緊急地震速報
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緊急警報放送」とは異なります。
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この記事には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2019年8月)
緊急地震速報システム

音楽・音声外部リンク
NHKの緊急地震速報チャイム音 - ウェイバックマシン(2012年3月26日アーカイブ分)
REICの ⇒緊急地震速報サイン音

緊急地震速報(きんきゅうじしんそくほう、: Earthquake Early Warning、略称:EEW)[1]は、地震発生後大きな揺れが到達する数秒から数十秒前に警報を発することを企図した地震早期警報システムのひとつで[2]日本気象庁が中心となって提供している予報警報である[2]

2004年に一部試験運用を開始、2007年10月1日から一部の離島を除いた国内ほぼ全域すべての住民を対象とした本運用を開始した。

予測震度5弱以上などのときに発表されテレビ放送や携帯端末などで「(震度4以上などの)強い揺れとなる地域」を伝える「一般向け」(地震動警報・地震動特別警報)[3]と、発表基準が低く第1報の精度が高くないものの迅速性が高く「各地の震度や揺れの到達時間」などが分かる「高度利用者向け」(地震動予報)[3]の2種類がある。
概要

地震の発生直後に、震源に近い観測点の地震計でとらえられた地震波のデータを解析して震源の位置や地震の規模(マグニチュード)を直ちに推定し[4]、これに基づいて各地での主要動の到達時刻や震度を予測し、可能な限り素早く知らせるものである[5][注 1]

主要動到達前のわずかな時間を適切に活用できれば、地震災害の軽減に役立つものと期待されている。例えば陸地から離れたところで発生する海溝型地震や震源の深いスラブ内地震に対しては、原理上数秒から数十秒の猶予時間が見込める。しかし、技術的な限界のため速報が主要動の到達に間に合わない場合があり[6]、特に陸地を震源とするいわゆる震源の浅い直下型地震では激しく揺れる震央付近では原理上数秒しか猶予時間がない、あるいは間に合わないと考えられる。これに対しては、観測点を増やす、処理・伝達を高速化するなどの技術向上が少しづつ進められている。この他にも誤報のリスクなどもある。

当初から、発表にともない社会のさまざまなところで混乱が生じることが懸念されており、2004年の一部運用開始から試験的・限定的な発表に留められていたが、2007年10月1日に「一般向け」速報提供開始が決定されたことを受けて、直前まで広報手段について調整が行われた。速報に関する諸問題(問題点参照)を考慮しながら、テレビを皮切りに「一般向け」速報が順次拡大していき、国内向け携帯電話にも広く導入されているほか、「高度利用者向け」を提供する端末やソフトウェアが多様な方式・事業者によって提供されている。

なお、個人においても法人においても導入の可否はそれぞれの判断に任せられており、義務化の予定はない。

「2種類」の緊急地震速報の違い一般向け高度利用者向け
法的位置付け地震動警報・地震動特別警報地震動予報
発表者気象庁気象庁および、地震動の予報業務許可事業者
発表内容

発生時刻

震源

予測震度4以上または予測長周期地震動階級3以上の地域名


発生時刻

震源

最大予測震度

予測震度4以上または予測長周期地震動階級3以上の地域名と震度・階級、主要動到達予測時刻

登録地点の主要動到達予測時刻

(計算処理により震度と到達時刻が分かる)

情報更新発表対象でなかった地域が逐次予測で震度5弱以上または長周期地震動階級3以上に修正された場合に更新数秒 - 数十秒間隔で逐次更新
発表基準2以上の観測点で観測され最大予測震度5弱以上または最大予測長周期地震動階級3以上
(地震動特別警報は最大予測震度6弱以上または最大予測長周期地震動階級4)100Gal以上を観測、または最大予測震度3以上か、最大予測長周期地震動階級1以上か、推定マグニチュード3.5以上
発表対象広く一般に発表(主にテレビ・ラジオ放送、携帯電話速報メールなど)登録利用者に配信(広く一般に公表・再配信している事業者もある)
備考現状、緊急地震速報の発表時には、警報と特別警報は区別されない[注 2]-

長周期地震動に関する情報との連動

高層ビルなどで大きな被害をもたらす長周期地震動は、当初は緊急地震速報の警報などとは連動していなかったが、この揺れの大きさは震度では十分表現できないことから、長周期地震動と緊急地震速報との連動が検討されてきた。2023年2月1日より、長周期地震動階級を発表対象に加えた運用を開始した[8][9]
法的な位置づけ

緊急地震速報は地震動の予報・警報特別警報に位置づけられ[10]、ほかの予報(注意報)・警報・特別警報と同じく気象庁の義務となっている(気象業務法第13条)[11][注 3]。2013年(平成25年)8月30日の特別警報施行により、地震動特別警報を新たに設定した[12]
地震動予報・警報・特別警報の区分(気象庁資料[10][13][14]による)

 地震動特別警報
最大予測震度6弱以上または最大予測長周期地震動階級4で発表。強い揺れが予想される地域に対し、地震動により著しく重大な災害が起こるおそれのある旨を警告[注 4]
 地震動警報
最大予測震度5弱以上または最大予測長周期地震動階級3以上で発表。強い揺れが予想される地域に対し、地震動により重大な災害が起こるおそれのある旨を警告。
地震動予報
最大予測震度3以上、最大予測長周期地震動階級1以上または推定マグニチュード3.5以上で発表。

ただし、現状では速報性の技術的限界[注 5]があることから、緊急地震速報の発表時には、警報と特別警報は区別されない。

重大性の差異に鑑み、気象庁が「一般向け」に発表する場合は、地震動警報・地震動特別警報を「緊急地震速報(警報)」または単に「緊急地震速報」の名称として発表する。地震動予報は「緊急地震速報(予報)」として「高度利用者向け」に発表される[10][7]

