紅楼夢
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「紅楼夢」のその他の用法については「紅楼夢 (曖昧さ回避)」をご覧ください。

紅楼夢
Hong Lou Meng
徐宝篆の挿絵
著者曹雪芹
発行日18世紀中頃
ジャンル小説

言語中国語
形態文学作品

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紅楼夢(こうろうむ、繁体字: 紅樓夢; 簡体字: ?楼梦; ?音: Hong Lou Meng; ウェード式: Hung2 Lou2 Meng4)は、清朝中期乾隆帝の時代(18世紀中頃)に書かれた中国長篇章回式白話小説。原本の前80回はなお残っており、完本は114回に達しなかったと推定される。今流通している前80回が曹雪芹(そう・せつきん)の原文と言われる。胡適が後四十回は高鶚(こう・がく)の続作と主張しているが、現在は「無名氏」に変更されている。中国八十年代以降、『三国志演義』『水滸伝』『西遊記』と並べて『中国四大名著』と位置づけられ、『紅楼夢』はその首になった、現代中国でも紅楼夢賞・世界華文長編小説賞という文学賞が存在する。

石頭記(せきとうき・いしき)・金玉縁・情僧録・金陵十二釵・風月宝鑑といったタイトルもある。中国の源氏物語ともいわれている[1]
概要.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

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出典検索?: "紅楼夢" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2020年1月)

上流階級の賈氏一族の貴公子である賈宝玉(か・ほうぎょく)を主人公とし、繊細でプライドの高い美少女の林黛玉(りん・たいぎょく)、良妻賢母型の薛宝釵(せつ・ほうさ)の三角関係を軸に展開する(と言っても、いわゆる昼ドラのようなドロドロした三角関係が小説の中心ではない)。小説は上流階級の生活の細部を描き、主人公たちの交情を克明に記しながら進行する。清代末期から紅楼夢を専門に研究する学問を紅学といい、この言葉は現代でも使用される。毛沢東も愛読し、1950年代の中国で紅楼夢論争も戦わされた。現代中国でも非常に有名な小説であり、映画や演劇、テレビドラマ化されることが多い。

この小説の特徴はストーリー中心のロマンではなく、大貴族の深窓の令息令嬢の心理のひだが繊細に描きこまれていることにある。士大夫経世済民という表向きの世界ではなく、弱くて感じやすい「児女の情」をテーマとするといえる。『三国志演義』の「武」、『水滸伝』の「侠」に対して『紅楼夢』は「情」の文学であるとされる。その一方で、主人公たちは儒教道徳や官僚の腐敗、不正に対する痛烈な批判を口にしており、乾隆盛世と呼ばれた当時の社会に対する批判的色彩も帯びている。また、当時の上流階級の日常生活が登場人物400人を超える規模で細部まで克明に描かれており、文化史的にも価値があるとされる。男女の人情を描いた中国の長篇小説としては『金瓶梅』に次いで古いものであるが、恋愛模様がプラトニックに徹しており情感も洗練を極めている点において好対照の位置にある。また、主人公である賈宝玉と林黛玉以外にも様々なヒロインが登場し、男女の関係だけでなく、召使や侍女同士での地位や金銭による厳しい派閥争い、主従関係、主人と侍女といったような多くの関係性も描いている作品である。また、道教・仏教の思想も含まれている。
作者と成書背景

以下の文章の参考文献は[2]である。

『紅楼夢』の作者曹雪芹は、生活の巨大な変化を経験して、最後に鬱々として死んでいった人であった。彼の名は霑(てん)、字は夢阮(むげん)、号は雪芹(せつきん)、またの号は芹圃(きんぽ)、芹渓(きんけい)といった。生年は未詳、死んだ年は乾隆二十七年壬午年の除夜(西暦一七六三年二月十三日)、一説によると乾隆二十八年癸未の除夜とされ、ほぼ四十余歳の生涯であった。

曹雪芹の先祖はもともと漢人であったが、非常に早く満州籍に入り、漢軍正白旗人に所属した。彼の曾祖父曹璽から、父の曹?(曹寅の養子で、曹寅の弟の曹?の実子)の代まで、全部でほぼ六、七十年の久しきにわたって江寧織造(宮廷のために各種の御用物品を購入できる官職)を世襲した。そのうえ、曹璽の妻がかつて康熙皇帝の乳母をしたことがあり、また曹雪芹の祖父曹寅が康熙皇帝の「侍読」になったことがあった。だから曹家はそのとき、財力・権勢が天をおおう勢いの「百年の望族」となった。

曹雪芹は少年時代は、一時期、極めて富貴繁華な貴族生活を経験したことがある。しかし、父が任期中に欠損を出し、さらに皇室内部に権位争奪に巻き込まれて免職、家産没収の処分を受けた。彼は最後に非常に貧乏な日々を過ごした。

