素浪人 花山大吉
ジャンル時代劇
脚本森田新、松村正温
監督小野登、井沢雅彦、荒井岱志、長谷川安人、佐々木康、松尾正武
出演者近衛十四郎
品川隆二
南弘子
オープニング北島三郎「浪人まかり通る」
エンディング品川隆二「風来坊笠」
製作
プロデューサー吉川義一、広渡三夏、小沢英輔、宮川輝水
制作NETテレビ
放送
放送国・地域 日本
放送期間1969年1月4日 - 1970年12月26日
放送時間土曜20:00 - 20:56
放送枠テレビ朝日土曜時代劇
放送分56分
回数104
特記事項:
素浪人シリーズ第2作。第14話よりカラー放送
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素浪人 花山大吉(すろうにん はなやまだいきち)は、NETテレビ(現:テレビ朝日)系列にて1969年1月4日から1970年12月26日まで毎週土曜夜8時からの1時間枠で放送された東映制作の連続テレビ時代劇。全104話。 前作『素浪人 月影兵庫』に引き続く続編。前作最終話の後、一人旅を続けていた焼津の半次(品川隆二)が月影兵庫に瓜二つの素浪人・花山大吉(近衛十四郎)と出会い、再び弥次喜多珍道中の様な展開が始まる。第79話からお咲(南弘子)が加わり、レギュラーが3人になった。 『素浪人 月影兵庫』が回を追うごとに近衛と品川のコミカルなやりとりを中心に人気となり、コメディー色を強めた事で、原作者の南條範夫より原作から逸脱しているとクレームがつけられ、「家督を継ぐため江戸に帰る」ということで一旦終了とし、年を挟んだ翌週から「兵庫にそっくりで、兵庫よりも腕が立つ素浪人」花山大吉(近衛十四郎)を登場させ、新番組という体裁で続行させる処置をとった。 兵庫と別れて一人旅を続けていた半次は、兵庫と瓜二つな浪人花山大吉を見つける。半次は兵庫にかつがれていたと激昂し、兵庫の嫌いな猫を捕まえてきて浪人の首元に乗せたが浪人は全く意に介しなかった。兵庫とは別人と納得した半次は、花山大吉と引き続きヤジキタ道中を続ける、という展開である。 途中から南弘子が加わり、レギュラーが3人となった事情としては、近衛の持病である糖尿病や高血圧が番組後半から悪化、近衛の体重減少が見た目にも顕著となり撮影中に倒れるなど、支障が出始めたことが何より影響している。しかし高視聴率を保っていたため、焼津の半次に次ぐコメディーリリーフとして第79話からお咲を登場させ、番組後半は近衛の負担軽減のため、半次とお咲のやりとりの比重を増やした。しかし、1970年末にドクターストップにより続行困難となり、第104話で終了となった。近衛のレギュラー番組再開は1973年4月の『素浪人 天下太平』まで間が空いた。 第13話までは前作から引き続きモノクロ放送。1969年4月5日放送の第14話からカラー放送となる。地上波の再放送ではカラー版の第14話から第79話まで放送される場合が多く、南弘子がレギュラー入り後のエピソードはカットされる事が多かった。その後のCS放送での再放送では全話が放送されている。 1995年には、近衛の長男・松方弘樹によって単発によるリメイク版が製作された(焼津の半次役は田原俊彦)。 2003年、2005年に東映チャンネルにてニュープリント版で再放送、その後時代劇専門チャンネルでも2009年・2010年に再放送され、2013年からはハイビジョンリマスター版が再放送されている。 カラー化された第14話、第18話は四国ロケ。 各話放送日サブタイトルゲスト
なお、1995年4月に単発スペシャルドラマとして放送されたリメイク版も併せて紹介する。
概要
登場人物
花山大吉(近衛十四郎)
前作の月影兵庫に代って登場した兵庫と瓜二つの主人公。豪放磊落だが情に厚く、強い正義感の持ち主で、剣を取れば兵庫以上の腕を持つ無敵の素浪人。諸国を放浪し、「よろず相談屋稼業」で生計を立てているが、気ままな商売なので基本的に金欠である。事件に遭遇すると、いち早く真実を見抜く頭脳明晰さと、一切の権威を怖れない反骨精神も持ち、相手が大名であろうと遠慮せず意見する事もある。その一方で、極度の緊張やびっくりするとしゃっくりが出て止まらなくなる癖がある。そんな時には、本人いわく「命の次に大切なもの」の腰のひょうたんに入った酒を飲むとしゃっくりが収まる。