「蒲団」はこの項目へ転送されています。田山花袋の小説については「蒲団 (小説)」をご覧ください。
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出典検索?: "布団"
布団(ふとん)は日本で広く用いられる寝具のひとつ。畳やベッドの上に敷いて、睡眠時に用いる。ベッドと違い収納することができる。主に、人が上に横たわるための敷き布団(しきぶとん)と、人の上に被せる掛け布団(かけぶとん) に分けられる。
人が快適に寝ることを目的に用いる。就寝中に体温が下がり過ぎないように保温し、また、体重が体の一点に集中して痛みを生じたりすることがないようにする効果がある。このような効果を高めるために、袋状に縫製した布(布団側、布団皮)の中に、綿、ポリエステルなどの化学繊維、羽毛、羊毛などが詰められ、その詰め物(中綿)が型崩れしないように綴じ糸やキルティングなどで固定されている。
綿や化学繊維は掛け布団にも敷き布団にも用いられるが、羽毛は主に掛け布団に、羊毛は主に敷き布団に用いられる。同じ材質であれば一般的に厚みのある方が保温効果が高いが、厚すぎると、掛け布団の場合は重さで圧迫感を感じたり[注釈 1]、敷き布団の場合は柔らかくなりすぎて整形外科学的に不具合を生じる可能性もある。
元々蒲団と書かれ、蒲でできた円い敷物に由来する[要出典]。この「団」は丸いという意味である。現在は軟らかい材質を用いるようになったため、布団と書かれるのが普通である。
英語で、Futonと表現する事があるが、主にこれは布団のことではなく、ソファーベッドのことを指す。
歴史鎌倉時代の貴人の寝姿。畳の上に寝て着物をかけている。春日権現験記より江戸時代中期の遊女の布団。敷布団は高級遊女のステイタスを示す三枚重ねの「三つ布団」、掛けものは厚い掻巻。鈴木春信画
現代のような長方形の綿入り布団の形が定まったのは明治以降である。
畳が生まれた奈良時代から室町時代までは、身分の高い者でも、畳の上に横たわり、昼間に着ていた着物を掛けて寝ていた。戦国時代に木綿栽培が広がり、綿が作られるようになると、防寒用の衣服として着物に綿を入れた形のものが現れ、それが「夜着」(掻巻)と呼ばれる就寝用の掛けものに転じる[1]。また、江戸時代中期以降には綿入りの敷き布団も使われ始めるが、いずれもまだ富裕層のものであり、庶民は藁や蒲で作られた莚(むしろ)の上に寝て着物をかけたり、また、藁をそのまま使ったり、和紙で包んで「紙衾」に仕立てたりして寝ていた。
掛けものが、袖や衿がついた形の「夜着」から現代のような長方形の掛け布団に代わるのは、幕末になってからである。
明治中期以降、次第に綿布団が一般庶民にも普及し始める。西川など既成の寝具を売る店も現れるが、昭和30年代頃までは家庭で作るものであった。また、地方では、この頃まで藁布団も用いられていた[2]。 日本では、敷き布団は畳の上に敷いて用いるのが伝統であったが、現代ではベッドの上に直接敷いたり、マットレスを敷いて、その上にマットレストッパー (mattress topper
現代における使用法
寒い季節には、掛け布団をかける前に「肌布団(はだぶとん)」という直接肌にかける軽い布団を併用する場合もある。逆に、暑い季節は厚いものでは暑すぎで寝苦しくなる事が多いので、暑さを和らげるために薄い掛け布団を使うか、代わりにタオルケットを用いることがある。