聖書協会共同訳聖書
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聖書 聖書協会共同訳
正式名称聖書 聖書協会共同訳
[1]
略称SI[2]
言語日本語[3]
完全版
出版時期2018年(平成30年)12月3日[4][5]
原文旧約聖書:『ビブリア・ヘブライカ・シュトットガルテンシア(修正第5版)』(ドイツ聖書協会)及び『ビブリア・ヘブライカ・クインタ』(ドイツ聖書協会)[3]
旧約聖書続編:『ギリシア語旧約聖書』(ゲッティンゲン研究所)ほか[6]
新約聖書:『ギリシア語新約聖書(第5版)』(聖書協会世界連盟)[7][注 1]
翻訳の
種類スコポス理論(英語版)[9]
出版社日本聖書協会 [10]
著作権状態日本聖書協会[11]
教派エキュメニズム[12]

聖書 聖書協会共同訳(せいしょ せいしょきょうかいきょうどうやく、: Japan Bible Society Interconfessional Version)は、聖書の日本語訳のひとつ。聖書 新共同訳に引き続き、カトリックプロテスタントの共同で訳された。翻訳の著作権者と出版社は日本聖書協会[13]
新共同訳の評価

1968年、聖書協会世界連盟(英: United Bible Societies)とカトリック教会: Ecclesia Catholica)の間で協議が成立し、プロテスタントカトリックが同じ聖書を用いるための聖書翻訳作業の「標準原則[注 2]」がまとめられ、世界各国で「共同訳」の翻訳が開始された[8][14]。日本国でも、1970年(昭和45年)に「共同訳聖書実行委員会」を組織し、当時の日本を代表する聖書学者70余名が選出され、翻訳が開始された[14]。しかし、翻訳方針を巡っては紆余曲折があった[4]。動的等価(意訳)理論に基づいて翻訳した新約聖書を共同訳として1978年(昭和53年)に先行頒布したが、諸教会から採用に否定的な声が寄せられた[4][15]。その結果、急遽翻訳方針を逐語訳へと見直し、聖書全書を新共同訳として1987年(昭和63年)に発刊したが、翻訳方針の変更などに伴う訳語、訳文の未調整部分が課題として残った[4][15]
新翻訳事業の開始

日本聖書協会は、新共同訳を精査し次世代に向けて新たにどのような聖書翻訳を目指すべきか検討するために、2005年(平成17年)11月に翻訳部を新設し、あわせて翻訳理論の研究及び実際の翻訳作業についての調査を行った[9][注 3]。その結果、オランダ聖書協会(蘭: Nederlands Bijbelgenootschap)が2004年に発刊し、高い評価を得ているオランダ語訳聖書(蘭: Nieuwe Bijbelvertaling)の翻訳手順と、その翻訳理論である「スコポス理論(英語版)」が、モデルとして参考になるとの結論に至った[9]。そこで、「スコポス理論」の主唱者であるオランダ自由大学教授のローレンス・デ・ヴリース(: Lourens de Vries)を招いて直接「スコポス理論」について学ぶなどし、このスコポス理論を新たな聖書翻訳に用いる方針が決まった[9]。過去においては、いくつかある翻訳原則のどれが正しいかが議論され、「逐語訳」と「動的等価訳」とが対立的に捉えられてきたが、スコポス理論の利点は翻訳理論を別の視点から捉え直すことにより、翻訳理論の間の対立を乗り越えることを可能にしたことにある[9]。スコポスとはギリシア語で目標を意味し、聖書翻訳理論では「対象読者(聴衆)」と「使用目的(機能)」を表す[9]。対象読者を未信者とし、使用目的を伝道用とする場合と、対象読者を高学歴の信者とし、使用目的を礼拝用とする場合では、おのずと翻訳原則も異なる[9]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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