紅茶
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「アイスティー」はこの項目へ転送されています。

同名のヒップホップミュージシャンについては「Ice T」をご覧ください。

フリーソフトウェアによるJava実装については「IcedTea」をご覧ください。

.mw-parser-output .pathnavbox{clear:both;border:1px outset #eef;padding:0.3em 0.6em;margin:0 0 0.5em 0;background-color:#eef;font-size:90%}.mw-parser-output .pathnavbox ul{list-style:none none;margin-top:0;margin-bottom:0}.mw-parser-output .pathnavbox>ul{margin:0}.mw-parser-output .pathnavbox ul li{margin:0}チャノキ >  > 紅茶一杯の紅茶

紅茶(浸出液)[1]100 gあたりの栄養価
エネルギー4 kJ (0.96 kcal)

炭水化物0.1 g

タンパク質0.1 g

ビタミン
リボフラビン (B2)(1%) 0.01 mg
ナイアシン (B3)(1%) 0.1 mg
ビタミンB6(1%) 0.01 mg
葉酸 (B9)(1%) 3 μg
ビタミンK(6%) 6 μg

ミネラル
ナトリウム(0%) 1 mg
カリウム(0%) 8 mg
カルシウム(0%) 1 mg
マグネシウム(0%) 1 mg
リン(0%) 2 mg
(1%) 0.01 mg

他の成分
水分99.7 g
ビオチン(B7)0.2 μg
カフェイン0.03 g
タンニン0.10 g
浸出法: 茶 5 g/熱湯 360 mL、1.5分?4分 


単位

μg = マイクログラム (英語版) • mg = ミリグラム

IU = 国際単位

%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。

紅茶(こうちゃ)とは、摘み取ったを萎凋(乾燥)させ、もみ込んで完全発酵させ、乾燥させた茶葉。もしくはそれをポットに入れ、沸騰した湯をその上に注いで抽出した飲料のこと。なお、ここでいう発酵とは微生物による発酵ではなく、茶の葉に最初から含まれている酸化酵素による酸化である。

日本語の紅茶(および中国語の紅茶)の語源はその抽出液の水色(すいしょく)に由来する。

以下では、水色を青みのカラーを表す「水色(みずいろ)」と区別するため、語を「茶湯の水色」と統一して表記する。
定義

紅茶は一般的には発酵茶として説明される事が多い[2][3]。ただし茶業における「発酵」は酵素による酸化を指し、生化学的な意味での「発酵」ではない[4]


一方、茶類の分類を定めたISO 20715:2023では紅茶を製法の観点から以下のように定義している:.mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}tea (3.2) derived solely and exclusively, and produced by acceptable processes, notably withering, rolling or leaf maceration, aeration and drying, from the tender shoots of varieties of the species Camellia sinensis (L.) O. Kuntze, known to be suitable for making tea for consumption as a beverage[5]
(試訳)Camellia sinensis (L.) O. Kuntze?飲料として消費される茶を作るのに適していることが知られている?の変種の柔らかい苗条から、容認できる工程、とりわけ萎凋、揉捻すなわち葉の浸解[注 1]、曝気、および乾燥を行う事によって唯一かつ排他的に得られ、製造された茶(茶の定義は3.2章を参照)。—3.12 black tea, 3 Terms and definitions, ISO 20715:2023 Tea ? Classification of tea types

ISO 3103:2019 - Preparation of liquor for use in sensory tests」[7]や「ISO 3720:2011Black tea ? Definition and basic requirements」[8]でも「rolling or」の部分がない以外は同一の定義がなされている。
茶葉

紅茶は伝統的に中国で栽培されていたチャノキ(学名:Camellia sinensis (L.) Kuntze 基本変種)の葉から作られていたが、1823年インドアッサム地方で高木になる変種のアッサムチャ(学名:Camellia sinensis (L.) Kuntze var. assamica (J.W.Mast.) Kitam.)が発見され、以後はインドやスリランカなどではアッサムの生産が盛んになった。ただし、ダージリン等では基本変種の栽培も各地で行われており、また両者の交配も進んでいるため、産地のみでいずれの種類かを特定することはできない。アッサムチャは基本変種より渋みを示す成分が非常に多いといわれており、一般に、アッサムチャまたは交配種の方が安価である。