『紅楼夢』は、曹雪芹が貧乏暮しをしていた時期に書いたものである。書いていた過程では、また周囲の数人の友人の賞賛と激励を得た。『紅楼夢』が完成に近づこうとしたとき(前八十回はすでに基本的に定稿となっており、その後の部分がさらにいくらか書かれていたのだが、その当時すでに「紛失」していた)、曹雪芹は貧乏のために病気になっても治療ができず、そのうえただ一人の愛児が夭折し、非常に悲しんで、ついにある大晦日の晩に「涙尽きて逝った」[3]
あらすじ

以下にあらすじを摘記する[4][5]

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賈家・栄国府の次男である賈宝玉は、祖先の勲功によって代々高官を輩出する賈氏一族(皇室の姻戚でもある)の貴公子。賈宝玉は勉学を嫌うが、眉目秀麗なため祖母の史太君に溺愛されており、同居する美しい少女たちと豪邸で風流な生活を送っていた。彼は科挙に合格するも、現在の名声や富、政治や道徳などを受け入れずに批判し、拒否していた。一方、賈宝玉の父方の従妹である林黛玉は、母親の賈敏を亡くしたあと賈家へと身を寄せた。そこで賈宝玉は趣味の合う美少女、林黛玉と相思相愛の関係となるが、お互いの気持ちをうまく伝えられずに悩んでいた。

ある日、賈宝玉は夢の中で「太虚幻境」という天上世界(天地や万物の根源とされているまぼろしの境界)に迷いこんで、そこで『薄命司』を見つけるが、内容を理解できないまま目が覚めてしまった。そこには、少女たちに将来起こるであろう不幸が記載されていたのである。薛宝釵が豪邸に住み始めたことや、気になる夢のことなど、もともと病弱であった林黛玉は心が落ち着かなくなった。その後、父の危篤を知らされた林黛玉は、一度帰省することにした。しかし、それが一つの悲劇の始まりとなるのであった。
各回の名

以下に各回の名
[5]を挙げる。

第1回 甄士隠夢幻にて通霊玉を知るのこと 賈雨村風塵に閨秀思うのこと
科挙合格をめざす書生、賈雨村が登場。
第2回 賈夫人揚州城にて仙逝るのこと 冷子興栄国家を演説るのこと
賈雨村のせりふで賈家を紹介。賈政の末子、賈宝玉は玉を口にふくんで生まれ、女子と遊んでばかりだという。
第3回 賈雨村を縁に?って旧職に復すのこと 林黛玉父を抛して京都に進むのこと
賈宝玉の父方の従妹、林黛玉が登場。賈家に身をよせ、賈家の3人娘および宝玉と会う。
第4回 薄命の女偏に薄命の男に出会うのこと 葫蘆の僧乱に葫蘆の判決を下すのこと
宝玉の母方の薛家も賈家に身をよせる。宝玉の従姉が薛宝釵。
第5回 幻境に遊びて迷いを十二釵に指すのこと 仙酒を酌みて紅楼夢の曲を聞くのこと
宝玉の夢。この物語が「紅楼夢」と呼ばれるようになった、12人の美女の運命。
第6回 賈宝玉初めて雲雨の情を試みるのこと 劉姥姥一たび栄国府に進むのこと
宝玉が目覚めると夢精していた。それが侍女の襲人にばれ、2人は肉体関係をもつ。
第7回 宮花を送って賈l熙鳳に戯るのこと 寧国府の宴にて宝玉秦鐘に会うのこと
賈家の3人娘、迎春は宝玉の従姉、探春は宝玉の異母妹、惜春はやや遠い同族妹。
第8回 通霊に比し金鶯少しく意を露わすのこと 宝釵を探り黛玉なかば酸を含むのこと
宝玉は薛宝釵の病気をお見舞い。宝玉の通霊宝玉と、宝釵の首飾りの字が対句になっていた。
第9回 風流を恋い情友家塾に入るのこと 嫌疑を起こし頑童学童を鬧がすのこと
宝玉が入塾。宝玉と親戚の秦鐘は仲良し。
第10回 金寡婦利を貪って辱を受くるのこと 張太医病の細かきを論じて源を窮むるのこと
秦鐘の姉の秦可卿が病気。
第11回 寿辰を慶ぎて寧府家宴を排べるのこと 熙鳳を見て賈瑞淫心を起すのこと
賈家の若主人賈lの妻、王熙鳳と宝玉が、秦可卿をお見舞い。
第12回 王熙鳳毒もて相思の局を設くるのこと 賈天祥正に風月の鑑に照らすのこと
王熙鳳に、親戚の賈瑞が懸想。賈瑞は道士から借りた鏡で、精を出し尽くして死ぬ。


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