「一般向け」緊急地震速報は警報・特別警報に該当し、また、「高度利用者向け」でも「一般向け」の基準を満たすものが生じると、その一連の続報を含めて警報・特別警報扱いである[5][10]

気象庁以外の者は、原則として地震動の警報(特別警報を含む)を発表できず(同法第23条)、また予報の業務を行うには気象庁長官の許可が必要である(第17条)[11]。また同法により、気象庁は、許可事業者の「予報」発表にあたっては、気象庁による「警報」との区別を利用者に周知すべきだと規定されている[10]

なお、「警報」については気象警報と同様に、気象庁は「政令の定めるところにより、直ちにその警報事項を警察庁国土交通省海上保安庁都道府県東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社又は日本放送協会の機関に通知しなければならない」(第15条)と規定されている[11]。なお、「特別警報」に該当する場合は、発表時には「警報」と表現に差異がないほか、地震動以外の特別警報と異なり、通知先の取扱に「警報」との差異はない。

本項目ではこれ以降は、警報と特別警報を区別せずに記述する。
歴史
制度年表

2004年2月25日:行政機関、交通、報道、通信などで希望する機関に対し「緊急地震速報」の試験運用を開始。対象は、九州東岸から関東までの地域。技術開発中の「ナウキャスト地震情報」と「リアルタイム地震情報」を統合したもの。

2005年

3月30日:試験運用の対象地域を東北から北海道までの太平洋岸に拡大。

6月8日:試験運用のデータ提供元に防災科学技術研究所の地震計が加わり、対象地域は日本のほぼ全域に拡大。


2006年8月1日:希望する企業などに対して、先行的な提供を開始。

2007年

10月1日:この日の9時から「一般向け」速報を導入。先行的に提供していた速報は「高度利用者向け」として区別した。テレビ放送や一部の公共施設などでも速報が導入された。

12月1日:この日施行の気象業務法改正で、緊急地震速報が予報および警報として位置づけられる。


2013年8月30日:この日施行の気象業務法改正で、最大予測震度6弱以上の緊急地震速報が特別警報に位置づけられる。

技術年表

1996年兵庫県南部地震などを契機に高感度地震観測網(Hi-net)の整備が決定。のちに緊急地震速報のための観測の要となる、高感度地震計の設置が開始される(2011年現在、約800か所以上に設置)。一方、デジタル地震計による過去の地震波形の解析、高速大容量化が進む通信技術を応用して、速報的な地震情報の提供が検討され始める。

2003年4月:文部科学省、気象庁、防災科学技術研究所の共同で、リアルタイム地震情報の伝達が実用的に行えるようにすることを目的としたリーディングプロジェクト「高度即時的地震情報伝達網実用化プロジェクト[15]」を開始。平成19年度までに、防災科学技術研究所の「リアルタイム地震情報」と気象庁・鉄道総合技術研究所の「ナウキャスト地震情報」[16]を実用化に向けて統合し、地震情報を高速・高度化、迅速で正確な伝達手法の開発を目指すもの。

2004年12月:変位振幅計算用フィルタを修正。

2005年10月:マグニチュード推定式を切り替え。

2006年

4月4日:1点処理による推定される震央距離が200キロ以上の場合に震源を決定しない処理を改善。

9月:150キロより深いと推定された地震について、震度の予測が難しいため震度を発表しない対策を実施。


2009年8月3日:正午より、東南海沖ケーブル式海底地震計5点および、島嶼部2点の地震計を活用開始。また、地震の規模を過小評価する傾向のあった算出式を改良(後述[17][18]

2009年 - 2010年度:センサー部でA/D変換を行う耐雷トランスを設置し、雷対策を実施。

2011年

3月1日:南西諸島8点、伊豆諸島1点、大分県1点の多機能型地震計10点を整備および活用を開始。

8月11日:同年3月11日東北地方太平洋沖地震東日本大震災)後に誤報が多発したことを受けて、同時に発生した地震を区別し、弱い地震を計算から除外する修正プログラムの運用を開始(後述)。


2012年10月2日:震度予測の精度向上のため、観測点ごとに増幅度を導入。

2011年 - 2012年度:約72時間稼働する非常用電源やバックアップのための衛星回線を整備し、観測点欠測対策を実施。

2013年2月13日:マグニチュード推定の精度向上のため、新しい算出式を適用。

2015年3月31日:新たに熊野灘沖東南海震源域における地震・津波観測監視システム(DONET)2点、強震観測網(KiK-net)15点、多機能型地震50点の活用を開始[19]。これにより、警報発表までの時間を、南海トラフ沿いの巨大地震では数秒、首都圏直下の地震では最大1秒程度短縮できるとしている[19]

2016年12月14日:この日の14時より、IPF法の運用を開始[20]。従来の手法より精度よく複数の地震を識別できるとしている。2017年4月20日の福島県沖の地震では、IPF法によって2地震の検測値が適切に分離された[21]。また2016年8月1日に発生した高度利用者向け緊急地震速報の誤情報発表(後述)を受けて、地震学的にありえない大きさの震幅値を除外、また観測点1点のデータによる処理時には、地震学的に考えられるマグニチュードの上限値を設けるといった対策も導入。

2017年3月22日:気象庁の緊急地震速報評価・改善検討会の中で、緊急地震速報の発表基準に長周期地震動を追加するべきと報告[22]

2018年3月22日:この日の正午前より、PLUM法と従来の手法を組み合わせた緊急地震速報の運用を開始。


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