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「チョップスティックス」はこの項目へ転送されています。チョップスティックスのその他の用法については「チョップスティック (曖昧さ回避)」をご覧ください。
.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}この項目に含まれる文字「箸」は、オペレーティングシステムブラウザなどの環境により表示が異なります。この項目には、一部のコンピュータや閲覧ソフトで表示できない文字が含まれています(詳細)。箸(上にのっている二本の棒が箸、下は箸置き)

箸(はし)またはチョップスティックス(: chopsticks、: Stabchen)とは、二本一対になった棒状のものを片手で持つ食器のことであり、食べ物を挟んで移動させることが出来る。古代の中国に発祥され、今は東アジア地域を中心に広く用いられている。
主な特徴

箸は、材質や形状などに様々なバリエーションがあるが、同じ長さの2本の棒状のものが1組になっている点はほぼ全ての箸に共通している。多くの場合、模様や装飾の類も左右対称または合わせて一つの模様になるよう2本に同じ物が施されている。

また、箸には通常「先」がある。基本的に棒のどちらか一端のみが食べ物に接触することが前提となっている。これは棒の一端が細くなっていること、装飾などがないこと、などによって見分けられる。ただし、祝箸の様に先が両端に存在する物もある。

多くの場合、などの器にある料理を掴んで別の皿や自分の口に持って行くために用いられ、食器の一種に位置づけられる。材質には各種の金属プラスチック象牙などがあり、中を傷つけないように尖った部分を削るか、などで覆われている。
各国の食法と箸上から、中国本土・台湾・チベット・ベトナム(越南)・朝鮮半島匙箸・日本夫婦箸・日本の子供用箸・日本の割り箸

中国・台湾・朝鮮半島・ベトナムでは「箸を主に使い、レンゲで補助する」という形をとる一方、日本では「箸のみ」が使われている。日本の箸は澄まし汁味噌汁といった汁物にも使うため、椀を手に持って口に運ぶのも日本だけであるとされる[1]

日本中国韓国北朝鮮台湾シンガポールベトナムタイラオスカンボジアモンゴルなどで日常的に使われてきた。このうちタイとカンボジアとラオスでは、汁に入った麺類を食べるときだけ、箸とレンゲを使う。その他の料理にはスプーンとフォークを用いるが、蒸したもち米をちぎり、手で丸めて食べる「カオ・ニャオ」が好まれる地域では手も使う。椀に口を付けず麺も啜らないベトナムでは、粥や汁物はスプーン(もしくはレンゲ)のみ、麺類は箸とレンゲ、一般的な食事には箸とスプーンを用いる(汁物が全くなければ箸のみの場合もある)。日本料理中華料理の世界的な普及により、欧米諸国でも、箸を使える人は少なくない。

世界の約3割の人が箸で、4割がで、残り3割がナイフフォークスプーンで食事をしているとの統計があり、これは、食物の違いや調理法に起因するとする見方がある[2]。全体的に見ると「粘り強い白米・炒め物・魚・鍋料理をよく食べる地域では箸、肉・野菜・スープをセットで食べる地域ではナイフ・フォーク・スプーン、麺料理をほとんど食べない地域では手」のように分かれている。また、はさむ食材が多い料理には箸を、突く・乗せる食材が多い料理にはフォークを使う食法が発展したとする。
日本会席膳に載せられた箸と箸置き(首相主催の晩餐会にて)

日本において、食事に用いられる箸の典型は、短い木に漆・合成樹脂を塗ったもので、塗り箸と呼ばれる。漆を塗り重ねた箸には独特の光沢があり慶事などに用いられる。一方、木目の美しさを出すために表面に漆などによる塗りを施さない箸もある。日本の箸は、片端のみ、先が細くなっているものが多い。日本の箸の先が細くなっているのは、付きのを食べる際、骨と身をより分けやすくするためである。例外として、祝箸は両端ともに端に向かって細くなっている。また、塗りを施していない箸には木目の美しさを強調するために後端を片面に向かって鋭角に切り落とす「天削げ」と呼ばれる加工を施したものがあり、近年では塗り箸にも装飾のために天削げの加工を施したものがある。

