筑豊三都
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筑豊(ちくほう)は、福岡県の4地域(福岡地方北九州地方筑後地方・筑豊地方)の一つで、その内陸部(中央部)をさす地域名である。広義では遠賀郡京築地域を含む場合がある。


目次

1 概要

2 構成自治体

3 都市圏

3.1 都市雇用圏(10% 通勤圏)


4 歴史

5 過疎地域

6 筑豊地方内の地域について

6.1 人口・面積


7 筑豊五地区

8 筑豊を舞台・テーマにした作品

9 関連項目


概要

地名の由来は筑前国豊前国の頭文字をとったものであり、明治時代以降、石炭資源を背景にして新しく生まれた地域区分である。筑豊の中核都市に成長した飯塚市直方市田川市の3都市を筑豊三都と呼ぶ。このうち、飯塚市は飯塚都市圏、田川市は田川都市圏の中心都市である。

かつては筑豊炭田から産出される石炭をもとにした鉱工業によって栄えていたが、のちに全ての炭鉱が閉山し、1960年代と比較して人口が半分以下に落ち込んだ自治体もある。北部九州地区には筑豊地域以外にも炭田地帯が広がっており、小規模炭鉱も含めると宗像市北九州市中間市遠賀郡糟屋郡福岡市にも炭鉱が存在した。このうち中間市は北九州都市圏に属し、現在は北九州市のベッドタウンとして位置づけられているが、旧産炭地として筑豊と同じ歴史的・経済的背景を持つ。

人口減少や少子高齢化の進行に伴う自治体の財政難も顕著である。福岡市福岡都市圏)や北九州市(北九州都市圏)との交通アクセスが比較的良好である飯塚市や直方市など、ベッドタウンとして人口が増加傾向にあった地域もあったが、これも頭打ちとなり、再び全ての自治体の人口が減少に転じている。
構成自治体

福岡県の定義では以下の通りである。この定義は、気象情報で使われる「筑豊地方」の細分区域、および、自動車等に交付される「筑豊」ナンバーの適用範囲と同一である。なお、1970年(昭和45年)頃までは中間市、遠賀郡も含んでいた。

飯塚市

嘉麻市

嘉穂郡

鞍手郡

田川市

田川郡

直方市

宮若市

都市圏
都市雇用圏(10% 通勤圏)

金本良嗣・徳岡一幸によって提案された都市圏。細かい定義等は都市雇用圏に則する。
通勤率

2015年国勢調査による、各自治体の飯塚市への通勤率

順位市町村通勤率
1桂川町35.2%
2嘉麻市27.7%
3小竹町22.1%

2015年国勢調査による、各自治体の田川市への通勤率

順位市町村通勤率
1糸田町28.3%
2大任町24.2%
3川崎町23.9%
4香春町23.4%
5添田町19.6%
6赤村18.3%
7福智町16.3%

都市雇用圏(10% 通勤圏)の変遷


10% 通勤圏に入っていない自治体は、各統計年の欄で灰色かつ「-」で示す

自治体
('80)1980年1990年1995年2000年2005年2010年2015年自治体
(現在)
若宮町---北九州 都市圏北九州 都市圏北九州 都市圏-宮若市
宮田町北九州 都市圏北九州 都市圏北九州 都市圏
直方市北九州 都市圏直方市
鞍手町鞍手町
小竹町飯塚 都市圏
21万7059人飯塚 都市圏
21万6174人飯塚 都市圏
20万9400人飯塚 都市圏
20万3074人飯塚 都市圏
19万6546人飯塚 都市圏
18万9195人小竹町
飯塚市飯塚 都市圏
18万8420人飯塚市
頴田町
庄内町
穂波町
筑穂町
桂川町桂川町
碓井町嘉麻市
嘉穂町
稲築町
山田市-
田川市田川 都市圏
15万2085人田川 都市圏
14万7778人田川 都市圏
14万3289人田川 都市圏
13万6431人田川 都市圏
13万1144人田川 都市圏
13万4548人田川 都市圏
12万6104人田川市
香春町香春町
添田町添田町
糸田町糸田町
川崎町川崎町
大任町大任町
赤村赤村
金田町福智町
方城町
赤池町北九州 都市圏北九州 都市圏北九州 都市圏北九州 都市圏北九州 都市圏


2006年3月6日:田川郡赤池町金田町方城町が新設合併して福智町が発足。

2006年3月26日:(旧)飯塚市頴田町庄内町穂波町筑穂町が合併して(新)飯塚市となった。

2006年3月27日山田市嘉穂町碓井町稲築町が対等合併して嘉麻市となった。

歴史

江戸時代以前は嘉麻郡穂波郡(嘉麻郡と穂波郡は現在の嘉穂郡に相当)と鞍手郡が筑前国に属し、田川郡が豊前国に属しており、経済的な独立性はなかった。しかし明治時代に入り、殖産興業政策が実施される中、地域内で産出される石炭資源に注目した財閥資本家が炭鉱開発を推進したことで、経済圏として独立を果たした。また、工業資源としての石炭の利用価値ならびに積出港(若松港苅田港など)との関係から、工業都市として発展した北九州地区と強い結びつきを持つことになる。

鉱工業は1960年代頃まで繁栄し続けたが、1970年代に入るとエネルギー革命とともに炭坑群の淘汰が進み、1976年(昭和51年)には筑豊最後の炭鉱であった貝島炭礦(旧宮田町、現宮若市)が閉山した。石炭産業の消滅後は北九州地区に近い地の利を活かして炭鉱跡地に工業団地を造成し、製造業の進出を促しているが、1992年(平成4年)にトヨタ自動車九州を誘致した宮若市を除き、依然として鉱工業に代わる主要産業が形成できていない。

筑豊炭田炭鉱は重労働であったこと、飯塚市長崎街道の宿場町であること、直方市が交通の要所であったことなどから、菓子の製造販売がこぞって進出している。ひよ子(飯塚市。現在は福岡市南区)、千鳥屋(飯塚市)、さかえ屋(同)といった有力企業があるほか、成金饅頭(直方市の銘菓)、黒ダイヤ (菓子)田川市。現在は飯塚市で製造)、チロルチョコ(田川市。現在は本社を東京に移し、田川市で製造を行う)といった銘菓が発展した。
過疎地域

以下の自治体が過疎地域に指定されている。筑豊炭田の衰退により、現在も過疎化が進んでいる地域が多数ある。

田川市

嘉麻市全域(旧山田市嘉穂郡嘉穂町・嘉穂郡碓井町・嘉穂郡稲築町

田川郡川崎町

田川郡大任町

田川郡添田町


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