翔ぶが如く
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、司馬遼太郎の小説について説明しています。これを原作とするテレビドラマについては「翔ぶが如く (NHK大河ドラマ)」をご覧ください。
.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ポータル 文学

『翔ぶが如く』(とぶがごとく)は、司馬遼太郎の長編歴史小説で、1972年昭和47年)1月から1976年(昭和51年)9月にかけ『毎日新聞』朝刊で連載し、文藝春秋で刊行された。
概要

薩摩藩士として明治維新の立役者となった西郷隆盛大久保利通。この2人の友情と決別を軸に、征韓論明治6年政変などを経て、神風連の乱など各地で起こった不平士族の反乱を経て、西南戦争の決起と展開を、著者独特の鳥瞰的手法で描いた。

司馬作品で『坂の上の雲』と並び、最も長編となった歴史小説で、登場人物も極めて多岐にわたる。特に薩摩郷士出身で、大久保の側近で初代大警視(現・警視総監)の川路利良と、下士出身で幕末期は西郷の護衛者・中村半次郎として、維新後は近衛陸軍少将で、西郷側近のリーダー的存在となった桐野利秋の2人が重要な位置を占めている。

他の主要人物は木戸孝允村田新八勝安芳(海舟)岩倉具視西郷従道伊藤博文山縣有朋島津久光江藤新平三条実美などがいる。

1990年(平成2年)のNHK大河ドラマ翔ぶが如く』原作(前半部は幕末期で、『竜馬がゆく』ほかの司馬作品を原作とした)で、ドラマ化に併せ『「翔ぶが如く」と西郷隆盛』(ビジュアル版文春文庫、1989年11月、新版2017年11月)が刊行。

後年の『司馬遼太郎 歴史のなかの邂逅(6)』(中公文庫、2011年2月)で関連する人物随想がある。
題名の由来

作家宮城谷昌光(晩年の司馬と交流があった)によれば、古代漢詩『詩経』小雅(しょうが)・鴻鴈之什(こうがんのじゅう)「第九篇 斯乾」(しかん)[1]の一節「鳥のこれ革(と)ぶが如く、キジのこれ飛ぶが如く」(中国語: 如鳥斯革,如?斯飛)より取られ、「斯乾」は兄弟が仲良く新しい宮室を建てたことを述べた詩で、「明治という国家」を創り上げた西郷隆盛大久保利通を、この兄弟のようだと捉え用いた[2]。上記の引用を通し、本来「翔ぶ」と書いて「とぶ」という読み方はせず、字義または飛翔の語句から「翔」の字を当て字として使用したとされる。
主な登場人物
大久保利通
参議内務卿。征韓論を戦乱の元と見なし、太政官を死守するため権謀を駆使してこれを食い止めた。自ら内務省を設立してその代表となり、数々の政策を打ち出して日本の近代化に努めた。しかしそれは封建制を崩壊させ、また士族という旧特権階級の既得権を全て剥奪することを意味し、このため全国の不平士族の怨恨を一身に受ける存在となる。冷徹で余計な言葉を言わない寡黙な人物として描かれているが、同時に私欲のない公平で真面目な人物としても描かれている。西郷に対する友情は非常に厚く、大久保もまた西郷以外に自分を最も良く知る人物はないとしている。
西郷隆盛
参議陸軍大将。明治維新の理念と士族の誇る「武」を朝鮮へ輸出し、来るべきロシアの南侵を未然に防ぐため太政官に渡韓を具申するも、それが国内に多くの混乱を呼ぶこととなり、全国の不平士族にとっては希望の星のような存在となってしまう。西郷が賢人なのか愚人なのか、著者も彼が著述した資料が少なく理解しかねるとしており、全編にわたって捉え所のない茫々たる人物として描かれている。大久保と対立した後も彼にのみ辞職の意を告げるなど、大久保のみが自分を最も良く知る人物と考えており、大久保の才能を誰よりも信頼していた。
川路利良
警視庁大警視。戊辰戦争での活躍から西郷に引き立てられ、西郷により警察の創設を任せられる。渡仏して警察制度を視察し帰国、そして警察こそ文明を牽引する源であるとの確固たる信念を持つに至る。西郷への恩義を感じつつも、むしろ西郷の恩に報いるためには警察制度を確立させて職務を執行する事という考えに至り、あえて西郷を担ぐ不平士族や不穏な動きを見せる反政府分子に対して強硬な取締を行うと共に、文明の前にあってはもはや西郷すらも無用の長物であり、太政官にとっての悪になったと捉えるまでになる。このため桐野をはじめとする私学校党から徹底的な憎悪の対象となった。薩摩に情勢偵察の使者を派遣した所、私学校党の知るところとなり、これが遠因となって西郷軍の挙兵が引き起こされた。内務省設立を具申したことから、大久保の信頼が厚い。大久保・西郷に次ぐ主役級の扱いで描かれており、本作は明治5年の川路のフランス視察から始まり、明治12年の川路の病死をもって終わる。
木戸孝允
参議内閣顧問


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:36 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef