『聖母被昇天』スペイン語: La Asuncion de la Virgen
英語: Assumption of the Virgin
作者アンニーバレ・カラッチ
製作年1588-1590年ごろ
種類キャンバス上に油彩
寸法130 cm × 97 cm (51 in × 38 in)
所蔵プラド美術館、マドリード
『聖母被昇天』(せいぼひしょうてん、西: La Asuncion de la Virgen、英: Assumption of the Virgin)は、イタリアのバロック絵画の巨匠アンニーバレ・カラッチが1588-1590年に[1]キャンバス上に油彩で制作した絵画である。カトリック教会の教義である「聖母マリアの被昇天」を主題としている。第6代モンテレイ伯爵 (Count of Monterrey) によりイタリアからもたらされ、フェリペ4世 (スペイン王) に献上された作品で[2]、1656年にエル・エスコリアル修道院に運ばれた[1]。1839年以来、マドリードのプラド美術館に所蔵されている[1][2]。 本作を誰が、いつ委嘱したかは何もわかっていない。サイズが比較的小さいため、個人の礼拝堂のための作品であった可能性がある[1]。1587年制作のアルテ・マイスター絵画館 (ドレスデン) にある別の『聖母被昇天』の準備作品として誤って考えられたことがあるが、コレッジョの名残を留めるドレスデンの作品と関わりがないことは確かである[1]。 プラド美術館の『聖母被昇天』は古典主義の要素を持っている[3]が、アンニーバレがヴェネツィア派の画家、とりわけティツィアーノ、ティントレットに魅惑されていたことを示している。後者の『聖母被昇天 (ティントレット)
作品
なお、カラッチは、祭壇画の『聖母被昇天』 (1600-1601年) をローマのサンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂(英語版)のチェラージ礼拝堂(英語版)のためにも描いている。この作品は本作とは異なり、ラファエロ的な様式を凝結したものである[4]。
ギャラリー
ティントレット『聖母被昇天 (ティントレット)(英語版)』 (1555年ごろ) イ・ジェズィーティ教会 (サンタ・マリア・アッスンタ教会)(英語版)、ヴェネツィア
アンニーバレ・カラッチ『聖母被昇天』(1587年ごろ) アルテ・マイスター絵画館、ドレスデン
アンニーバレ・カラッチ『聖母被昇天』(1600-1601年) 、サンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂(英語版)、ローマ
脚注^ a b c d e f “The Assumption of the Virgin”. プラド美術館公式サイト (英語). 2024年2月27日閲覧。
^ a b 『プラド美術館』、1990年、164頁。
^ 『プラド美術館』、1990年、132頁。
^ 週刊グレート・アーティスト 59 カラッチ、1991年 11頁。
参考文献
『プラド美術館』、みすず書房/スカラ・ブックス、1990年刊行 ISBN 4-622-02703-8
中山公男監修『週刊グレート・アーティスト 59 カラッチ』、同朋舎出版、1991年刊行
外部リンク
プラド美術館公式サイト、アンニーバレ・カラッチ『聖母被昇天』 (英語)
表
話
編
歴
アンニーバレ・カラッチ
風俗画
『肉屋の店』(1583年頃)
『豆を食べる男』(1583-1584年頃)
『猫をからかう二人の子供』(1587-1588年頃)
宗教画
『キリストの洗礼』(1585年)
『聖クララ、聖フランチェスコ、マグダラのマリアのいるピエタ』(1585年)
『聖エウスタキウスの幻視』(1585-1586年)
『聖母子と聖人たち (ドレスデン)』(1588年)
『聖母被昇天 (プラド美術館)』(1588-1590年)
『聖ルカと聖カタリナの前に現れる聖母』(1592年)
『聖母子と聖人たち (ボローニャ)』(1593年)
『聖ロクスの施し』(1587-1595年)
『キリストの埋葬』(1595年頃)
『キリストとサマリアの女』(1594-1595年)
『修道院長聖アントニウスに現れるキリスト』(1598-1600年)
『栄光のキリストと聖人たち、およびオドアルド・ファルネーゼ』(1598-1600年)