12年前に江戸で町道場を開くが、恋女房の綾(演:木暮実千代)と一人息子の大作(演:中野淳)を5年前の流行病で亡くし、道場を師範代に任せ、心の痛手を癒すため諸国を旅している(第66話)。また美食家であり、食に対する知識、こだわりは板前のそれをも凌駕するほど。経営難の茶店や旅籠に自身の食の知識から名物料理を提案したり、半次に山鳥の丸焼きを御馳走してやろうとしたこともあった。大好物はオカラと酒。居酒屋に入ると必ずオカラの有無を聞き、無いと不機嫌になり「今にこの店はつぶれるぞ」などと言いがかりをつけるが、オカラがあると満面の笑みで「この店はきっと繁盛するぞ」と調子のいいことを言う。第1話では酒は静かに飲むのが一番と半次に説く一方で、オカラを見るなり理性を失い、結果68人前のオカラを平らげ、48本の酒を飲み泥酔してしまった。大酒を飲むとたちまち下品になり、若い娘におだてられるとデレデレするなど、三枚目な一面を持つ。剣の他に鉄扇を持ち、敵の剣からの防御に使ったり、半次を援護するために投擲武器として使っている。また、柔術の心得もあり、怪力の大男が大吉を持ち上げようとしても、全く持ち上がらず、逆に大吉に手首を取られただけで、地面に横転させられてしまうというシーンもある(第15話)。口癖は、「(居酒屋にオカラがない際に)けしからん」、「いかんなあ」、「(半次を一喝する際に)このバカタレが!」。半次のことを「焼津の兄さん」と呼ぶが、出会った当初は「節穴」と呼んでいた。
焼津の半次(品川隆二)
前作に続いて登場する渡世人。キセルや刀もまっすぐに作られているものを選ぶほど、曲がったことと蜘蛛が嫌いなお調子者。大吉と出会った直後は口げんかばかりしていたが、次第に大吉の人柄に惚れ込み、一緒に旅をすることになる。義理人情に厚く、他人が困っている場面を見ると手助けを買って出るが、その反面お節介焼きで物事に首を突っ込み、結果問題事を引き起こすトラブルメーカーでもある。大吉同様金欠であり、博打で得た金で生活しているが、大吉にたかられて使い果たすことが多い。自分に対して「おめえ、酒の匂いにつられてこの居酒屋入っちまったら、今夜の宿代がなくなっちまわ。いけねぇいけねぇ、男焼津の半次ここは我慢のしどころだぁ」といった2人称語りのセリフとカメラワークの演出は前作からそのまま受け継がれた。また、美人の娘(半次は「べっぴんの姐ちゃん」と呼ぶ)に目がない。大吉を「ダンナ」と呼ぶが、口論になるとドスの下緒を齧り「俺頭にきた!頭にきたぞ!」と怒りをあらわにし、「ダンナ野郎」「オカラ野郎」「オカラボケ」「うんちく野郎」などと、「 - 野郎」を多用して罵る。大吉ほど強くはないが、ドスを取ればなかなかの使い手で、因縁をつけてきた武士3人と斬りあいして互角に戦ったこともある。
お咲(南弘子)
79話から登場したおてんば少女。ポニーテールにミニスカート風の衣装、そしていつも熊のぬいぐるみを持っている。
スタッフ
プロデューサー:吉川義一、広渡三夏、小沢英輔、宮川輝水
脚本:森田新、松村正温
監督:小野登、荒井岱志、長谷川安人、井沢雅彦、佐々木康、松尾正武
音楽:阿部皓哉
撮影:平山善樹、脇武夫、柾木兵一、羽田辰治、森常次、木村誠司
計測:山口鉄雄、荒木和男、水島淳一、長谷川武次、宮川俊夫、山元豊
照明:松井薫、林春海、佐々木政一、谷川忠雄、椹木儀一、藤井光春
録音:渡部章、山根定男、小野岡道秀
美術:寺島孝男、塚本隆治、吉村晟、宇佐美亮、中島哲二
編集:島村智之、川上忠、鳥居勉
衣装:工藤昭、上野徳三郎
美粧:林三郎
結髪:浜崎喜美江、長谷川きい、水巻春江、河野節子
装置:木村雅治、松井三郎、早川重三、山田勝、矢野昇、西村国蔵
装飾:小川芳男、曽根美装、伊藤健三、小谷恒義、中道正信、縄田功、斉藤寿也、内明淳
助監督:福井司、浜比呂志、尾田耕太郎、久郷久雄、山村繁行、太田雅章、曽根勇、上杉尚祺
殺陣:谷明憲、谷俊夫、土井淳之祐
記録:篠敦子、高木弘子、藤原凪子、松尾美智子、野崎八重子、宮内喜久子、佐藤利子、西野敏子、石田芳子、宮内喜久子
進行:中久保昇三、山田勝、丸本晃、藤野清、喜多外志之、北村良一
現像:東洋現像所(現:IMAGICAウェスト)
制作:NET、東映京都テレビプロダクション(第1話 - 第13話、第15話、第17話)→東映(第14話、第16話、第18話 - 第104話)
サブタイトル
1969年
第1話1月4日世のなか上には上がいた花園ひろみ
鈴村由美
市村俊幸
藤尾純
汐路章
阿波地大輔
鈴木金哉