翻訳ミステリー大賞
受賞対象翻訳小説のうち投票者がミステリーと見なす作品
国 日本
主催翻訳ミステリー大賞シンジケート
初回第1回(2009年度)
最新回第13回(2021年度)
公式サイト ⇒http://honyakumystery.jp/
翻訳ミステリー大賞(ほんやくミステリーたいしょう)は、日本語に翻訳された海外の推理小説が対象の文学賞。海外ミステリーの現役翻訳者の投票によって大賞が選ばれる。翻訳者として読者に読んでほしい作品を選ぶ賞である。2009年に、翻訳家の小鷹信光・深町眞理子・白石朗・越前敏弥・田口俊樹によって創設された。 大賞大賞以外の一次選考通過作品読者賞
選出方法
対象作品
前年11月1日から、その年の10月31日までに刊行された作品。
当初は、前年12月1日からとしていたが、第3回(2011年度)より前年11月1日からとなった。第1回(2009年度):2008年12月1日?2009年11月30日刊行作品[1]第2回(2010年度):2009年12月1日?2010年10月31日刊行作品[2]
一次選考
投票者
フィクション・ノンフィクションを問わず訳書または共訳書が1冊以上ある翻訳家。当初はフィクションの訳書がある翻訳家(2009年度は約350人[3])に限っていたが、一次投票では第7回(2015年度)からノンフィクションの翻訳家も投票できるようになった[4]。
投票方法
各投票者は、5作品を順位を付けて選び、投票する(5作品に満たない場合は無効票)。各投票に以下の点数を付けて集計する。1位5点、2位4点、3位3点、4位2点、5位1点。投票結果を参考にして、予選委員会が5作を目安に大賞候補作品を選出する(2012年度は6作品、2013年度は7作品[5])。予選委員会は、前年度の大賞受賞作の翻訳者を含む5名。なお、第2回(2010年度)までは、投票者は最大3作品を順位を付けて選び、3作品選んだ場合は1位=3点/2位=2点/3位=1点、2作品選んだ場合は1位=2点/2位=1点、1作品のみ選んだ場合は1位=1点として、全投票を集計し、上位5作を大賞候補作品とした。
二次選考
投票者
フィクション・ノンフィクションを問わず訳書または共訳書が1冊以上ある翻訳家のうち、大賞候補作すべてを読み終えている者(大賞候補作は5作品。ただし、2012年度は6作品、2013年度は7作品)。当初はフィクションの訳書がある翻訳家に限っていたが、第6回(2014年度)の二次投票からノンフィクションの翻訳家も投票できるようになった[4]。
投票方法
各投票者は、候補作のうち1作品を選び、投票する。
発表翌年4月に受賞作が発表される。併せて、各投票者の名前と投票作品、各候補作の獲得点数も公開される。
受賞作品
第1回[6]
(2009年度)『犬の力』
ドン・ウィンズロウ
東江一紀 訳
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(スティーグ・ラーソン 著、ヘレンハルメ美穂・岩澤雅利 訳)
ミレニアム2 火と戯れる女 (スティーグ・ラーソン 著、ヘレンハルメ美穂・山田美明 訳)
川は静かに流れ(ジョン・ハート 著、東野さやか 訳)
グラーグ57(トム・ロブ・スミス 著、田口俊樹 訳)
第2回[7]
(2010年度)『古書の来歴』
ジェラルディン・ブルックス
森嶋マリ 訳
陸軍士官学校の死(ルイス・ベイヤード 著、山田蘭 訳)
音もなく少女は(ボストン・テラン 著、田口俊樹 訳)
卵をめぐる祖父の戦争(デイヴィッド・ベニオフ 著、田口俊樹 訳)
フランキー・マシーンの冬(ドン・ウィンズロウ 著、東江一紀 訳)
第3回[8]
(2011年度)『忘れられた花園』
ケイト・モートン
青木純子 訳
犯罪(フェルディナント・フォン・シーラッハ 著、酒寄進一 訳)
夜の真義を(マイケル・コックス