この項目では、米を中心としたイネ科の穀物を炊いた食品について説明しています。
食事全般については「食事」をご覧ください。
新潟県中魚沼郡の食品メーカーについては「ごはん (食品メーカー)」をご覧ください。
2017年公開の日本映画については「ごはん (映画)」をご覧ください。
米飯
飯(めし)は、イネ科の穀物全般、とくに米へ水を加えて煮たり蒸したりして炊(焚)いた食品。 「めし」は、「食ふ(食う)」の敬語のうち尊敬語である「召す」に由来する[1]。日本語に継続的に生じている「敬語のインフレーション」(初めは尊敬を込めた表現でも、長く使っているとありがたみが薄れて普通またはそれ以下の表現になる) 加熱しないままの生米に含まれる結晶デンプンをβデンプンといい、糖が鎖状に繋がる巨大分子である。人は生米をほとんど消化できず、食べてもうまみを感じない。ところが水を加えて加熱することによりβデンプン分子中のいくつかの水素結合が外れて網状になって水分を取り込み粘性を伴って膨張する。これを糊化(こか、またはアルファ化)といい、糊化したデンプンをαデンプンという。炊飯はこの加水と加熱を行う調理法であり、分子が小さくなったαデンプンは消化や吸収が良くなり、単離された糖により飯にはうまみを感じるようになる。この糊化したデンプンを使い、一部には接着剤としての糊(のり)に利用することがある[注 1]。 室温以下で保存すると、冷めて冷やご飯となるが、時間の経過と共にαデンプンがβデンプンに戻っていき(デンプンの老化)、硬くなる。消化が悪くなり、味も劣化する[2]。温め直せばα化する(焼いて作られた食パンをトーストすることに相当する)。 食事を指す場合には、飯を伴わない食事にも用いられる。 なお、αデンプンをすばやく乾燥させることにより飯をβデンプンに戻さずに#保存食とすることが古くから行われていた。現在ではアルファ化米としてインスタント食品にも利用されている。これは凍結乾燥によっても同じ効果があり、冷凍食品として利用される。 カロリーや糖質の摂取量を抑えることなどを目的として、上記のような穀物を減らすか、まったく使わずに飯に近い食感や食べ応えを味わえるようにした市販食品や家庭料理も存在する。 代用品となるのはおから、しらたき、鶏肉の挽肉、カリフラワー、ブロッコリー、キャベツの芯などである[3]。
概要
種類
米飯
米、麦、キビ亜科穀物全般を炊いたものを飯と呼ぶが、特に米であることを明確にする場合は、「米飯」(べいはん)、「飯米」(はんまい)や「米の飯」と言う。玄米、白米とも用いられる。白米の飯は白く、銀しゃりとも呼ばれる。白米の飯は、デンプンの割合が多いほど粘りがある。玄米はデンプン以外の栄養成分を多く含む。通常はうるち米を用いる。もち米を用いることもあるが、これは「おこわ」という。
かて飯
米にほかの食品を混ぜて炊いた飯[1]。
麦飯
麦だけ、または、麦と米を炊いた飯[1]。普通は大麦である。
雑穀飯
米以外の穀物(麦を含める場合と含めない場合とがある)を雑穀とし、これらを炊いた飯、あるいは、米と混ぜて炊いた飯を雑穀飯と呼ぶ。粟や稗などが利用される。米と麦に対して食物アレルギーのため、雑穀飯を食べることもある。米と混ぜ、あるいは単独で飯として炊いて食される雑穀は、主にキビ亜科である。またソバ、ハトムギ、キヌア、アマランサスも米と混ぜて飯として食される場合があるが、単独で飯として炊かれない。トウモロコシも飯として炊かれることもある。
炊き込みご飯
魚介類や食肉、野菜などを加え、調味し炊いた飯を、「炊き込みご飯」「加薬飯(加薬ご飯)」「五目飯(五目御飯)」などと言う[1]。豆は広義の穀物とされ、「豆ご飯」として、炊き込みご飯の1つとされる。
混ぜご飯
炊いた飯に、調味した食肉や野菜などを混ぜたもの[1]。
おこわ
もち米を、主に蒸して炊いた飯を「おこわ」、「強飯(こわめし)」、「蒸飯(むしめし)」などとよぶ。もち米以外の食品を加えることもある。アズキまたはササゲを加えた場合は「赤飯」、「赤の飯(あかのまんま)」などとよび、祝賀に用いる。法要などにはアズキ等を加えず白いまま、あるいは黒豆を加えたおこわを用いる。[1]また、特に加えた食品の名を頭につけて、山菜おこわ、栗おこわ、等と呼ぶ。
穀物の代用品による「飯」