聖闘士星矢
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アニメ化作品については「#アニメ」をご覧ください。

作中の主人公については「天馬星座の星矢」をご覧ください。

聖闘士星矢


ジャンル少年漫画ファンタジー漫画
漫画
作者車田正美
出版社集英社
掲載誌週刊少年ジャンプ
ブイジャンプ[注釈 1]
レーベルジャンプ・コミックス
発表号週刊少年ジャンプ:1986年1・2合併号 - 1990年49号
ブイジャンプ:1990年12月12日号
巻数全28巻
話数全246話
その他愛蔵版:全15巻
文庫版:全15巻
完全版:全22巻
新装版:既刊10巻(2024年6月7日現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画
ポータル漫画

『聖闘士星矢』(セイントセイヤ、SAINT SEIYA)は、車田正美による日本漫画。1985年12月(1986年1・2合併号)より集英社の漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』(以下WJと表記)で連載を開始した。「聖衣(クロス)」と呼ばれる星座の趣向を凝らした鎧や、ギリシア神話をモチーフにした物語が人気を博し、1980年代WJの看板作品の一つとなった。2022年2月時点で全世界シリーズ累計は5000万部を突破している[1]
概要

車田正美の前作『男坂』が短期間の連載に終わったことから、次回作はメジャー路線と読者受けを意識し、プラモデルの要素を取り入れた聖衣が少年読者に、ギリシャ神話を題材にしたストーリーが少女読者にそれぞれ受けるだろうという発想から構想が練られた。その狙いは的中し、「聖闘士(セイント)」「小宇宙(コスモ)」といったネーミングとともに人気を獲得した。聖衣の構造を詳しく解説した「聖衣分解装着図」や、読者からの聖衣デザインのアイディア公募などの企画もその人気を盛り立てた[注釈 2]。1986年にはテレビアニメ化し、スポンサーとなったバンダイから玩具やゲームソフトなども発売。聖衣を再現したフィギュア玩具『聖闘士聖衣大系』は1987年度男子玩具最大のヒット商品となった[2]

WJでの連載は冥王ハーデス編の最終決戦途中ながら、1990年11月をもって終了。冥王ハーデス編が予定外の長期におよび、連載終了号に最終回が入りきらないことが判明したため、同年創刊の『ブイジャンプ』誌にて、車田正美による読切作品に代わり『聖闘士星矢』の最終エピソードとなる『聖闘士星矢 完結編』が掲載された[注釈 3]。ジャンプ・コミックス最終巻にはさらに加筆が行われている。

本編終了後も『聖闘士聖衣神話』を始めとするグッズの販売、アニメーション作品や外伝漫画などの新作が作り続けられている。2006年からは本編の正統続編となる『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』が『週刊少年チャンピオン』誌上で連載中。
あらすじ

この世には邪悪がはびこるとき、必ずや現れるといわれる希望の闘士聖闘士(セイント)。その拳は空を裂き、蹴りは大地を割るという。彼らは神話の時代より女神アテナに仕え、武器を嫌うアテナのために素手で敵と戦い、天空に輝く88の星座を守護としてそれを模した聖衣(クロス)と呼ばれる防具を纏う。そして現代、6年もの厳しい修行を経てアテナの聖闘士となった少年星矢が父に運命を託された実の兄弟たち(アニメ版では同じ境遇の少年たち)と共に地上の覇権を争う神々の争いに身を投じる。

天馬星座(ペガサス)の星矢龍星座(ドラゴン)の紫龍白鳥星座(キグナス)の氷河アンドロメダ星座の瞬鳳凰星座(フェニックス)の一輝、の5人の青銅聖闘士(ブロンズセイント)が全編を通じて物語の軸となる。
銀河戦争編
青銅聖闘士編
主人公・星矢は聖闘士の総本山である
ギリシア聖域にて、女聖闘士・魔鈴から過酷な修行を受ける。教皇の見守る前でライバル・カシオスとの死闘を制した星矢は天馬星座の青銅聖闘士として認められ、天馬星座の聖衣を手に入れる。星矢に修行を強いたのは、日本の大財閥グラード財団の総帥・城戸光政であり、同様に世界各地で命がけの過酷な修行を経て、聖衣を授けられ聖闘士となって日本に帰ってきたのは星矢を含めわずか10人であった。彼らは光政の孫娘・城戸沙織の主催する一大娯楽イベント「銀河戦争(ギャラクシアンウォーズ)」に参加させられ、それぞれの思惑を胸に、優勝賞品の黄金聖衣を賭けた闘いが始まる。だが戦いが進むうち、謎とされた10人目の参加者・一輝が乱入し、配下の暗黒聖闘士(ブラックセイント)により黄金聖衣が強奪され、銀河戦争は中断を強いられる。
暗黒聖闘士編
黄金聖衣を持ち去った一輝の影武者たちを追撃する星矢、瞬、氷河、紫龍の4人。星矢たちは黄金聖衣のパーツの一部を奪還することに成功する。だが、影武者たちは雑兵に過ぎず、彼らの背後には暗黒聖闘士最強を誇る「
暗黒四天王」がいた。星矢たち青銅聖闘士4人と暗黒四天王、そして一輝との、黄金聖衣を賭けた戦いが始まる。
白銀聖闘士編

