緑の光線
Le Rayon vert
監督エリック・ロメール
脚本エリック・ロメール
製作マルガレート・メネゴス
出演者マリー・リヴィエール
『緑の光線』(みどりのこうせん、Le Rayon vert)は、エリック・ロメール監督による1986年のフランス映画。1986年、ヴェネツィア国際映画祭・金獅子賞受賞作品。
同監督の「喜劇と格言劇」シリーズ第5作。引用された詩は"Ah,que le temps vienne...Ou les c?urs s'eprennent " (ランボー) オフィスで秘書をしているデルフィーヌは20歳も前半、独りぼっちのヴァカンスを何とか実りあるものにしようとする。恋に恋する彼女の理想は高く、昔からの男友達も、新たに現われた男性もなんとなく拒んでしまう。ヴァカンスを前に胸をときめかせていた。7月に入って間もない頃、ギリシア行きのヴァカンスを約束していた女ともだちから、急にキャンセルの電話が入る。途方に暮れるデルフィーヌ。周囲の人がそんな彼女を優しく慰める。女ともだちのひとりが彼女をシェルブールに誘ってくれた。が、シェルブールでは独り、海ばかり見つめているデルフィーヌ。8月に入り山にでかけた彼女は、その後、再び海へ行った。そこで、彼女は、老婦人が話しているのを聞いた。ジュール・ヴェルヌ『緑の光線』の話で、太陽が沈む瞬間に放つ緑の光線は幸運の印だという。
ストーリー
「太陽は赤・黄・青の光を発しているが、青い光が一番波長が長い。だから、太陽が水平線に沈んだ瞬間、青い光線が最後まで残って、それがまわりの黄色と混ざって私たちの目に届く」という。もちろん、それを見た者は幸福を得られる[1]。何もなく、パリに戻ることにした彼女、駅の待合室で、本を読むひとりの青年と知り合いになる。初めて他人と意気投合し、思いがけず、自分から青年を散歩に誘う。海辺を歩く二人の前で、太陽が沈む瞬間、緑の光線が放たれたのだった。
キャスト
マリー・リヴィエール Marie Riviere - デルフィーヌ
リサ・エレディア
ヴァンサン・ゴーティエ Vincent Gauthier
ベアトリス・ロマン Beatrice Romand
スタッフ
製作:マルガレート・メネゴス Margaret Menegoz
監督:エリック・ロメール Eric Rohmer
脚本[2]:エリック・ロメール Eric Rohmer
撮影:ソフィー・マンティニュー Sophie Maintigneux
音楽:ジャン=ルイ・ヴァレロ Jean-Louis Valero
編集:マリア・ルイサ・ガルシア Maria Luisa Garcia
脚注^ 同じ話は日本映画で『天国にいちばん近い島』(1984年)や『恋するマドリ』(2007年)にも出てくる。緑の光線は「グリーンフラッシュ」(green flash)という。
^ 「全編がシナリオなしの即興演出で撮られた『緑の光線』の場合は、毎朝その場で役者に台詞を渡して撮っていた」p.213「パリの実践的映画論」(『映画狂人のあの人に会いたい』蓮見重彦、河出書房新社(2002))のロメールの発言。
外部リンク
緑の光線 - allcinema
⇒緑の光線 - KINENOTE
Le Rayon Vert - オールムービー(英語)
Le Rayon Vert - IMDb(英語)
表
話
編
歴
エリック・ロメール監督作品
1950年代
獅子座 (1959)
1960年代
シュザンヌの生き方 (1963)
コレクションする女 (1967)
モード家の一夜 (1969)
1970年代
クレールの膝 (1970)
愛の昼下がり (1972)
O侯爵夫人 (1976)
聖杯伝説 (1978)
1980年代
飛行士の妻 (1981)
美しき結婚 (1982)
海辺のポーリーヌ (1983)
満月の夜 (1984)
緑の光線 (1986)
友だちの恋人 (1987)
1990年代
春のソナタ (1990)
冬物語 (1992)
木と市長と文化会館 または七つの偶然 (1993)
パリのランデブー (1995)
夏物語 (1996)
恋の秋 (1998)
2000年代
グレースと公爵 (2001)
三重スパイ (2004)
我が至上の愛?アストレとセラドン? (2007)
短編・
オムニバス
Journal d'un scelerat (1950)
紹介、またはシャルロットとステーキ (1951)