経済恐慌
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この項目では、経済における恐慌について説明しています。外的ストレスによって発生する恐慌については「パニック」をご覧ください。
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恐慌(きょうこう、: crisis、: Wirtschaftskrise)は、景気循環の過程のうち、好況局面で突如発生する深刻な景気後退である。経済学の研究分野の1つである。マルクス経済学では、資本主義経済に固有の現象として恐慌を重視する。
概要

19世紀には恐慌が頻繁に起きていた。20世紀前半には世界恐慌が起きた。20世紀後半には財政政策の成果などもあり、凄惨な恐慌はあまり見られなくなったとされていた。政府中央銀行当局のマクロ経済学に関する研究も蓄積され、適切な金融政策を執ることによって深刻な恐慌は回避できると考えるのが一般的であった[注釈 1]

サブプライム住宅ローン危機をきっかけに、リーマン・ブラザーズが破綻するなどして世界金融危機が起きると、続く世界規模の大幅な景気後退を併せて世界恐慌と呼ぶことが多くなり、今日においても深刻な恐慌は起こるというのが常識になった。
マルクス経済学の恐慌論

カール・マルクスは、恐慌局面にある資本主義の様々な諸現象(信用制度の崩壊、企業・銀行倒産、失業者の増大等)のうち、根本的な現象を過剰生産ととらえた。そして恐慌現象の本質を、資本主義に内在する基本的矛盾から発生する諸矛盾の爆発であり、この爆発を通じた強制的な内的統一性の回復の局面である、と把握した。

「世界市場恐慌は、ブルジョア経済のあらゆる矛盾の現実的総括および強力的調整として理解されなければならない。」(マルクス『剰余価値学説史』U、全集26巻第2分冊、689ページ。
生産と消費の矛盾

資本主義の基本的矛盾とは、部分的ではない一般的な過剰生産傾向を生む生産と消費の矛盾である。

資本は一方では、資本家の衝動としてはより多くの利潤を得るために、また諸資本間の競争による蓄積の強制によって、生産力をどこまでも発展させようとする傾向をもっている。資本は他方では、賃金労働者の賃金を、生活必需品の範囲の最低限にまで制限しようとする傾向をもっている。無制限の生産力の発展と、労賃によって制限された大衆の消費力とは、資本がいくら商品を生産しても、消費制限のために売れないという、過剰生産傾向を生む。この生産と消費の矛盾は、資本が自ら生み出し、資本につきまとう恒常的な矛盾(生きている矛盾)であり、恐慌の発生根拠となる。

「すべての現実の恐慌の究極の根拠は、どこまでも、資本主義的生産の衝動に対比しての、すなわち、あたかもその限界をなすのはただ社会の絶対的な消費能力だけであるかのように生産諸力を発展させようとする衝動に対比しての、大衆の窮乏と消費制限なのである。」(マルクス『資本論』第三部)
恐慌と過剰資本の価値破壊

恐慌局面では、企業倒産、株価下落、信用制度崩壊、デフレーション等を通じて、多すぎる資本(過剰資本)の価値が破壊され、社会的総資本の量が縮小する。この結果、消費制限に対して過剰となっている生産力が破壊され、消費と生産の均衡が取り戻される。過剰資本とは、利潤率が低いために資本として運動できない資本のことである。生産力の上昇は資本の有機的構成の高度化をもたらし、利潤率の傾向的低下をもたらして(利潤率の傾向的低下の法則)、過剰資本を生み出す。恐慌は過剰な資本と生産力を破壊して、資本による生産の再活性化を準備する。すなわち景気回復するためには、恐慌による過剰資本の価値破壊が必要条件となる。この意味では、恐慌は資本主義的生産の総過程を更新するプロセスであり、資本の生命力の発露である。

ソ連の教科書的なマルクス主義経済学では、恐慌を資本主義の全般的危機の現われであるとしていたが、これはマルクスの理解とは異なる。恐慌そのものは資本主義の諸矛盾の爆発であるが、恐慌がそのまま資本主義体制の危機につながらないことは、これまでの資本主義経済の歴史を見ても明らかである。マルクスによれば恐慌は資本主義が理想的な経済体制ではないこと、資本主義的生産関係が生産力の発展にとって桎梏となっていること、資本主義は永遠ではなく歴史的に一時的に成立する経済関係にすぎないこと、を示す現象にすぎない。
資本による消費制限の突破

賃金労働者の消費制限による市場の限界は、資本が自分に与えた制限-内的制限-である。資本はこの制限を突破するために、様々な方法を駆使する。

資本家や
富裕層による奢侈品の消費、すなわち浪費はその一つの方法である。

利益の再投資すなわち資本蓄積は、支払賃金の増大による労働者の生活手段の消費拡大とともに生産手段の消費拡大をもたらす。

資本は新たな使用価値を開発し、それに対する人々の欲望を喚起することを通じて、社会的欲望の限界による消費制限を突破しようとする。

国家の財政出動(ケインズ政策)は、租税収入や国債発行による資金を支出し国家が買い手となることによって、巨大な消費をつくりだす。


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