終電
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「最終電車」「最終列車」「終電車」はこの項目へ転送されています。「最終電車」「最終列車」「終電車」を称する各種作品については「終電車 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
大阪市営地下鉄(現・大阪メトロ千日前線の終電。最後尾車両であるが、終電のため前照灯を点灯している。

終電(しゅうでん)は、終電車の略で[1]、ある鉄道路線の営業時間帯において、最後に運転される電車列車)を指す。最終電車、終発[2]、終車[3] とも呼ばれる。本記事では、非電化区間を走行する気動車列車(ディーゼルカー)を含む、日本国内各地における最終列車、終列車を全て含めて記述する。

2023年4月の時点で国内で最も遅い時刻に終着する列車は、平日ダイヤでは東武野田線(東武アーバンパークライン)の船橋発七光台行き(七光台駅午前1時16分着)、土休日ダイヤでは東日本旅客鉄道(JR東日本)高崎線東京発高崎行きと西日本旅客鉄道(JR西日本)JR神戸線京都発西明石行き(それぞれ高崎駅西明石駅に午前1時14分着)である。
概要終電の時刻を表示している携帯電話の画面。.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

この節の一部(2021年改正による関東以外の私鉄(阪神・阪急・西鉄など)の終電繰り上げや、緊急事態宣言終了後も行政要請により繰り上げを継続している事業者(都交通局など)の説明に関わる部分)は更新が必要とされています。
この節には古い情報が掲載されています。編集の際に新しい情報を記事に反映させてください。反映後、このタグは除去してください。(2021年4月)

(西鉄の項目は更新済み)

終電は、鉄道で都市部を訪れている者が、そのまま現地で夜を明かさずに帰宅することのできる最終便となる。そのため「終電案内」などといった時刻表示が初電の案内とともに入口に掲示されていたり、自他を含めた「最終接続時刻」(接続路線の終電に乗り継げる最後の電車)を掲載している事業者があるほか、終電の時刻を調べることができるウェブサイトも存在する。JR線においては終電(最終列車)に乗り遅れた場合、直ちに申し出ることによって、有効期間の延長又は旅客運賃・料金(自由席に限る)の払い戻し(要手数料)を請求することができる[4]

日本に初めて新橋駅 - 横浜駅間で鉄道が開通した1872年、終電が始発駅を発車する時間は18時であった[5]。鉄道網が発展した後、1906年に鉄道国有法による鉄道国有化が行われ、日本各地で国鉄による夜行列車が運転されるようになった。終電は鉄道網の発展と都市化の進行により徐々に繰り下げられ、都市部では戦前から日付をまたいで運転される列車が存在していた[6]

1964年に東海道新幹線が開業すると徐々に夜行列車も廃止になる一方、高度経済成長により都市圏の人口集中が続いた。都市中心部では地価の高騰と住宅環境の悪化に伴い人口が減少し、都市外縁部で人口が増加するドーナツ化現象が発生した結果、都市圏の平均通勤時間が長くなり、輸送人員も増加傾向が続いた。1970年代半ばの第1次オイルショック時に一部の路線で終電を繰り上げる動きが見られたものの[注釈 1]1980年代後半から1990年代初めのバブル景気時代には国鉄分割民営化により誕生したJRのサービス合戦が盛んになったことも相まって、多くの事業者で終電の繰り下げ傾向が見られた。一例として、阪急電鉄1991年ダイヤ改正において、京都本線宝塚本線神戸本線の梅田駅(現・大阪梅田駅)発最終列車を0時25分発に繰り下げた[9]

その後のバブル崩壊により輸送人員は減少傾向に転じたが、公共交通機関としての使命を果たすために終電が大幅に繰り上がることはなかった。しかし、西日本旅客鉄道(JR西日本)では2005年に福知山線脱線事故が発生したことを受けて、乗務員の睡眠時間を確保するために2009年のダイヤ改正で終電を繰り上げた[10][11][12]

