続柄
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続柄の関係図

続き柄(つづきがら)とは、血縁関係あるいは婚姻関係を指す語である。俗に「ぞくがら」と読まれることもある[1]

血族と姻族、直系と傍系、尊属と卑属の意味や親等については「親族」を参照。

本項目において「親族」とは、民法第725条「親族の範囲」で定める「法定親族」を指す。

なお、曽祖父などの語に使う「曽」は、「曾」という異体字も存在するが、2010年常用漢字改定で「曽」が正式に採用された(平成22年内閣告示)。
一覧

横軸の数字は同世代者の親等、縦軸の数字は直系者の親等でその他の続柄については縦と横の数字を足せばその者の親等となる。民法上の親族となる6親等以内を「*」で、その配偶者も親族(姻族)となる3親等以内を「**」で示す。

呼称は簡潔に示している。別名・別表記・使い分けについては各節を参照。

\直系傍系
0246810
尊属6*
5*
4高祖父母*高祖伯叔父母*従高祖伯叔父母再従高祖伯叔父母三従高祖伯叔父母四従高祖伯叔父母
3曽祖父母**曽祖伯叔父母*従曽祖伯叔父母再従曽祖伯叔父母三従曽祖伯叔父母四従曽祖伯叔父母
2祖父母**伯叔祖父母*従伯叔祖父母*再従伯叔祖父母三従伯叔祖父母四従伯叔祖父母
1/**伯叔父**従伯叔父母*再従伯叔父母三従伯叔父母四従伯叔父母
―0本人**兄弟姉妹**従兄弟姉妹*再従兄弟姉妹*三従兄弟姉妹四従兄弟姉妹
卑属1/息子****従甥姪*再従甥姪三従甥姪四従甥姪
2**大甥・大姪*従姪孫*再従姪孫三従姪孫四従姪孫
3曽孫**曽姪孫*従曽姪孫再従曽姪孫三従曽姪孫四従曽姪孫
4玄孫*玄姪孫*従玄姪孫再従玄姪孫三従玄姪孫四従玄姪孫
5来(耳)孫*来姪孫従来姪孫再従来姪孫三従来姪孫四従来姪孫
6昆(?)孫*昆姪孫従昆姪孫再従昆姪孫三従昆姪孫四従昆姪孫
7仍(?)孫仍姪孫従仍姪孫再従仍姪孫三従仍姪孫四従仍姪孫
8雲孫雲姪孫従雲姪孫再従雲姪孫三従雲姪孫四従雲姪孫

なおこの表で親子などの直系関係は基本的に上下だが、傍系尊属については左上‐右下である。たとえば、従兄弟姉妹は(従兄弟姉妹の上の従伯叔父母ではなく)左上の伯叔父である。
義理の関係

本人か血族の婚姻養子縁組によって成立した関係は、義理の関係と呼ばれる。続柄としては同じ呼称を使うことができる。「義?」(例えば「義父」「義兄」など)と書くこともあるが、読みは実の父母や兄弟姉妹同じである。
直系尊属(先祖)
親(父母)

(おや、parent)、すなわち父母(ふぼ)は男女をそれぞれ(ちち・はは、father / mother)と呼び1親等の直系親族である。

自分の実親の再婚相手、すなわち継父(ままちち)・継母(ままはは)や自分の養親(ようしん。養父・養母)も父・母と呼ぶ場合もある。

配偶者から見ると義親(ぎしん。義父・義母)であり、舅(しゅうと)・姑(しゅうとめ)である。
祖父母詳細は「祖父母」を参照

祖父母(そふぼ、grandparent)は男女をそれぞれ祖父祖母(そふ・そぼ、grandfather / grandmother)と呼び、2親等の直系親族である。親の親や、自分の配偶者の親(義親)の親を指す。「おじいさん」「おばあさん」ともいう。年齢的には、高年期と限らず中年期にも祖父・祖母となるのは基本的であること。

配偶者側(姻族)の場合と祖父母の再婚相手や親の養親、親の再婚相手や養父母の父母も本人とは義理の関係にあたる。

配偶者から見ると大舅(おおじゅうと)・大姑(おおじゅうとめ)である。
曽祖父母(大祖父母)

