組織学
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この項目では、生物組織を研究する学問について説明しています。社会科学上の組織を研究する学問については「組織論」をご覧ください。
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出典検索?: "組織学" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2011年11月)
典型的な組織学標本が、スライドガラスとカバーガラスの間に挟まれ、光学顕微鏡のステージ上に設置されている典型的な組織学標本
1. スライドグラス
2. カバーガラス
3. 染色された組織標本、1.と2.の間に挟まれるHE染色(ヘマトキシリンエオシン染色)が施された、ヒトの組織標本を撮影した光学顕微鏡写真(英語版)

組織学(そしきがく、: histology、ギリシア語で「組織」を意味する?στ?? histosと、「科学」を意味する-λογ?α -logiaの複合語)は、植物動物細胞組織を観察する顕微解剖学解剖学から発展し、生物学医学の重要な方法論の一つである。細胞学細胞の内部を主な対象とするのに対し、組織学では細胞間に見られる構造・機能的な関連性に注目する。

組織学で最も基礎的な手技は、固定染色といった手法を用いて用意した標本の顕微鏡観察である。組織学研究は組織培養を活用することも多い。組織培養とは、ヒトや動物から採取された、生きた細胞を単離し、様々な研究目的に、人工環境で培養することを指す。組織染色は、標本の観察や、微細構造の見分けを容易にするために、しばしば行われる。

組織学は発生生物学の基本技術である他、病理学でも病理組織の検査に用いられる。がんなどの病気の診断を付ける上で、検体の病理的検査が日常的に使われるようになってからは、病態組織を顕微鏡的に観察する組織病理学(英語版)が、病理解剖(英語版)の重要なツールとなった。海外では、経験を持った内科医(多くは資格を持った病理医である)が、組織病理の検査を自ら行い、それに基づいた診断を下す。一方で日本では、病理専門医が検査と診断を行うことが多いが、各地でこの病理医不足が叫ばれている[1][2]。海外では、検査のための組織標本を作成する専門職を、「組織学技術者」(: histotechnicians, histology technicians (HT), histology technologists (HTL))「医療科学者」(: medical scientists)、医療実験助手(英語版)(: Medical Laboratory Assistant, Medical laboratory technician)、生物医学者(英語版)(: Biomedical scientist)などと呼ぶ(以上は全て訳者訳)。彼らの研究領域は histotechnology(訳:組織科学)と呼ばれる。
資料の準備医学生たちが、組織学研究のためヒト胃から取った試料を準備している。2012年のメキシコ国立心臓病研究所(西: Instituto Nacional de Cardiologia in Mexico)にて
固定
ホルムアルデヒドなどを用いた化学固定詳細は「固定 (組織学)」を参照

化学固定は、組織の劣化を防いだり、細胞構造や、細胞小器官(例:細胞核小胞体ミトコンドリア他)などの細胞内物質を保存するために行われる。光学顕微鏡向けの最も一般的な化学固定は、10%中性緩衝ホルマリンリン酸緩衝生理食塩水に4%のホルムアルデヒドを加えたもの)である。他にもブアン液(: Bouin Solution)などが用いられる[3][4]電子顕微鏡に対してはグルタルアルデヒドが最も汎用され、同じくリン酸緩衝生理食塩水に2.5%のグルタルアルデヒドを加えて固定液が作られる。これらの化学固定は、非可逆的にタンパク質間に架橋することで組織や細胞を保存する。アルデヒドは、主にタンパク質のアミノ基を架橋するために用いられ、ホルムアルデヒドの場合はメチレン架橋 (-CH2-) 、グルタルアルデヒドの場合は C5H10 架橋を形成する。固定を行うことで、細胞や組織の構造はほぼそのまま保存されるのに対し、酵素などのタンパク質は、損傷してある程度の変性を起こす可能性がある。タンパク質の損傷は、ある種の組織学的手技には有害なものである。電子顕微鏡向けには、四酸化オスミウム酢酸ウラニル(VI)など追加の化学固定が行われることもある。

ホルマリン固定は、組織中のmRNAmiRNADNAを劣化させる。一方で、適切な手法でホルマリン固定・パラフィン包埋(ほうまい)された組織からは核酸の抽出・増幅・分析が可能である[5]
凍結切片固定

凍結切片法(英語版)は、クリオスタットと呼ばれる冷凍機を用い、組織標本を急速に固定・標本化する技術である。この方法は、がんの切除手術後によく用いられ、がんが確実に切除できたか判断する迅速診断を可能にしている。
処理 - 脱水、洗浄、浸透

組織処理の目的は、組織から水分を取り除き、薄片加工できるように組織を固体化させる物質で置き換えることである。生物組織を薄片にするためには、堅い基質で支持されることが必要である。光学顕微鏡用の薄片は5μm、電子顕微鏡用の薄片は80?100nmのものが一般的である。

光学顕微鏡用の切片には、パラフィンが最もよく使われる。パラフィンは生物組織の主成分である水と混じり合わないため、水分は処理の段階で最初に取り除かれる必要がある。濃度の異なる複数のエタノール溶液槽に入れられることで、試料の脱水が行われる(水槽のエタノール濃度は、次第に高くなる)。次にキシレンなどの疎水性洗浄液でアルコールが取り除かれる。最後に溶かしたパラフィン・ワックスが組織に浸透され、キシレンと置き換わる。

パラフィン・ワックスは、電子顕微鏡用の切片を作る硬質としては不十分である。このため、代わりに樹脂が用いられる。エポキシ樹脂が最もよく利用されるが、特に免疫染色が必要な箇所ではアクリル樹脂も利用される。樹脂で包埋された組織の極薄切片 (0.35μm?5μm) は光学顕微鏡用にも用いられる。エポキシ樹脂・アクリル樹脂の大半は水と混じり合わないが、これは組織の脱水に必要なもので、この脱水過程ではエタノールが併用されることが多い。
包埋OCT embedding OCTコンパウンド (Optimal cutting temperature compound) 

組織の脱水・洗浄・包埋剤の浸透が終わったところで、包埋過程に移る。この過程の間、組織資料は、硬化する液性包埋剤(寒天ゼラチンなど)と共に鋳型に入れられる。パラフィン・ワックスの場合は冷やすことで、エポキシ樹脂の場合は熱することで硬化する。アクリル樹脂は、熱、紫外線化学触媒などで重合する。組織試料入りの固化したブロックは、次に薄片化される。

ホルマリン固定・パラフィン包埋組織(: Formalin-fixed paraffin-embedded tissues; FFPE tissues)は、室温で保存してもほとんど変化せず、固定後はDNAやRNAなどの核酸も劣化から守られるため、ホルマリン固定・パラフィン包埋組織は医学の歴史的学習(組織学実習など)において重要である。

包埋には、冷凍し固定していない組織を、水を元にした保存液に漬ける方法もある。


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