地下鉄は終電から始発までの間にトンネルや設備の保守点検および修繕を行う都合上、一般的な路線と比較すると終電が早い傾向にあるが、2011年東日本大震災以降は外国人観光客によるインバウンド消費が高まったこともあり、2013年3月に大阪市営地下鉄(現・大阪市高速電気軌道〈Osaka Metro〉)が堺筋線を除く8路線で終電を10 - 30分繰り下げたことを皮切りに[13]、東京[14] や名古屋(一部の日のみ)[15][16] など、都市部の地下鉄で軒並み終電が繰り下げられた。

一方で2010年代後半以降、2018年京阪電気鉄道京津線石山坂本線[17]九州旅客鉄道(JR九州)[18] など利用実態に合わせて終電繰り上げを行った路線も現れた。また、保線作業員の人員不足が顕著になり、作業時間を拡大させることによって1日の作業量を増やし、休暇の取得を促進して労働環境を改善することが喫緊の課題となり、西日本旅客鉄道は2019年10月の時点でさらなる終電の繰り上げを検討していた[19]。その中でも、2020年東京オリンピックの大会期間中には、終電を繰り下げる検討もされた[20]

しかし、2020年以降の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行によって鉄道需要は大幅に減少し、JRと大手私鉄16社は経常損失を計上するとともに、2020年東京オリンピックも延期された。働き方改革に伴うテレワークが普及し、さらには感染防止のために夜間の宴会等が自粛されたこともあり、深夜時間帯の乗車率は大幅に減少した。

これらの実態を鑑みて、JR西日本は2020年9月、翌2021年のダイヤ改正で終電を繰り上げることを発表した[21]。これに追従する形で、東日本旅客鉄道(JR東日本)や首都圏の大手私鉄9社を始めとする関東の鉄道事業者においても終電を繰り上げるダイヤ改正を発表した[22]終電の繰り上げを知らせる張り紙

2021年1月7日、首都圏の1都3県(東京都千葉県埼玉県神奈川県)を対象とした新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言が発令され、国土交通省自治体からの要請を受けて、関東の鉄道25事業者は同月20日から現行ダイヤの一部列車を運休または回送列車とする形で終電を繰り上げ[23][24]、同年3月12日(ダイヤ改正前日。一部事業者は3月26日)まで継続された[25]
各地の終電時刻

地域により差はあるものの、都心部では終着時刻が0時30分から1時前後、郊外で23時から24時前後となる場合が多い。

静岡鉄道高松琴平電鉄など、金曜日(路線によっては土曜日も)に限り終電後に臨時列車を設定している路線もある。東海道本線では毎週金曜日と特定日に沼津駅を23時59分に発車する快速列車が設定されている。
関東地方

関東地方の路線は1時を超えて運転する路線が多数あったが、2021年3月13日のダイヤ改正で深夜時間帯の需要減少に伴う相次ぐ終電繰り上げが各路線で生じ、その数は大きく減少した。

山手線の駅を最も遅い時刻に発車する放射路線は、新宿駅を0時52分に発車するJR中央・総武線各駅停車の中野行(中野駅0時59分着)、次いで品川駅を0時46分に発車する京浜東北線の蒲田行(蒲田駅0時55分着)である。これらの路線は、2021年3月13日のダイヤ改正前まで山手線の駅を1時過ぎに発車していた。

私鉄は、新宿駅を0時43分に発車する小田急小田原線経堂行(経堂駅1時00分着)が最も遅く山手線のターミナル駅を発車する。次いで新線新宿駅を0時41分に発車する京王新線桜上水行(桜上水駅0時53分着)、池袋駅を0時35分に発車する東武東上線成増行(成増駅0時51分着)である。

上野駅を0時33分に発車する常磐線快速電車松戸行(松戸駅0時52分着)は、北千住駅東京メトロ千代田線(実質的に常磐線各駅停車)の0時48分発松戸行(松戸駅1時01分着)に接続し、快速通過駅の利便性を確保している。これは東京メトロにおける始発駅発車時刻として最も遅く、2021年3月13日のダイヤ改正前は北千住駅を1時04分に発車していた。