なお「クローナル」と呼ばれるものもあるが、これは株ごとに遺伝子が変化する実生栽培に対する、遺伝子の変化しない栄養繁殖によるクローン株を指す[9][10]。これは現代の主流な栽培法となっており、クローン株にはふつう栽培に適した特性を持つ株が選抜して用いられ、いくつかの株は育成茶園にちなんだ名称で品種登録されている。よく知られたクローナル品種としてはダージリンのAV2(Ambari Vegetative 2)、B157(Bannockburn 157)、P312(Phoobsering 312)がある。
生産スリランカ高地の紅茶プランテーション

最大の生産国はインドで、次いでスリランカ、さらにケニアトルコインドネシアと続く。中国は茶の生産全体ではインドとスリランカの間に入るが、緑茶と区別した統計がないため、詳細は不明である。

一般に、標高の高い冷涼な環境で栽培されるものには、香りの優れたものが多い。対して、強い日射の低地で栽培されたものは、味に優れ(ただし、比較的アクの強いものとなる)茶湯の水色の濃いものが多いとされる。ダージリン、ウバ、キーマンなどは前者に、ルフナ、アッサムは後者に入る。一般に前者のものが高価である。近年では強い渋味を好む中近東地域で低地産紅茶の消費が増えている。

スリランカでは製茶工場の標高により、1,219m (4,000ft) 以上のものをハイ・グロウン、610m (2,000ft) 以下のものをロウ・グロウン、その間のものをミディアム・グロウンと区別している。

収穫期によっても品質は変化する。

ダージリンティーの場合、一番茶の採れる3・4月には、香りの優れた緑がかったもの、続く5・6月には味・香りともに優れたものが採れる。7・8月の雨期には香りのない低品質のものとなる。9・10月に採れる秋茶は主にブレンド用とされる。

セイロンティーの場合、産地により最高品質の茶が採れる季節が異なる。例えば、ウバは7・8月、ディンブラは1・2月となる。
栽培と収穫
栽培

次の条件を満たす地域が茶樹の栽培に適するとされる。

熱帯あるいは亜熱帯に属する。

年平均気温13℃以上、年降水量1500ミリ以上である。

弱酸性土壌である。

土壌の排水性が良い。

収穫期に、乾燥した日内寒暖差の激しい日が続くと香気に優れた茶葉が得られるともといわれる。また、茶樹の栽培から茶葉の収穫にかけて人手がかかるため、安くて良質な労働力が求められることも重要である。

茶樹は、病虫害や気候の変動に比較的良く耐える植物であるが、良質な茶葉を生産するためには専門の管理士の指導の下、比較的人手のかかる作業を含む管理が必要である。
収穫

茶の収穫(茶摘みと呼ぶ)は、通常人手で行なう。通常などは使用しない。枝の先端の芽(「芯」と呼ぶ)と、その下二枚の葉までを摘む方法(一芯二葉摘みと呼ぶ)が理想とされるが、実際はもう一枚下の葉まで含めて摘む方法(一芯三葉摘み)が一般的になっている。高級茶葉の中には一芯一葉摘みもあり、チップを多く含んでいる。
加工

製造は以下の工程からなる。

生産(栽培、収穫) ⇒ 萎凋 ⇒ 揉捻 ⇒ 玉解 ⇒ 篩分 ⇒ 揉捻 ⇒ 発酵 ⇒ 乾燥(⇒ 抽出)

簡単に言ってしまうと、収穫した茶葉を放置し、しおれさせた後に揉み潰してまた放置、茶葉が褐色に変化したところで乾燥させる。という工程の並びになる。しおれさせる工程を萎凋、揉み潰す工程を揉捻、茶葉が褐色に変化するのを待つ工程を発酵と呼ぶ。

従来は、茶葉の形状を残し、針状にまとめたもの(リーフタイプと呼ぶ)が一般的であったが、近年では、揉捻の際茶葉を磨砕し細かくしたもの(ブロークンタイプと呼ぶ)が増えている。萎凋を浅くしたブロークンタイプのもの(CTCタイプと呼ぶ)や、萎凋前の茶葉を裁断して作るもの(レッグカットと呼ぶ)もある。


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