日本の箸は、塗り箸など木製が古くから主流であり、次いで竹製が使われる。現代では子供用や一部の食堂などでプラスチック製もよく使われる。塗り箸の主なものに、若狭塗輪島塗があり、その他に津軽塗会津塗秀衡塗、江戸塗、鎌倉塗、村上堆朱塗、木曾塗、飛騨春慶塗、籃胎塗などがある[3]。この他にも種々の民芸箸、創作箸があり、日本各地の神社仏閣でも夫婦箸や長寿箸といった各種の授与箸が配布されている[4]

また、割れ目の入った細長い木片または竹片を縦に2つに割ることで箸になる割り箸もある。これは使い捨て用の安価な箸として、店舗などで販売される弁当や一部の食堂などで提供される。森林の乱伐につながると問題視する意見もある一方、材木として役に立たない木片や間伐材を使っているため森林保全に役立っているとする意見もある。

食事用の箸を数える助数詞日本語では「膳」である。二本一組で一膳や一双と数える。食事以外に使用する箸の助数詞は組・揃え・具などが使われる[5]真名箸と包丁刀を使って鯉をさばく包丁師。『七十一番職人歌合』 五十七番「包丁師」より (1500年頃)

調理専用の箸には、菜箸や真魚箸があり、食事用の箸より長く、約30cmから40cmの長さがある。盛り箸という名前でも知られる真魚箸(真名箸、魚箸、生膾箸(まなばし)、爼(なな)箸などとも)は平安時代には登場した。鳥や魚を割いたり切ったりするときの補助や盛り付けに使われる箸で、当時は主人が竹を削って作っていたが[6]、現代ではアイスピック状の金属製チップに木などの握りを取り付けた物が多い。鳥や魚など生臭ものには真魚箸を、野菜には菜箸を使って香り移りを防ぐ[1]。真魚箸と包丁を使って調理する「包丁師」は七十一番職人歌合絵巻でも見られ、現在でも四条流・包丁式などが神社で奉納されている[7][8][9]

取り箸は、自分が使っている箸で共用の皿から料理をとること(直箸)を嫌う日本で使われる取り分け用の箸のこと。特に懐石料理では青竹製の専用のものがよく用いられ、預け鉢には天節(止節)、焼き物には中節、八寸には両細(両口箸)で生臭ものと野菜をそれぞれの端で使い分けながら取り分ける[6]
アイヌの箸神事に用いる箸のうち、イクパスイ(捧酒箸)・キケウ?パスイ(削りかけつき捧酒箸)については「イクパスイ」を参照

アイヌの人々が日常使用している箸は「パスイ(pasuy)」あるいは「イペパスイ(ipe-pasuy)」と呼ばれ、和人のものと同様で、箸の周囲に彫刻や頭部に鎖を彫りつけたものもある[10]。また死者にも新品を副葬品として持たせる[11]。特に、オンコ(イチイ)から作った箸の頭部に小刀(マキリ)で鈴状の飾りを掘り出した箸は「トゥムシコヮパスイ」「ドムシコッパスイ」と呼ばれ、子どもが1歳になったときのお祝いに与えられる。使っているうちにこの箸を壊すことは元気に育っている証拠とされる[11]

この他に、酒を用いる神事でカムイ(神)に酒を捧げるために用いられるへら状の一本箸「イクパスイ(iku-pasuy:捧酒箸)」、これに削り装飾が施されイオマンテなど重要な儀礼で使用される「キケウ?パスイ(kike-us-pasuy:削りかけつき捧酒箸)」や、神が食べるのに用いる削り装飾が施された二本箸である「カムイイペパスイ(kamuy ipe pasuy)」、「マラプトパスイ(marapto pasuy客人である神の箸)」などの神用箸がある[11][12][13][14]
沖縄の箸詳細は「赤黄箸」を参照


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