経済的不平等
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ジニ指数による世界各国の所得差。指数は0-1であり、0は完全な平等(全員が同一所得)、1は完全な不平等(一人が全ての所得を得て、その他全員はゼロ)スラムに住む人々の割合%(2005年)[1]

主要都市のスラム


コーチン, インド サンパウロ, ブラジル イスタンブール, トルコ

カイロ, エジプト ベオグラード, セルビア ジャカルタ, インドネシア

ケープタウン, 南アフリカ マニラ, フィリピン メデジン, コロンビア

経済的不平等(けいざいてきふびょうどう、Economic inequality)、または貧富の差(ひんぷのさ)とは、広義においては経済活動の過程において発生する富める者と、そうでない者の差のことである。

狭義においては、経済競争自体の不公平や経済ルールの不公正、若しくは不平等を促進する国際政治システムを指す。広義において基本的に問題とされるのは、同一国家地域内での差である。日本では「格差(問題)」と呼ばれることも多い。
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2009年の時点では、最も豊かな国と貧しい国では、一人当たりの所得の差は100倍以上となっている[2]

2014年9月4日、FRBは家計調査から、アメリカ経済は回復傾向を強めている一方で、貧富の差が拡大しているとしている[3]。FRBは、2010年以降失業率は低下し景気は回復している一方で、「所得・資産に大幅な格差が生じている」と指摘した[3]

2014年10月17日、FRB議長であるジャネット・イエレンは講演で、アメリカでの所得・富の格差拡大について憂慮しているとの見解を示し、過去数十年にわたって「富裕層の所得・富が著しく増大する一方で、大半の所得層では生活水準が低迷している状態と言える」「アメリカ国民が伝統的に重きを置いてきた機会の均等に照らして、どうなのかと問うことが適切である」と述べた[4]
所得格差

経済学者のロバート・H・フランク(英語版)は「第二次世界大戦後の30年間は所得の伸びは、所得の良し悪しに限らず年間3%程度であったが、それ以降は所得の伸びの恩恵を享受してきたのは、大半が高所得者層である」と指摘している[5]。ロバート・H・フランクは「購買力から見ると賃金の中央値は1975年から変わっていないが、現在(2013年)は上位1%の高所得者が当時の約3倍を稼いでいる」と指摘している[5]

OECD諸国に於ける収入差は過去半世紀の中で口のトップ10%グループの平均収入は、人口の下位10%グループの平均収入の9倍となり、25年前の7倍からさらに上昇した[6]

エコノミストのブランコ・ミラノヴィッチ(英語版)の研究によれば、1988-2008年にかけて、世界人口の上位1%の所得が60%も増加する一方で、最下層5%の所得にはまったく変化が見られないとしている[7]

経済協力開発機構(OECD)の2011年度の研究によれば、所得格差は、1970年代後半から1980年代前半にかけてアメリカイギリスイスラエルで広がりはじめ、この傾向は1980年代後半にさらに拡大したとされる[7]。所得格差はこの10年(2013年時点)で、ドイツスウェーデンデンマークでも拡大し、フランス日本スペインという少数の例外を除き、多くの先進国で最上層10%の稼ぎ手が上昇したが、最下層の10%は停滞している[7]

2013年にピュー研究所が世界39カ国を対象に実施した世論調査によると、先進国・途上国に限らず7割以上の人々の格差は5年間で拡大し、2013年現在の仕組みは富裕層を優遇していると考えている[8]

2014年現在、日本の高所得層の上位1%が占める国民所得シェアは約9%であり、1980年代の7%から2ポイント拡大している。フランス、ドイツ、スウェーデンは日本とほぼ同じペースでシェアが拡大したが、アメリカでは10-15ポイント上昇している[9]。高所得層の上位0.1%が占める国民所得のシェアは、2014年現在の日本では2.5%ほどであり、1980年代初めの1.5%から拡大している[9]

イスラエルとアメリカについては、その不平等は過去既に高いレベルであったが、差は更に増加した[6]ジニ係数で見ると、アメリカの上位10%の所得階層が国全体の所得に占める割合は、1910年には約50%であったが、第二次世界大戦後は30%程度に低下、2010年には再び50%ほどへと上昇している[10]。アメリカの富の不平等については、1910年には上位10%の富裕層が国全体の富の80%を占めていたが、第二次世界大戦後にはその比率は60%程度に低下、2010年には70%近くに再び上昇している[10]

伝統的に平等主義であった国々(ドイツ・デンマーク・スウェーデンなど)では、貧富の差は1980年代は1-5の範囲であったものが、1-6に広がった[6]

フランスのベルエポックで広がった所得・資産の格差は、第一次世界大戦から1970年代までの間に縮小したが、1980年以降、所得・資産の格差は再び拡大して100年前の状態に近づいている[10]

中国における所得格差は重層的であり、都市部と農村部、沿海部と内陸部、そして個人レベルといった様々な格差が生じ拡大し続けている[11]上海北京広州などの大都市・沿海部の4億人の地域と、内陸農村部の9億人の地域で経済格差が存在する(2010年時点)[12]。地域別の一人当たりのGDPは、沿岸部の上海市と内陸部の貴州省では10倍近い差がある(2008年時点)[13]貴州省は中国でもっとも貧しい省であり、上海との年収格差は15-16倍である(2010年時点)[14]。経済学者のケネス・ロゴフは「1970年以降の中国の経済成長は、人類史上類を見ないほどの速さで所得配分の格差を生んでいる。もはや中国国内の格差は、アメリカを追い越しラテンアメリカのレベルにまで近づきつつある」と指摘している[15]


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