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出典検索?: "臨床検査"
臨床検査(りんしょうけんさ)とは、広義には、傷病や健康状態を評価するための医学的検査(英語: medical test)全般をさす場合もあるが、通常は、検体検査と生理検査(生理学的検査)を意味する[1][2][3]。検体検査とは人体から排出(尿・便など)または採取された物(血液など)の検査である[4]。生理検査とは、人体について行う検査(生体検査)のうち、通常、呼吸機能検査、循環機能検査、神経生理検査、超音波検査、などをさす[1][4][5][※ 1]。(なお、海外では臨床検査(英語: clinical laboratory tests, lab tests)は検体検査のみを意味することが多い[6][※ 2]。) 症候学では補助診断(ほじょしんだん)と呼ぶこともあり、これは問診と一般診察こそが病態把握に最も重要であるとの考え方に基づくものである。一方、糖尿病の長期コントロールなどのように検査値が最も大きな意味を持っている場合もあり、一概に診察が検査に勝ると言えるわけではない。また、生活習慣病を自覚症状のない間に発見し早期治療を行うためにも重要である。 しかし、患者からすると受けるとなると検査の費用を負担せねばならず、また項目によっては、患者の健康を害する(侵襲がある)場合がある。そのため一旦、冷静に検査の真の必要性、リスク、コストを勘案して、検査の適応、受けるべきか、それとも止めておくべきか、を判断する必要がある。 臨床検査で診断を行う場合には、臨床検査によってその患者が実際に傷病である確率を高めたり低めたりする。確率の推定にはベイズ推定を用いる。ベイズ推定における事前確率は、臨床検査の場合は検査前確率と言い、ベイズ推定における事後確率は、臨床検査の場合は検査後確率と言う。また、疑っている傷病である人が検査で陽性と出る確率を感度と言い、疑っている傷病でない人が検査で陰性と出る確率は特異度と言う。受信者操作特性参照。 検査前確率は、臨床検査の場合は有病率として調査しておき、感度や特異度は各検査毎に研究しておくことで、検査後確率を推定できる。 病気の有無や診断を目的に行われる検査が臨床検査である。問診(医療面接)や視診・聴診・打診・バイタルサイン(体温・脈拍・血圧・呼吸数など)・身長体重測定・腹囲計測なども広い意味では検査ではあるが、一般的には検体検査・生体検査 健康診断、学校検診、職場検診、医療機関での検査、病気かどうかを調べる検査、病名を決めるための検査、病気の程度を調べる検査、治療方法を決定するための検査、治療効果や再発を調べるための検査などさまざまな検査が含まれる。 なお、医療機関での臨床検査には、臨床検査室で実施するものと、診療現場で実施するもの(POCT[※ 3])とがある。 保険医療機関等では医療費の内容の分かる領収証が発行される。領収証の検査の欄には診療報酬で定義された臨床検査の点数が表示されている。医科診療報酬では検体検査料、生体検査料、診断穿刺・検体採取料、薬剤料 検体検査には尿・糞便検査、血液学的検査、生化学検査、免疫学的検査、微生物学的検査等が含まれている。
位置づけ
原理
例:エイズの疑いでヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の迅速診断キットを用いて感染の有無を調べる場合。患者の症状などから予想されるHIV感染症の有病率を検査前確率として、HIV感染症迅速診断キットの感度や特異度を研究しておく。
HIV感染症疑いの人が100人居たとして、その内実際にHIV感染症の人が80人居たとすると、検査前確率は80%となる。ここで、HIV感染症迅速診断キットの感度が90%だとすると、HIV感染症患者80人中で検査が陽性になる人は(80×0.9=)72人であり、HIV感染症患者80人中で検査が陰性になる人は(80×0.1=)8人となる。一方、HIV感染症迅速診断キットの特異度が70%だとすると、HIV感染でない20人中で検査が陰性になる人は(20×0.7=)14人であり、HIV感染でない20人中で検査が陽性になる人は(20×0.3=)6人となる。すると、検査で陽性となるのは(72+6=)78人であり、その内実際にHIV感染症である患者は72人となる。従って、検査後確率は72÷78で92%になる。
臨床検査の分類
診療報酬における検査