一輝を倒して黄金聖衣を取り返した星矢たちだったが、銀河戦争を聖闘士の掟に反する私闘と見なした聖域から、青銅聖闘士抹殺のために10人の白銀聖闘士(シルバーセイント)と聖闘士の頂点に立つ黄金聖闘士(ゴールドセイント)が派遣される。自分たちより格上である強敵との激闘の後、黄金聖闘士獅子座のアイオリアとの対決によって城戸沙織こそがかつて黄金聖闘士射手座のアイオロスに救われた女神アテナの化身であること、そして聖域の教皇こそがアテナ暗殺を企んだ元凶であることが明らかになり、星矢たち青銅聖闘士は教皇に戦いを挑むことを決意する。
黄金聖闘士編(十二宮編)

教皇を倒すために、アテナ沙織を擁す青銅聖闘士たちがギリシアの聖域に乗り込む。が、聖域に到着早々、トレミーが放った黄金の矢によってアテナが倒れる。その矢を抜くことが可能なのは教皇だけだと聞き、青銅聖闘士たちは十二宮の頂上にある教皇の間を目指す。その行く手を阻むのは、88の星座の中でも頂点を極めた最強の黄金聖闘士(ゴールドセイント)たち。死闘を乗り越え、本物の教皇を殺害し13年前から教皇になりすましていた双子座のサガと星矢の最終決戦、アテナの復活、そしてサガの自決で終わる。最強といわれる黄金聖闘士が5人(双子座のサガ、蟹座のデスマスク山羊座のシュラ水瓶座のカミュ魚座のアフロディーテ)も命を落とした激戦であった。これらの戦いはサガが起こした教皇暗殺とアテナ暗殺未遂が招いた悲劇と判明した後は「サガの乱」とも総称される[4]
ポセイドン編