曽祖父母(そうそふぼ、great-grandparent)は男女をそれぞれ曽祖父・曽祖母(そうそふ・そうそぼ、great-grandfather / great-grandmother)や大祖父・大祖母(だいそふ・だいそぼ)と呼び、3親等の直系親族である。祖父母の親(親の祖父母)、または自分の配偶者の祖父母の親を指す。「ひい(お)じいさん」「ひい(お)ばあさん」や「大きい(お)じいさん」「大きい(お)ばあさん」などと呼ぶ場合もある。自身からすれば4人ずつであり、区別をつける時には父方(母方)で祖父方(祖母方)の曽祖父母と言う。
高祖父母

高祖父母(こうそふぼ、great2-grandparent)は男女をそれぞれ高祖父・高祖母(こうそふ・こうそぼ、great2-grandfather / great2grandmother)と呼び、4親等の直系親族である。曽祖父母の親(祖父母の祖父母、親の曽祖父母)である。「ひいひい(お)じいさん」「ひいひい(お)ばあさん」と呼ぶ場合もある。玄祖父にもあたる。

配偶者側と再婚相手(姻族)の場合は親族に含まれない。
高祖父母より上

高祖父母より前の世代の呼称は、現代中国では「天」、「烈」、「太」、「遠」、そして「鼻」までの呼称は存在しているが、いずれも典籍に用例が見当たらない。中華系ライトノベルの世界観設定による根拠のない説と見なされることがある。なお、鄭珍の『親属記』によると、「高祖よりて上り、統べてこれを遠祖と謂い、或いはこれを先君と謂う」高祖父母より上は特定な呼称がなかったと示唆する[2]。「太祖」「鼻祖」の呼称は存在していたが、二つとも直系尊属ではなく、ある所で住み着いた最初の移住民、または初めて爵位を得た人の呼称である[3]

日本では特に決まっておらず単に「高祖父母の父母」「五世の祖(great3-grandparents)」「5代前」、「高祖父母の祖父母」「六世の祖(great4-grandparents)」「6代前」と呼び、高祖父母の父母は5親等、高祖父母の祖父母は6親等の直系親族にあたり「高祖父母の祖父母」までが親族とされる。高曽祖父にもあたる。
直系卑属(子孫)
子(息子・娘)

(こ、child)は男女をそれぞれ息子(むすこ・むすめ、son / daughter)と呼び、本人または配偶者が産んだ1親等の直系親族である。

自分の子と結婚した配偶者も自分から見たら(義理の)子にあたる。また、自分の配偶者の連れ子や自分の養子も子(息子・娘)と呼ぶ場合がある。

子が複数いる場合、息子のことを年上のものから順に長男・二男(次男)・三男・四男?末男(まつなん)と呼び、娘のことを同様に長女・二女(次女)・三女・四女?末女(まつじょ)と呼ぶことがある。男女が混じっている場合は第一子・第二子・第三子・第四子?末子(まっし・ばっし・すえこ・すえっこ)と呼びかける。

(まご、grandchild)は2親等の直系親族である。自分からしたら子の子。年齢に限らず、自分の娘や息子の妻が産んだ子供である。

自分の孫と結婚した配偶者も本人から見たら(義理の)孫にあたる。また、稀ではあるが自分の配偶者に孫がいたり子の配偶者や養子に子供がいる場合も「孫」と呼ぶ場合がある。

男女それぞれの孫は孫・孫娘(まご・まごむすめ、grandson / granddaughter)と呼ぶ。家督を継ぐ子(嗣子)の子を内孫、家督を継がなかった子の子を外孫という。
曽孫

曽孫(そうそん、ひまご、ひこ、ひこまご、ひいまご、great-grandchild)は3親等の直系親族。孫の子、子の孫である。

自分の曽孫と結婚した配偶者も本人から見たら(義理の)曽孫にあたる。また、稀ではあるが自分の配偶者に曽孫がいる場合、自分の子の配偶者の孫、自分の孫の配偶者の子も「曽孫」という場合がある。
玄孫

