筑紫二郎
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、河川について説明しています。合唱曲については「筑後川 (團伊玖磨)」をご覧ください。

筑後川
久留米市域内一角から下流方
水系一級水系 筑後川
種別一級河川
延長143 km
平均流量94.09 m³/s
(瀬の下観測所(久留米市))
流域面積2,860 km²
水源瀬の本高原(熊本県)
水源の標高-- m
河口・合流先有明海
流域 日本
熊本県大分県福岡県佐賀県


テンプレートを表示

筑後川(ちくごがわ)は、阿蘇山を水源として九州地方北部を東から西に熊本・大分・福岡・佐賀の4県を流れ有明海に注ぐである。

河川法に基づき国土交通省[注釈 1]政令によって1965年(昭和40年)に指定された一級水系・筑後川水系本流で、一級河川に指定されている。流路延長143.0キロメートル流域面積約2,860平方キロメートルの河川で、規模としては九州地方最大の河川である。

筑紫次(二)郎(つくしじろう。“西国にある日本第2の大河”の意)の別名で呼ばれることもあり[注釈 2]利根川(坂東太郎)・吉野川(四国三郎)とともに日本三大暴れ川のひとつと言われる。また、上流部では田の原川・杖立川・大山川三隈川とも呼ばれる(詳細は後述)。
地理

久大本線夜明駅構内から見る筑後川(左奥)。ここより夜明渓谷を形成し夜明ダムへと至る。久大本線から(福岡県うきは市大分県日田市

熊本県阿蘇郡南小国町阿蘇山外輪山、瀬の本高原に源を発する[1]大分県に入り、日田市玖珠川を併せ西流。福岡県に入り筑紫平野を貫流する。久留米市西部あたりからは福岡県と佐賀県をまたぐように南西方向に流れるが、流路変更の影響で筑後川の北西側であっても福岡県であったり、逆に南東側であっても佐賀県であったりすることも多い。

筑後川における上流中流下流の区分については国土交通省河川局が作成した「筑後川水系河川整備基本方針」および「筑後川水系河川整備計画」で明記されている。すなわち、

上流:水源の瀬の本高原(熊本県阿蘇郡南小国町)から夜明ダム(大分県日田市・福岡県うきは市境)まで

中流:夜明ダムから筑後大堰(福岡県久留米市・佐賀県三養基郡(みやきぐん)みやき町境)まで

下流:筑後大堰から有明海河口まで

と区分される。上流部は新第三紀以降繰り返された阿蘇山噴火によって流出した阿蘇熔岩などの溶岩安山岩などを主体とする地質となっており、火山礫火山灰の堆積によって地層が複雑に形成されている。九酔渓や杖立渓谷など急峻(きゅうしゅん)な渓谷を形成する一方で日田盆地玖珠盆地などの盆地も形成される。大分県と福岡県の境界を成す夜明渓谷を過ぎると中流部になるが、上流より筑後川が運搬した土砂によって沖積平野を形成。広大な筑紫平野の基を築いた。下流部も基本的には沖積平野であるが、佐賀平野および柳川市周辺における流域では大化の改新以降連綿と続いた有明海の干拓による人工的な陸地形成も進められて、現在の形となっている。
分水界

筑後川の分水界は、上流部では阿蘇外輪山の北麓を主体としており、瀬の本高原より筑後川本流が、九重山より玖珠川が源を発している。阿蘇外輪山北麓に降った雨は概ね筑後川あるいは玖珠川に合流する。

一方英彦山から朝倉山塊の南麓に掛けて降った雨は花月川などの支流となって筑後川に注ぐ。日田市で玖珠川を合わせ、夜明渓谷を過ぎると北の朝倉山塊と南の耳納山地に挟まれるように流れるが、この間朝倉山塊南麓と耳納山地北麓に降った雨は最終的に筑後川へと注がれる。

筑紫平野は特に久留米市や八女市において筑後川上流から運搬された土砂などが堆積、沖積平野を形成して成立したが、矢部川上流から運搬された土砂も筑紫平野の形成に寄与している。

このため筑後川と矢部川が運搬した土砂は相互に堆積しながら筑紫平野の一部である八女平野・柳川平野の広大なデルタ地帯を形成し、その中間に存在する八女市付近は緩やかな丘陵となって、筑後川水系と矢部川水系の分水嶺となっている。八女市北部を流れる広川や花宗川は筑後川に合流するが、八女市南部の小河川は矢部川に合流する。

一方佐賀県方面より筑後川に合流する支流の多くは概ね背振山地南西麓を水源とし、筑後川あるいは分流である早津江川へ最終的には合流する。

なお、人工的に分水界を越えて水路が形成された主な例としては朝倉山塊と背振山地の中間部における分水嶺を越える福岡導水、筑後川水系・嘉瀬川水系間を連結する佐賀導水、および筑後川支流の津江川と菊池川支流の迫間川を連結する津江分水がある。
交通九州自動車道鳥栖ジャンクション[注釈 3]
縦に九州道が走り東へ大分道、西へ長崎道が分岐する。ジャンクションは宝満川支流である秋光川(右)・山下川(左)の間に挟まれる。画像は北が上となる。

筑後川は明治以前筑前国筑後国肥前国豊後国の境界をなしており、軍事上の要衝として活用されていた。このため江戸時代はを架けることが厳禁とされ、代用交通として水運が発達(後述)し昭和後期まで利用されていた。

モータリゼーションが高度に発達した現在、流域は九州地方を縦貫・横断する道路鉄道が交差する地域となっており、今もなお交通の要衝になっている。

流域を縦断するものとして道路では国道3号を筆頭に国道208号国道211号国道212号国道322号国道385号などの国道および県道九州自動車道があり、横断するものとしては国道34号国道210号国道264号国道386号などの国道および県道と大分自動車道長崎自動車道がある。

鉄道ではJR鹿児島本線西鉄天神大牟田線、九州新幹線が縦断し、JR久大本線長崎本線西鉄甘木線甘木鉄道が横断している。九州地方における流通の大動脈が筑後川流域に集中しており、こうした交通網を利用した工業団地流通団地が多く立地しているほか、福岡都市圏などへの通勤・通学客が多く利用する交通集中地帯でもある。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:153 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef