ペグ(糸巻、転手)は、ギターやヴァイオリンなどの弦楽器で使用される部品。弦を楽器に固定して張力(テンション)を保つ役目を持つ。また駒と反対側に備えられ、弦を巻き取りながら調律することができる。チューナーとも呼ばれる。 原始的なペグで、ヴァイオリン属や琵琶ほか古来からの伝統的な楽器で使用されている。これは木と木の摩擦で弦の張力を保つ仕組みになっており、精密に調整しない限り弦の張力に負けて調律が狂いやすい。しかし木から木へ伝わる音色は今でも好まれ、現在でも使用され続けている。 ウォームギヤを使用したペグで、コントラバスのように強い張力を持つ楽器にも使用に耐える構造になっている。 クルーソン 1950年代にグローバー[要曖昧さ回避]社が開発したチューナー。「クローズドギア」とも呼ばれている。ダイカスト製のハウジングの中にギアとウォームを組み込んだ構造になっており、クルーソンと違い、密閉されている。また、トルク調整ができるように、ペグボタン上部にビスが取り付けてある。ウォームは鉄製で、クルーソンよりも丈夫である。一般的にクルーソン・タイプより精度が高いが重いため、交換するとサウンドに僅かながら影響を及ぼす。取り付けにはペグポストの根元に螺旋が切ってあり、差し込んだあとにナットで留め、裏側はビスで留める2重の構造。 スパーゼル ポール・リード・スミス社独自開発のペグ。トリムロックの構造に対し、こちらはペグ上部にネジがついており締め込むことで弦が固定される。 後藤ガット社によって開発されたロック式ペグ。他のロック式のようにネジで弦を固定するのではなく、弦の張力によって弦を固定するのが特徴。他のものに比べて構造が単純であるため、クルーソン・タイプのペグにもこの技術を使用できる。 後藤ガット社によって開発された軸高を設定出来るペグ。正式名称は「Height Adjustable Post」。ナットにかかる弦の張力を各弦ごとに適正なテンションに調節でき、理想的な弦振動を得ることができる世界初のシステム。演奏時におけるサスティーンやアタック音も向上するとともに、奏者に合ったテンションコントロールができる。これを応用したアコースティックギターやレスポールなどのアングルド・ヘッドに特化した「H.A.P.-A」、上記のマグナムロックの機能を合わせ持った「H.A.P.-M」などもある。
フリクション・ペグ
ギアード・ペグオープン・ギア型のペグクローズド・ギア型のペグ
ギターのペグ
ノーマル式ペグ
クルーソン・タイプ
ロトマチック・タイプ
ロック式ペグ
トリムロック
ロッキング・チューナー
マグナムロック
その他のペグ
H.A.P.
関連項目
弦楽器
ギター関連用語一覧
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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