組み込みシステム(くみこみシステム)あるいはエンベデッドシステム (Embedded system) とは、特定の機能を実現するために家電製品や機械等に組み込まれるコンピュータシステムのこと。
目次
1 概説
2 定義
3 具体例
4 汎用システムとの比較
5 歴史
6 ハードウェア
6.1 組み込み向けCPU
7 ソフトウェア
7.1 OS
7.2 関連項目
8 組み込みシステムの技術者
9 出典
10 関連項目
11 外部リンク
定義はいくつかあるが、おおむね、特定の機能を実現するために家電製品や機械、装置に組み込まれるコンピュータシステムのことを指す(→#定義)。PC等の汎用的なシステムと対比されることが多い(→#汎用システムとの比較)。 組み込みシステムは、家庭用機器、産業用機器、医療用機器等、電子制御を必要とするほとんどの製品に用いられている。2010年の時点で、身の回りにある機械(機器)の多くは、組み込みシステムが内蔵されていると言ってもよい。(→#具体例) 組み込みシステムの中でも携帯電話やデジタル家電、自動車など、必要とする機能が多岐にわたるシステムは、複数のハードウェア、複数のソフトウェアを組み合わせたものとなり、数百人単位の開発人数と数年規模の開発期間を必要とする。このため特に、大規模組み込みシステムと呼ばれることがある。 組み込みシステムが登場する以前の電気・機械製品の制御は、主に電子回路や機械的なハードウェアによる直接的な機能によって実現していた。組み込みシステムの登場により、ソフトウェアの機能によって新しい複雑な機能も実現できるようになった。 また、マイクロプロセッサ等の製造技術の進歩や生産効率の向上などともに、組み込みシステムのハード部分にかかるコストが低減し、導入へのしきいが低くなったこと、さらに、機能の追加や変更に際しては、ソフトウェアを書き換えるだけで回路の変更は最小限に押さえられ、全体的なコストが低減出来ることなどから、広範囲の製品に搭載されるようになった(→#歴史)。 ハードウェアの構成は汎用のもの、独自のもの、両方を組み合わせたものがある(→#ハードウェア)。 ソフトウェアも同様に、汎用のもの、独自のもの、両方を組み合わせたものがある。開発言語としてはC言語が用いられることが多いが、メモリ容量や実行速度等の制約が厳しい用途ではアセンブリ言語が用いられる。メモリ容量等の資源が十分に確保できるシステムではOSも搭載されているものも多い(→#ソフトウェア)。 コンピュータ用語辞典などでは、組み込みシステムは「特定の機能を実現するために機械や機器に組み込まれるコンピュータシステム」などといった説明がされている[1]。 「特定の機能を実現するための必要十分条件を満たす、選択や交換の不可能なハードウェアとプログラムで構成されるコンピュータシステム」[2]と定義されることもある。 家庭用、産業用問わず電子制御を必要とする製品において一般的に用いられている。以下に一例を挙げる。
概説
定義
具体例
家庭用電気機械器具(一般家電製品、デジタル家電)
炊飯器、洗濯機、エアコンディショナー(業務用空調設備含む)
電話機(ファクス含む)、
デジタルカメラ、その他PC周辺機器(プリンター、スキャナ、ルーターなど)
テレビ、ビデオデッキなどAV機器
ゲーム機、携帯電話などのデジタル家電
輸送機器
自動車のエンジンコントロールユニット(燃料噴射装置を含むエンジンマネジメント、自動変速機、エアコンなどの制御)
カーナビゲーションシステム
航空機(飛行機)、船舶、宇宙船
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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