約束の地 大統領回顧録 I
A Promised Land
著者バラク・オバマ
訳者山田文
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『約束の地 大統領回顧録 T』(やくそくのち だいとうりょうかいころく いち、A Promised Land)は、2009年から2017年にかけて第44代アメリカ合衆国大統領を務めたバラク・オバマによる回想録である。2020年11月17日に出版された本書は全2部と構想されているシリーズの第1部である。政治家としてのキャリアに焦点に当てたこの大統領回想録はオバマの生い立ち(英語版)から2011年5月のウサーマ・ビン・ラーディン殺害に至るまでの半生が記録されている。原書は768ページに及び、デジタル版、ペーパーバック版、ハードカバー版が発売され、20カ国語に翻訳されている。オバマ自身が朗読する29時間のオーディオブック版も発売されている。
本書は多くの反響を受け、『ニューヨーク・タイムズ』、『ワシントン・ポスト』、『ガーディアン』の年末のベストに選ばれている。商業的にも成功を収めており、2021年2月7日時点での『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラーリストのノンフィクション部門で10週連続で入った[1]。本書は発売前から非常に期待されており、『ニューヨーク・タイムズ』はその2ヶ月前の段階で同年のトップセラーになることが「事実上確実」であると報じていた[2]。 バラク・オバマは本書以前には1995年にタイムズ・ブックス
背景
『約束の地』は2018年11月13日にクラウンより出版されたファーストレディーのミシェル・オバマの回想録『マイ・ストーリー』の2年後に発売された[4][5]。本書は全2巻と構想されているシリーズの第1巻である[6]。ハリー・S・トルーマン以降の大統領のうち、ジョン・F・ケネディ(任期途中で死去)とジョージ・H・W・ブッシュ以外全員が長編回想録を発表しており、オバマのものは比較的長い3年以上の執筆期間を要した[7]。退任から回想録出版までの期間が最も長かった大統領はリチャード・ニクソンである。オバマは『約束の地』が700ページの回想録となったことを引き合いに出し、当初は「500ページの回想録を1年で書き終える」つもりだったと明かしている[7]。 オバマは本書の出版発表後のツイートで「私の大統領職務、国家として我々が立ち向かっている力、そして分断を修復し、民主主義を全ての人々のために機能させるにはどうすればよいのかについて正直に説明すること」が目的であると述べた[8][9]。 この回想録はオバマの政治生活に焦点を当てつつ彼の生い立ちから始まり、最初の選挙運動の詳細、大統領としての1期目の大部分に及んでいる[6]。本書は2011年5月のウサーマ・ビン・ラーディンの殺害にまつわる出来事で締めくくられ[10][11]、オバマと作戦を実行したNavy SEALsとの会談で終わっている[6]。本書は政治に焦点が当たっているが、原書の最初の200ページはシカゴ時代までのオバマの半生とキャリアに費やされている[12]。 1980年代に大学生だったオバマは恋人になりそうな相手に好印象を与えるためにカール・マルクス、ミシェル・フーコー、ヘルベルト・マルクーゼを読んでいたことを明かしている。オバマは「恥ずかしいことに大学での最初の2年間で私が抱いていた知的好奇心と、私がお近づきになりたいと思っていた女性たちへの興味とは、ほぼ同じレベルだった」と振り返った[13][14]。オバマは大学時代の読書について、「女の子をナンパするために偽の知性をまとってみたものの、戦略としてはほぼ失敗だった」と評価した[15][14]。 オバマはその前半生と大統領職を通して出会った多くのスタッフや他の政治家たちに好意的な描写をしている[6][16]。チママンダ・ンゴズィ・アディーチェは『ニューヨーク・タイムズ』紙上の書評で、オバマの「1期目の側近に対する愛情」は「感動的」であり、その他の人々についての記述は「人々を英雄にしている」と指摘している[6]。本書では、DREAM法案
内容
概略
ハイライト
大学時代
他の政治家の評価
オバマは他の世界各国の指導者についても論じており、例を挙げるとウラジーミル・プーチンの「わざとらしいほどの男らしさ」のイメージは「10代のインスタグラムユーザーまでも視野に入れ」たものであると述べた[16][18]。