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絶対等級(ぜったいとうきゅう、Absolute magnitude、記号M)とは、天体の明るさを、仮に我々から見てある基準となる距離にあるとしたときの、その天体の見かけの等級 (m) である。絶対等級を用いると、天体までの距離を考えないで、いろいろな天体の明るさを比較することができる。標準光度(標準等級)とも言う。 恒星天文学及び銀河天文学において、基準となる距離は10パーセク(約32.616光年、3×1014km)である。10パーセクの距離にある恒星は0.1″(100ミリ秒)の視差を持つ。 絶対等級は、見かけの等級と同じく、明るさが約2.512倍だけ違うと1等級だけ明るさが違い、数字が5小さくなると明るさはちょうど100倍になるという決まりを使っている( 100 5 ≈ 2.512 {\displaystyle {\sqrt[{5}]{100}}\approx 2.512} [注釈 1])。例えば天の川の絶対等級は約−20.5等級である。従って絶対等級が−25.5等級であるクエーサーは、我々のいる天の川銀河よりも100倍明るいことになる。もしあるクエーサーと我々の天の川が同じ距離に並んで見えたとしたら、クエーサーは5等級(100倍)だけ我々の銀河系より明るく見えることになる。 絶対等級を定義するには、測定している電磁放射のタイプをはっきりさせることが必要である。放出エネルギーの合計について述べる場合、適切な用語は放射等級(輻射等級、bolometric magnitude)である。ある天体の絶対等級が低くなればなるほど、その天体の光度は高くなる。方程式により、視等級と絶対等級は、視差を媒介に関係している。 肉眼で見える恒星の多くは、10パーセクの位置にあっても地面に影が映るほどの絶対等級を持っている。例えばリゲル(−7.2等)、デネブ(−7.2等)、とも座ζ星(−6.0等)、そしてベテルギウス(−5.6等)などである。比較すると、シリウスは絶対等級で1.47等であり太陽は可視光での絶対等級で4.83等である(参考値)。 恒星の絶対等級は一般に−10等から+17等までの間に収まる。一方、銀河の絶対等級の数値は遥かに小さい(明るい)場合がある。例えば、巨大な楕円銀河であるM87の絶対等級は−22等である。 恒星の絶対等級 M {\displaystyle M\!\,} は視等級 m {\displaystyle m\!\,} と光度距離 D L {\displaystyle D_{L}\!\,} から算出することができる。 M = m − 5 ( log 10 D L − 1 ) {\displaystyle M=m-5(\log _{10}{D_{L}}-1)\!\,} 極めて遠い天体に対してはユークリッド近似は正当な根拠がなく、天体までの光度距離を計算するときは一般相対性理論を考慮に入れなければならない。 近距離の天体に対してユークリッド近似を用いる場合、恒星の絶対等級 M {\displaystyle M\!\,} は視等級と視差から計算することができる。 M = m + 5 ( log 10 π + 1 ) {\displaystyle M=m+5(\log _{10}{\pi }+1)\!\,}
恒星の絶対等級
計算方法