節口綱
生息年代: Tremadocian?0 Pre??OSDCPTJKPgN
ミナミカブトガニ(カブトガニ、左)とユーリプテルス(ウミサソリ、右)
地質時代
オルドビス紀(トレマドッグ期) - 現世[1][注釈 1]
分類
節口綱(せっこうこう)、腿口綱(たいこうこう)、またはメロストマ綱[3](学名: Merostomata)は、鋏角類に属する節足動物の分類群(綱)の1つ。構成種は節口類・腿口類[3](merostome[4])と総称される。カブトガニ類・ウミサソリ類などが含まれ、縁辺部が広げた背甲を特徴とする[5]。
現生では4種のカブトガニ類のみを含むが、化石は300種を超えるほど多く知られる[1]。主に古生代の堆積累層から見つかり、知られる確定的な最古記録は少なくとも約4億8,000万年前のオルドビス紀早期まで遡る[1][注釈 1]。 学名「Merostomata」はギリシャ語の「meros」(太もも)と「stoma」(口)の合成語。これは本群において、脚の基部が口器(顎基)に特化し、口がその間にあるように見えることに因んでいる[6]。 1852年、「Merostomata」はジェームズ・デーナ(James Dwight Dana
名称
用法
しかし20世紀後期以降では、本群の単系統性が一般に否定され、ウミサソリ類はカブトガニ類よりもクモガタ類に近縁という説が主流となっている[5]。このような節口類に対しては、クモガタ類を除いた側系統群とする・節口類を破棄する[7]・カブトガニ類のみを含む Merostomata Dana, 1852 をカブトガニ類 Xiphosura のジュニアシノニム(無効の異名)とする[8]など、様々な意見を与えられる。なお、2010年代以降でもこの分類群の単系統性を支持する研究結果はわずかにあり[5][2]、便宜上の総称として採用し続ける場合もある[9]。
本項目では一般的な用法の節口類、すなわちカブトガニ類やウミサソリ類などを含む Merostomata sensu Woodward, 1866 について扱う。
形態ウミサソリ類の構造
カブトガニ類の前体(A)、後体(B)、尾節(C)、中眼(1)と側眼(4)
カブトガニ類の腹面構造[注釈 2]
数cmしか及ばない小型種もあるが、節口類は大型の節足動物を中心とするグループである[10]。現生のカブトガニ類だけでも最大数十cm、絶滅群まで範囲を広げるとウミサソリ類は1m前後の種類が多く、2.5m以上と推測され、発見史上最大級の節足動物として知られるものもある[11]。
数多くの体節は前体と後体という2つの合体節にまとめられ[12]、付属肢(関節肢)は全て体の腹面で覆われる。他の鋏角類(ウミグモ類とクモガタ類)との主な相違点は、縁辺部が出張った背甲・顎基のある脚・可動な蓋板をもつことが挙げられる[5][12]。
前体ユーリプテルス(ウミサソリ類)の前体サソリ(左、クモガタ類)とカブトガニ類(右)の前体付属肢比較図(I:鋏角、II:触肢、III-VI:脚)
カブトガニ類の前体の横断面図
カスマタスピス類(左)とウミサソリ類(右)の第5脚
前体(prosoma)は先節と第1-6体節の融合でできている合体節で、便宜的に「頭胸部」(cephalothorax)ともいうが、合体節的には頭部そのものに該当する[8]。背面は1枚の背甲(carapace または prosomal dorsal shield[12])に覆われ、これは他の鋏角類よりも発達で、縁辺部が付属肢を覆い被さるほど出張っている[5]。通常、背甲の背面には複眼である側眼(lateral eye)と、単眼である中眼(median eye)をそれぞれ1対もつ。