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出典検索?: "羅生門" 小説
羅生門
訳題Rash?mon
作者芥川龍之介
国 日本
言語日本語
ジャンル短編小説
発表形態雑誌掲載
初出情報
初出『帝国文学』1915年11月号
刊本情報
刊行阿蘭陀書房 1917年5月
収録『沙羅の花』 改造社 1922年8月
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羅城門復元模型(京都文化博物館)
『羅生門』(らしょうもん)は、芥川龍之介の小説。『今昔物語集』の本朝世俗部巻二十九「羅城門登上層見死人盗人語第十八」を基に、巻三十一「太刀帯陣売魚姫語第三十一」の内容を一部に交えて書かれたものである。生きるための悪という人間の利己主義を克明に描き出した。 タイトルの由来は朱雀大路にある平安京の正門の羅城門である。門の方は羅城門であるが、羅城門は近代まで羅生門と表記されることが多く先行作品である観世信光の謡曲もタイトルは「羅生門」になっている。 背景は平安時代。飢饉や辻風(竜巻)などの天変地異が打ち続き、都は衰微していた。ある暮れ方、荒廃した羅生門の下で若い下人が途方に暮れていた。下人は数日前、仕えていた主人から解雇された。生活の糧を得る術も無い彼は、いっそこのまま盗賊になろうかと思いつめるが、どうしても「勇気」が出ない。下人は羅生門の2階が寝床にならないかと考え、上へ昇ってみた。 するとそこに人の気配を感じた。楼閣の上には身寄りの無い遺体がいくつも捨てられていたが、その中に灯りが灯っている。老婆が松明を灯しながら、若い女の遺体から髪を引き抜いているのである。老婆の行為に激しい怒りを燃やした下人は刀を抜き、老婆に襲いかかった。老婆は、抜いた髪で鬘を作って売ろうとしていた、と自身の行いを説明する。さらに彼女はこう続ける。「抜いた髪で鬘を作ることは、悪いことだろう。だが、それは自分が生きるための仕方の無い行いだ。ここにいる死人も、生前は同じようなことをしていたのだ。今自分が髪を抜いたこの女も、生前に蛇の干物を干魚だと偽って売り歩いていた。それは、生きるために仕方が無く行った悪だ。だから自分が髪を抜いたとて、この女は許すであろう。」と。 髪を抜く老婆に正義の心から怒りを燃やしていた下人だったが、老婆の言葉を聞いて勇気が生まれる。そして老婆を組み伏せて着物をはぎ取るや「己(おれ)もそうしなければ、餓死をする体なのだ。」と言い残し、漆黒の闇の中へ消えていった。 東京帝国大学在学中の無名作家時代である1915年(大正4年)11月に雑誌『帝国文学』へ発表された。同年には『新思潮』に処女作短編「老年」を発表しており、翌大正5年には同時期に構想した「鼻」を同誌に発表している。1917年(大正6年)5月には「鼻」「芋粥」の短編とともに阿蘭陀書房から第1短編集『羅生門』として出版、1922年(大正11年)に改造社から出版された選集『沙羅の花』にも収録されている。 最後の結びの一文はたびたび変更されている。上述『帝国文学』の初出では「下人は、既に、雨を冒して、京都の町へ強盗を働きに急ぎつつあつた。」になっており、第1短編集『羅生門』では「下人は、既に、雨を冒して京都の町へ強盗を働きに急いでゐた。」となり[1]、初出から二年半たって短篇集『鼻』(1918年大正7年7月(春陽堂))収録時に改稿され、現在のように「下人の行方は、誰も知らない」となった。 なお、黒澤明による映画『羅生門』(1950年)は、1922年(大正11年)に発表した短編小説『藪の中』(1922年)を原作としているが、本作から舞台背景、着物をはぎ取るエピソード(映画では赤ん坊から)を取り入れている。 1988年には「コミグラフィック. 日本の文学」シリーズ(暁教育図書)で漫画化されている。作画:一峰大二、構成:塚本裕美子 本作を原作とするテレビドラマが、1959年4月3日の『サンヨーテレビ劇場』(KRT系列)で放送された。
概説
あらすじ
解説
テレビドラマ
出演:南原伸二、森光子、毛利菊枝、仲谷昇、左卜全、殿山泰司、須賀不二夫
脚本:佐々木武観
^ 大二, 一峰 (1988). 羅生門・地獄変 : 芥川竜之介
参考文献
芥川龍之介『羅生門・鼻』(改)新潮文庫、2005年10月。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4101025018。 初版は1968年7月
外部リンク.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキソースに羅生門の原文があります。
『羅生門』:新字新仮名 - 青空文庫
『羅生門』:旧字旧仮名 - 青空文庫
『羅生門』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
.mw-parser-output .citation{word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)} 羅生門 - プロジェクト・グーテンベルク
老年 - 羅生門 - 鼻 - 芋粥 - 手巾 - 煙草と悪魔 - さまよえる猶太人 - 戯作三昧 - 運 - 道祖問答 - 偸盗 - 蜘蛛の糸 - 地獄変 - 奉教人の死 - 枯野抄 - るしへる - 犬と笛 - きりしとほろ上人伝 - 魔術 - 蜜柑 - 舞踏会 - 秋 - 南京の基督 - 杜子春 - アグニの神 - 藪の中 - 神神の微笑 - 将軍 - 報恩記 - トロツコ - 魚河岸 - おぎん - 仙人 - 六の宮の姫君 - 漱石山房の冬 - 猿蟹合戦 - 雛 - おしの - あばばばば - 糸女覚え書 - 保吉の手帳から - 一塊の土 - 大導寺信輔の半生 - 点鬼簿 - 玄鶴山房 - 蜃気楼 - 河童 - 誘惑 - 浅草公園 - 歯車 - 或阿呆の一生
長編小説
邪宗門 - 路上
その他
三つの宝(戯曲) - 侏儒の言葉(随筆) - 文芸的な、余りに文芸的な(評論) - 西方の人 - 続西方の人 - 八宝飯(随筆)
関連項目
芥川龍之介賞 - 芥川文 - 芥川比呂志 - 芥川多加志 - 芥川也寸志
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