、General National Vocational Qualification(GNVQ)に取り組み、フルタイム教育の割合は増加したが、若年者の教育は取り残されていた[7]

1994年、政府の支援による現代徒弟制度(Modern Apprenticeships, MA)が導入され、若年者(16-24歳)の職場訓練制度が整備された[11][12]。徒弟の数は近年増加しており、児童学校家族省によれば、この現代徒弟制度をイングランド教育制度の主流にしていきたいとしている[13]

英国においては、4-5年のインターンシップが必要ないくつか技術士職については、高等国家サーティフィケート(HNC)、高等国家ディプロマ(HND)、またはロンドン・シティ・ギルド協会以上の学位を必要としている。


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