玄孫(げんそん、やしゃご、great2-grandchild)は4親等の直系親族。曽孫の子、孫の孫、子の曽孫である。本人を1世、息子と娘を2世とすれば5世(4代後)の末裔であり「五世」と呼ばれる場合もある。
来孫

来孫(らいそん、great3-grandchild)は5親等の直系親族。玄孫の子、曽孫の孫、孫の曽孫、子の玄孫、孫の孫の子である。耳孫(じそん)ともいう。本人を1世とすれば6世(5代後)の末裔である。

2006年に116歳で死去したアメリカ人女性のエリザベス・ボールデンは、来孫が220人いたという。
昆孫

昆孫(こんそん、great4-grandchild)は6親等の直系親族。来孫の子、玄孫の孫、曽孫の曽孫、孫の玄孫、子の来孫、孫の孫の孫である。?孫(読みは同じ)とも書く。本人を1世とすれば7世(6代後)の末裔である。

2006年に116歳で死去したアメリカ人女性のエリザベス・ボールデンは、昆孫が75人いたという。
仍孫

仍孫(じょうそん、great5-grandchild)は直系7親等で昆孫の子、来孫の孫、玄孫の曽孫、曽孫の玄孫、孫の来孫、子の昆孫、孫の孫の孫の子である。?孫(読みは同じ)とも書く。本人を1世とすれば8世(7代後)の末裔である。意味はつるの子。

なお、存命中に仍孫(それ以降も含む)が誕生した例は確認されていない。
雲孫

雲孫(うんそん、つるのこ、great6-grandchild)は直系8親等で仍孫の子、昆孫の孫、来孫の曽孫、玄孫の玄孫、曽孫の来孫、孫の昆孫、子の仍孫、孫の孫の孫の孫である。本人を1世とすれば9世(8代後)の末裔である。意味は雲のように遠い孫。
雲孫以下

雲孫よりもあとの世代の呼称は特に決まっておらず単に雲孫の子や雲孫の孫と呼び、前者は直系9親等、後者は直系10親等にあたる。
雲孫の子

(great7-grandchild)は直系9親等で子の雲孫、孫の仍孫、曽孫の昆孫、玄孫の来孫、来孫の玄孫、昆孫の曽孫、仍孫の孫、孫の孫の孫の孫の子である。本人を1世とすれば10世(9代後)の末裔である。
雲孫の孫

(great8-grandchild)は直系10親等で子の雲孫の子、孫の雲孫、曽孫の仍孫、玄孫の昆孫、来孫の来孫、昆孫の玄孫、仍孫の曽孫、孫の孫の孫の孫の孫である。本人を1世とすれば11世(10代後)の末裔である。
傍系尊属

傍系尊属の呼び名には1つの訓に対し、「伯」か「叔」かが異なる2つの漢名がある。たとえば「おじ」に対し「伯父」と「叔父」の2つの漢名がある。

傍系尊属は「『親・祖父母・?』の『兄弟姉妹・いとこ・?』」と言い換えることができるが「親・祖父母・?」に対し年上なら「伯」、年下なら「叔」を使う。ただし傍系尊属の配偶者の場合は、血族であるその配偶者が年上か年下かで判断する。

年齢が不明だったり複数人を総称する場合などは、「伯叔」を使うこともある(たとえば「おじ」を「伯叔父」)。

義理関係で、例えばおじ・おばの場合、義父母(舅・姑、養父母、継父母)の兄弟姉妹は義父・義母を基準に年上であれば「伯」、年下であれば「叔」を使い、おじ・おばの配偶者を除く父母の義兄弟姉妹(祖父母の養子女や再婚相手の連れ子、父母の養親の実子)は父母より年上であれば「伯」、年下であれば「叔」を使う。
親と同世代
伯叔父母(おじ・おば)

伯叔父母は男女をそれぞれ伯叔父・伯叔母(おじおば、uncle / aunt)と呼び、3親等の傍系親族である。

個別には親の兄姉やその配偶者(親の兄嫁・姉婿)を伯父・伯母(elder(big) uncle / elder(big) aunt)、親の弟妹やその配偶者(親の弟嫁・妹婿)を叔父・叔母(younger(little) uncle / younger(little) aunt)と書く。


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