緑藻植物門
(上) ヘマトコックス属 (緑藻綱)
(下) マガタマモ (アオサ藻綱)
分類
緑藻植物門 (りょくそうしょくぶつもん) (学名:Chlorophyta) は、緑色植物亜界を構成する2つの大きな系統群のうちの1つである (もう1つはストレプト植物)。緑藻とよばれる藻類の多くを含み、よく知られたものとしては、クロレラやクラミドモナス、イカダモ、アオサ、マリモなどがある。
単細胞、群体、多細胞、多核嚢状などさまざまな体制の生物が含まれる。核分裂はふつう閉鎖型 (核膜が維持される)、細胞質分裂時にファイコプラスト (分裂面に平行な微小管群) が生じるものが比較的多い。鞭毛細胞や鞭毛装置は、細胞前後軸に対して回転対称であるものが多い。海から淡水域まで水域に広く分布し、また陸上や塩湖、雪などに生育する種もいる。他生物と共生するものもおり、地衣類の共生藻は多くの場合、緑藻植物である。
伝統的には、ほぼ全ての緑藻 (green algae) を Chlorophyta (和名では緑色植物門とよばれることもあった) に分類することが多かった。しかし現在では、一部の緑藻 (アオミドロ、ミカヅキモ、シャジクモ類など) は、他の緑藻よりも陸上植物に近縁であると考えられるようになったため、Chlorophyta からは除かれ、ストレプト植物へ移された。このように現在では Chlorophyta の範囲が変わり、和名では緑藻植物門とよばれることが多くなった。 体制は単細胞、群体、多細胞、多核嚢状など極めて多様である[2][3][4][5][6] (下図1)。またアオサ藻綱と緑藻綱の中には、原形質連絡を伴う多細胞体を形成するものもいる[5][6]。ただし、陸上植物に見られるような複雑な組織分化を伴う多細胞体をもつものはいない。.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}1a. 単細胞性のクロレラ属 (トレボウクシア藻綱)1b. 定数群体性のツノイカダモ属 (緑藻綱)1c. 分枝糸状性のスチゲオクロニウム属 (緑藻綱)1d. 多核嚢状性のミル属 (アオサ藻綱) 細胞外被は多様であり、細胞壁に囲まれるものが多いが、裸のものや有機質の鱗片に覆われるものもいる[3][4][5][6]。細胞壁の組成も、セルロースを主とするものの他に、マンナン
特徴
栄養細胞が鞭毛をもつもの (例:クラミドモナス) もいるが、多くは生活環の一時期にのみ遊走子 (鞭毛をもつ胞子) や配偶子の形で鞭毛細胞を形成する[2][3][5][6]。クロレラのように鞭毛細胞が見つかっていない例もある (ただしゲノム情報からはクロレラにも鞭毛細胞が存在することが示唆されている[8])。鞭毛細胞は、ふつう細胞前後軸に沿って回転対称であり、細胞頂端から対向する2本 (または4本) の等鞭毛をもつものが多い[3][4][5][6]。また鞭毛の基部にある鞭毛装置は、ふつう回転対称の交叉型である。