上り列車の終電は、JRの近距離電車でも下り列車に比べるとやや早く、都心に至る終電の始発駅時刻はほぼ0時前に設定されている。上り列車の発車時刻で最も遅いのは、埼京線赤羽駅0時45分発池袋行(池袋駅0時54分着)である。なお、2023年ダイヤ改正より東武東上線の森林公園発川越市行きが川越市到着0時12分→1時12分に繰り下げられている(この列車はダイヤ改正後寄居駅0時08分発、森林公園駅0時38分着の列車から連絡)。

終着駅の到着時刻は、概ね1時前後に設定されている。JRの駅で最も到着時刻が遅いのは高崎線高崎駅であり、1時14分着である。2021年3月13日のダイヤ改正前は1時37分着であったが、当該列車は籠原行に区間短縮され、籠原駅から高崎駅までの終電が約23分繰り上がった。かつては中央線各駅停車が早朝・深夜帯に限り東京駅発着となり、高尾駅の到着時刻は1時37分着であった。先述の高崎線高崎駅と並んで関東地方で最も遅く最終列車が到着する駅であったが、2020年3月14日のダイヤ改正で中央線快速が終日運行されるようになり、到着時刻が1時22分に繰り上がった。さらに2021年3月13日のダイヤ改正で到着時刻が0時52分に繰り上がり、2020年3月14日のダイヤ改正前と比較して終電が約45分繰り上がることになった。

私鉄で終着駅の到着時刻が最も遅い駅は東武野田線(東武アーバンパークライン)七光台駅で、平日ダイヤで1時16分着である。なお、JR四国が2022年3月12日のダイヤ改正でマリンライナーの下り最終を繰り上げたことから、七光台駅が平日に限って日本一遅い時間に到着する終電となった。これに次ぐのは東武東上本線川越市駅であり、1時10分着である。2021年3月13日のダイヤ改正前は西武新宿線新所沢駅が最も到着時刻が遅く、平日ダイヤで1時28分着であったが、同日のダイヤ改正で終電が約31分繰り上がって0時57分着となった。

私鉄の中には、工事時間の確保や従事する係員およびその請負会社の勤務条件(線路閉鎖停電)の関係などで予め営業時間が決められており、その枠の中で終電が終着駅に到着するようにダイヤが組まれている路線もある。2021年3月13日のダイヤ改正以前から、京成電鉄京浜急行電鉄新京成電鉄首都圏新都市鉄道は全列車が概ね1時00分までに終着駅または車庫・留置線に到着するダイヤになっていた。平日ダイヤの場合、京急本線品川駅を0時23分に発車していた下りの終電は特急であり、途中駅での接続や待避が一切ないダイヤとなっていた。

2021年3月13日のダイヤ改正以降は、西武鉄道小田急電鉄東急電鉄も全列車が1時00分までに終着駅に到着するダイヤになった。

東京2020オリンピック(実施2021年)期間中も、当初は入場者数を制限する有観客開催を前提として、一部種目は23時以後も行われることから、深夜2時頃まで終電を延長する予定があった[26][27]が、新型コロナウイルス感染症で、主要開催地の4都県に緊急事態宣言が発動され、原則無観客開催となり、延長運転も見送られた他、宮城スタジアム(こちらは制限付き有観客)でのサッカー競技の試合に合わせ、東北新幹線仙台駅 - 東京駅間で終夜運転ともなる臨時の夜行新幹線を運行する計画も予定されたが、これも五輪観戦以外の目的で乗車する鉄道ファンの混雑につながるとして見送りとなった[28][29]
近畿地方

2000年代までの西日本旅客鉄道(JR西日本)は、遠距離通勤者に配慮し都市部に限らず終電の終着駅の到着時刻が遅かったが、福知山線脱線事故をきっかけに京阪神の一部路線を対象に2009年(平成21年)3月14日のダイヤ改正で終電を繰り上げた[10][11][12]


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