この項目では、主として妄想や幻覚を症状としてもつ状態について説明しています。広く精神的な障害の全般については「精神障害」をご覧ください。
「精神病質」とは異なります。
精神病
概要
診療科精神科
分類および外部参照情報
ICD-10F20
精神病(せいしんびょう、英: Psychosis、サイコシス)とは、妄想や幻覚を特徴とした症状である[2][3][注釈 1]。厳密には、現実検討ができない症状である(妄想や幻覚だと当人が分からない)[3]。こうした症状は、統合失調症の症状であったり、また他が原因として症状を呈している場合には、精神病性障害 (psychotic disorder) とも呼ばれる。以上が現行の医学的な用法である。健康な人でも生涯において5.8%が精神病体験をしている[5]。
伝統的な分類では、精神病 (psychoses) と神経症 (neuroses) とに分類されてきたが、このような旧来の分類は不正確な診断をもたらし、より正確な診断を行うために分類が発達してきた[6]。この意味では、精神病とは様々な精神障害の総称であり、一般的には神経症と対比し、より重い症状を意味する[7]。それは主に内因性の精神障害を指し、統合失調症や双極性障害などが含まれる[8]。また他には口語的に広く精神の病的な状態を表す用語として、この精神病の語が使われることがある。これについては、現行の医学的な定義である精神障害を参照。 精神病とは、精神的な病気全般を表すmental diseaseやmental illnessの口語的な訳である。現行の医学的な定義では、精神障害のことである。 他に医学的定義を挙げる。 1世紀ほど前に研究された精神病理学 (psychopathology) に発端がある。 精神病という名称は1835年にジェームス・プリチャード
定義
精神病理学における精神的な病気全般
カール・ヤスパースは、てんかんを加えた3つを「大精神病」と呼び、「精神障害を伴う既知の身体疾患」「精神病質」とともに精神疾患のカテゴリーとした。
クルト・シュナイダーは、精神疾患一般を精神病と呼んだ。
伝統的な分類であり、神経症 (neuroses) と精神病 (psychoses) 分類である[6]。神経症が、不安といった不適応行動が特徴で、入院するほどでもない場合が多い[6]。精神病は、より重篤な状態であり、行動や思考の障害が激しい[6]。しかしながら、このような旧来の分類は不正確な診断をもたらし、次に述べるICD-10やDSM-IVによる厳密な区別によって、より正確に診断できるようになった[6]。この流れは、クレペリンによる分類を基礎とした流れでもある[10]。
現行の診断基準における妄想や幻覚の症状「精神障害の診断と統計マニュアル#歴史」も参照
精神病の現在的な定義は、厳密には当人に現実検討ができない幻覚や妄想である[3]。