緑藻
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この項目では、一般名としての緑藻について説明しています。多くの緑藻を含む門については「緑藻植物門」を、さらに緑藻植物門に含まれる綱の1つについては「緑藻綱」をご覧ください。
.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}群体性 (多細胞性) のオオヒゲマワリ (緑藻綱)単細胞性のクロレラ (トレボウクシア藻綱)糸状性のアオミドロ (接合藻綱)多核嚢状のイワヅタ属 (アオサ藻綱)

緑藻 (りょくそう、: green algae) とは、緑色植物のうち、陸上植物 (コケ植物維管束植物) を除いたものに対する一般名である。クロレライカダモミカヅキモのような微細藻から、アオサマリモカサノリのような大型藻まで含まれる。系統的には単系統群ではなく、一部の緑藻 (アオミドロなど) は、他の緑藻に対してよりも陸上植物に近縁である (→系統樹参照)。そのため現在では、この意味での緑藻を分類群として扱うことはない。ただし緑藻の多くが緑藻植物門 (学名: Chlorophyta) に、さらにその一部が緑藻綱 (学名: Chlorophyceae) に分類される。日本語では、これら分類群の名前 (緑藻植物門、緑藻綱) と、一般名としての緑藻が混同されることがあり、それを避けるために一般名としての緑藻 (本項で扱っている意味での緑藻) に対して「緑色藻 (りょくしょくそう)」の名が使われることもある[1][2]

緑藻の中には、単細胞のものから、群体多細胞多核嚢状のものまで多様な種が含まれる (右図) (→#体制)。ただし多細胞であっても、陸上植物にみられるほどの複雑な組織器官分化はみられない。古くは、緑藻はこのような体制の違いに基づいて分類されていた (→#古典的な分類)。緑藻はクロロフィルaとbを含む2重膜に囲まれた色素体 (葉緑体) をもち、デンプンを色素体内に貯蔵する (→#細胞構造)。有性生殖様式は多様であるが、 (母体中に保持された、接合子から発生した多細胞の幼体) をもつことはない (→#生殖)。海から淡水まで水域に分布するものが多いが、土壌や岩上など陸上域に生育するものもいる (→#生態)。また塩湖や氷雪など特殊環境に生育する種も知られている。地衣類繊毛虫ヒドラなどに共生している種もいる。緑藻の中には、アオノリクロレラなど食用や健康食品として利用されている例がある (→#人間との関わり)。
特徴
体制

緑藻の栄養体 (通常時の体) の体制 (体のつくり) は極めて多様であり、単細胞群体多細胞多核嚢状などがある[1][3][4][5][6]。また栄養体に鞭毛をもつものもいる。このように多様な体制は、以下のように類別できる。古くは、このような体制の系列に応じた進化仮説が一般的に受け入れられており、これに基づいた分類体系が用いられていた (下記参照)。
鞭毛性単細胞?群体

緑藻の中には、栄養細胞が鞭毛をもち遊泳するものがいる[1][3][4][5][6]。その多くは単細胞性 (unicellular) であり、クラミドモナス属 (Chlamydomonas;下図1a) やドゥナリエラ属 (Dunaliella)、ヘマトコックス属 (Haematococcus;下図1b) など緑藻綱オオヒゲマワリ目に属するものが多いが、プラシノ藻と総称される緑色植物の初期分岐群の中にも、ミクロモナス属 (Micromonas) やネフロセルミス属 (Nephroselmis)、テトラセルミス属 (Tetraselmis) など例が少なくない[5]ストレプト植物 (陸上植物につながる系統群) の中では、唯一メソスティグマ属 (Mesostigma) が単細胞鞭毛性である[5]

オオヒゲマワリ目の中には、ゴニウム属 (Gonium;下図1c)、パンドリナ属 (Pandorina)、オオヒゲマワリ属 (ボルボックス属;Volvox;下図1d) など群体性 (colonial) である種も含まれる[1][5][6]。これらの群体は個体としての統一性をもち細胞分化を示すため、多細胞体 として扱われることも多い[7][8]。またアオサ藻綱のウミイカダモ属 (Oltmannsiellopsis) の中にも、鞭毛性の単純な群体を形成する種がいる[9]1a. 鞭毛性単細胞のクラミドモナス類 (緑藻綱).1b. 鞭毛性単細胞のヘマトコックス属 (緑藻綱).1c. 鞭毛性群体のゴニウム属 (緑藻綱).1d. 鞭毛性群体のオオヒゲマワリ属 (緑藻綱).
不動性単細胞?群体

緑藻の中には、栄養体が明瞭な運動能を欠く単細胞性または群体性であるものが多く知られている[1][3][4][5][6]。ふつう鞭毛を欠くが、ヨツメモ属 (Tetraspora;緑藻綱) のように非運動性の鞭毛 (偽鞭毛; pseudocilium, pseudoflagellum) をもつものもいる。単細胞性では、クロレラ属 (Chlorella;トレボウクシア藻綱) やクロロコックム属 (Chlorococcum;緑藻綱) など球形であるものが多いが、テトラエドロン属 (Tetraedron;緑藻綱;下図2a) のように多面体のものや、ミカヅキモ属 (Closterium;接合藻) のように紡錘形のもの、アワセオウギ属 (Micrasterias;接合藻;下図2b) のようにさらに複雑な形をしたものもいる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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