繊維
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炭素繊維ガラス繊維

繊維[注 1](せんい、: fibre)は、動物皮革植物などから得られる自然に伸びた、または人工的に伸ばされた細くしなやかで凝集性のある細長い素材ASTMインターナショナルの定義では繊維は物体の形状であり材質を問わないとされている[2]
概説

繊維とは、元来は織る材料となるの素材のことである。ASTMインターナショナルの定義では、繊維は材質を問わず、長さは直径あるいは巾の100倍以上あるものとされている[2]

繊維のうち紡績などの加工に耐えうる強靭さを有する繊維を紡織繊維という[2]

繊維は、特に細長くなった固体である。このような構造は、強く引き延ばした場合か、ある特定の方向に分子が積み重なることで作られる。いずれにしても、そのために構成する分子の向きが揃う(配向)など、普通の固体の状態より強くなる例が多い。しかも絶対的に細いため柔軟である。また、生物素材では内部に空洞を持ってを作るなど、さらに複雑な構造を持つものもある。

これを緩く組み合わせた布などの場合、軽くて柔らかい上に、繊維の間に多量の空気を含むことから断熱効果が高い。衣服として使われる所以である。密に組み合わせた構造では、柔らかさは失われるが、単に固めたものに比べると柔軟で丈夫な構造となる。
分類

繊維は天然の植物動物鉱物から採取される天然繊維 (natural fibers) と人造の人造繊維 (man-made fibers) に分けられる[2][3]。日本では一般的に人造繊維は化学繊維 (chemical fibers) と同義で扱われており、この場合の化学繊維は「化学処理を施した繊維あるいは化学的手段によって作られた繊維」と定義される[2]。化学的手段を狭く解釈する場合、ガラス繊維などは人造繊維であるが化学繊維ではないことになる[2]。しかし、一般的な繊維の分類では化学繊維の「化学」は狭義の化学による化学組成の変化だけではなく、溶融など物理化学も含めた化学的手段によって作られた繊維を化学繊維として天然繊維と分けている[2]

天然繊維と人造繊維(化学繊維)の分類は、繊維の一般的な分類の方法であるが、天然繊維の綿を樹脂で架橋結合したものや、複合繊維のように分類上問題のあるものもある[2]
天然繊維

天然繊維は繊維の形状が自然に作られたもので植物繊維動物繊維・鉱物繊維(石綿の類)に分けられる[2]
化学繊維

化学繊維(人造繊維)は繊維の形状が人工的に作られたもので無機質繊維と有機質繊維に分けられる[2]

無機質繊維

金属繊維

ガラス繊維

炭素繊維

岩石繊維(ロックファイバーなど)


有機質繊維

合成繊維(ナイロン、ビニロンケブラーなど)

半合成繊維

再生繊維レーヨン。廃品リサイクルではPETなど)


繊維業界
主な繊維メーカー

東レ

帝人

東洋紡

クラレ

三菱レイヨン

日清紡

ユニチカ

東邦テナックス

シキボウ

ダイワボウ(大和紡績)

グンゼ

富士紡績

オーミケンシ

クラボウ(倉敷紡績)

日東紡

旭化成

セーレン

かつての繊維メーカー


クラシエホールディングス(旧カネボウ。2005年限りで繊維から撤退)

上毛撚糸(現・価値開発。現在は不動産業が主力)

団体

日本繊維産業連盟


日本紡績協会

日本羊毛紡績会

日本化学繊維協会

日本染色協会

日本綿スフ織物工業連合会

日本繊維輸出機構

日本アパレル産業協会

日本繊維製品消費科学会

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繊維ニュース

繊研新聞

日本繊維新聞

センイ・ジヤァナル

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 医学分野においては「線維」表記も用いられる(例:神経線維など)[1]

出典^ 澤田和也. “繊維と線維(生体線維の洗浄と再生医療への展開)” (PDF). 2024年2月2日閲覧。
^ a b c d e f g h i j 下村 寿「繊維の分類」『繊維製品消費科学』第8巻第5号、1967年、271-278頁、2020年6月21日閲覧。 
^ 福原基忠. “衣料用ポリエステル繊維技術の系統化調査”. 国立科学博物館. 2023年4月11日閲覧。

関連項目ウィクショナリーに関連の辞書項目があります。繊維

天然繊維

化学繊維

食物繊維

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