地上制覇の野望を持つ海皇ポセイドンにより地中海海底神殿に拉致されたアテナを救助するため、星矢たちが、7つの海の底に聳え立つ7本の柱を守る海将軍(ジェネラル)たちと闘う。本編は、首謀者双子座のカノン(海将軍のリーダーとして立ち塞がる)を改心させ、海皇ポセイドンの魂をアテナの壺で封印し、海底神殿の崩壊で終わる。
ハーデス編
十二宮編
前聖戦から243年ぶりに復活し、聖域へ侵攻を始めた
冥王ハーデスと108人の冥闘士(スペクター)から地上世界を守るため聖闘士たちが闘う。サガに殺害された真の教皇シオン、また先の戦いで死んだ黄金聖闘士たちも冥闘士として復活し、アテナの命を奪おうとする。アテナはエイトセンシズを発揮してハーデスを討つべく冥界に赴いた。
冥界編
冥王ハーデスの本拠である、
ダンテの『神曲』をモチーフにした冥界が舞台。瞬と一輝の兄弟を巻き込んだハーデスの肉体の秘密や、それに纏わるパンドラの過去が暴かれる。そして黄金聖闘士12人が集結、それらを集中した太陽の光によって嘆きの壁を破壊してエリシオンに向かう。
エリシオン編
幾多の困難の末ハーデスのいるエリシオンにたどり着き、アテナに
聖衣を届けようとする星矢たち。その行く手を双子の神、ヒュプノスタナトスが阻む。そして、聖衣を纏ったアテナと青銅聖衣が神聖衣に進化した星矢たちは、ハーデスとの最終決戦を迎える。激戦の末、星矢の犠牲によってハーデスの肉体は完全消滅、それに伴い冥界は崩壊し、太陽の復活と共に地上に真の平和が訪れた。
外伝「聖闘士星矢EPISODE.G」および「聖闘士星矢 冥王神話」も参照
SHAKA
WJ1987年13号掲載。一輝の修行が終了した直後の物語で、コミックス収録の際に暗黒聖闘士編終盤に組み込まれた。暗黒聖闘士が鳳凰星座の聖衣を我が物にしていると聞いた一輝がその牙城に乗り込み、激戦を繰り広げる。物語はその後、黄金聖闘士シャカとの出会いと、暗黒聖闘士を纏め上げるまでを描く。掲載時は本編との一挙二作掲載で、本編ではシャカがアイオリアと教皇との対峙に割って入る形で初登場している。
氷の国のナターシャ
WJ1988年13号掲載。
氷河を主人公とした外伝。北極圏にある永久凍土の地ブルーグラードで、聖闘士と同等の実力者といわれる極北の伝説の戦士・氷戦士(ブルーウォリアー)たちとの戦いに、氷河が巻き込まれる。
登場人物詳細は「聖闘士星矢の登場人物」を参照
作中用語
聖闘士・聖域関連
聖闘士(セイント)
この世には邪悪がはびこるとき、必ずや現れるといわれる希望の存在。
女神アテナを守るために戦う闘士たちの総称。アテナに仕えることから「アテナの聖闘士」ともいう。その存在は俗人には伝説とされ「その拳は空を裂き、その蹴りは大地を割る」と言い伝えられる超人的な能力を有している。自己の実力の及ばないところを天佑によって補うため、それぞれが天空の星座を守護に持つ。88の星座それぞれに対応し、88人の聖闘士が存在する[注釈 4]。彼等は自分の守護星座を称号としており、その称号の下に聖闘士それぞれの名が呼ばれる。守護星座は、星座の形がそのまま自らの急所「星命点」となるなど、聖闘士の運命にも大きく影響をおよぼす[6]。聖闘士を志す者は、上級聖闘士などのもとで数年間の修行を経た後、その実力と守護星の導きに応じて、聖闘士の証である聖衣(クロス)と呼ばれる鎧を与えられる。聖闘士はその聖衣の種別(後述)に応じて黄金聖闘士(ゴールドセイント)、白銀聖闘士(シルバーセイント)、青銅聖闘士(ブロンズセイント)の3階級に分けられる。そのさらに下位には、聖衣を持たない雑兵がいるが、彼らも聖闘士と呼ばれることがある[7]。88人の内訳は黄金12人(黄道十二星座に対応)、白銀24人、青銅48人[5][注釈 5]とされるが、総数が揃うことはありえず、常にいくつかの聖衣が所有者不在となっている[5]。おおむね拳速がマッハ1前後のものが青銅、2 - 5で白銀、光速が黄金の標準的な実力である[注釈 6]。アテナが武器を嫌い、それを持って戦うことを禁じているため、聖闘士となる者は修行で己の肉体を極限まで鍛え、原子を砕くという破壊の究極を身に付けている。アンドロメダ星座星雲鎖(ネビュラチェーン)や地獄の番犬星座の鋼球鎖、御者星座の円盤(ソーサー)など武器のような装備品を持つ聖衣もあるが、これらはあくまで下級聖闘士が上級聖闘士の任務を補助するため、もしくは自身の拳を振るう前の牽制用の装備品として位置づけられている[9]。「聖闘士に同じ技は二度と通用しない」といわれ、一撃目はなすすべもなくやられた強力な技に対しても、二度目は見切る(あるいは対戦前に一度技を見ていた場合など)ことも可能。ただしあまりにも実力差がある場合、例外的なケースもある。本来、聖闘士は女神であるアテナを守護する少年達という意味合いから、男性しかなることが出来ない。女性が聖闘士となる場合は、女であることを捨てて常に仮面を被る必要がある。女性聖闘士にとって素顔を見られることは、裸を見られるよりも屈辱であり、素顔を見られた場合、その人間を愛するか殺すという2つの条件が課せられる[10][注釈 7]
聖衣(クロス)
聖闘士が身にまとう防具。各々の守護星座の形を象ったオブジェ形態から分解・変形して、聖闘士の身体を包む防具になる。装着者である聖闘士に闘争心がないなど
小宇宙が低いときにはただの重い防具に過ぎないが、小宇宙の高まりに応じて軽くなり攻撃力が増す。聖衣は階級別に青銅聖衣(ブロンズクロス)、白銀聖衣(シルバークロス)、黄金聖衣(ゴールドクロス)の3種類がある[注釈 8]。黄金聖闘士の血を浴びた聖衣は、纏う聖闘士が小宇宙(コスモ)をセブンセンシズまで高めることによって、形状は元の聖衣のままで、黄金色に輝き硬度が増した状態の「黄金聖衣に限りなく近い聖衣」となる場合がある(ポセイドン編の星矢達が該当、アニメでは一輝も含む)。さらにアテナの血を浴びることで(牡羊座のシオン曰く)「最強最後の聖衣」となり、ハーデスの結界による弱体化の影響を受けず、神々しか通行できない超次元の移動が可能となる、神聖衣(ゴッドクロス、後述)へ進化するといった特別な能力を発揮する。なお、非装着時は聖衣箱(パンドラボックス[11]、またはクロスボックス[5])と呼ばれる専用の箱に収納されている。


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