この項目では、園芸分野での播種について説明しています。病理学分野での播種については「転移 (医学)#経路」をご覧ください。
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播種(はしゅ)とは、植物の種子を播く(蒔く、撒く、まく)こと、つまり種まきである。それから転じて、種をばらまいたように、細かい点が無造作・無秩序にある状態を言う。本項では、本来の播種、園芸における種まきに関する諸々を述べる。 春まきのヒマワリ、サルビア、アサガオ、ホウセンカ、マリーゴールド、ヒャクニチソウ、ケイトウ、アゲラタムなどと、秋まきのパンジー、デージー、キンセンカ、スイートピー、ケシ、キンギョソウ、エゾギク、リビングストンデージーなど、それに夏蒔きのハボタンとプリムラがある。 園芸上は、発芽してから開花・結実して枯れるまで、一年以上・二年以内のものを二年草という。春播きのジギタリス、秋まきのカンパニュラがよく知られている。 球根も大半がタネも売られている。チューリップなどはタネから開花までに、5年ほどかかるが、北陸や東北地方でないと、開花する前にモザイク病にやられてアウトである。球根類でおすすめは、ダリアである。春播きすると、大輪でもポンポン咲きでも、すべて秋には開花する。花は、さすがに球根から作る豪華なものに比べると見劣りするが、十分に観賞価値のあるものである。そのほかグラジオラス、カンナや秋まきのフリージア、ラナンキュラス、アネモネも一年か二年で開花する。 意外に簡単にできるのが菊である。小菊は十分に切り花、とくに仏花に使えるものができる。厚物や管物などの観賞菊も、やはりタネをまいた年の秋に開花するが、重ねの良い大輪咲きはなかなか出ないようである。ガーベラやゼラニウムなどは、国内でもタネが売られており、播いた年に開花するが、他の宿根草も、開花までさほどの年月はかからない。 盆栽用の松柏類(コニファー)やカエデ、ハゼノキなどは、ほとんどタネから作られている。メタセコイアやユーカリのように、タネから1年で1メートル近くなるものもある。花木類は、開花までに2,3年から10年くらいかかるものまである。果樹類のタネも売られているが、これは品種ものを接ぎ木や挿し木で増やしたほうが断然良い。タネからまいたものは、果実が小さく、また味もまずいので、タネからは作らない方がよい。 サボテンはほとんど栽培業者が実生で栽培したものである。タネから直径5cmくらいの玉にするまで数年かかるが、それでも「金鯱」や「兜丸」などのサボテンが、双葉からだんだんそれらしい形に成長するのを観察しているのは興味深いものである。 サボテンも発芽には水が必要である。それに一般の草花より遙かに高い温度が必要である。小さな浅鉢に砂またはサボテンの培養土を満たし、6月から8月に鉢に蒔き、タネが隠れる程度に覆土し、芽が出るまでは受け皿をあてがい、日陰においておく。発芽したら密生したところを間引き、徐々に乾燥させてゆく。 多肉植物は、単子葉植物のアロエやリュウゼツラン、双子葉植物のベンケイソウ科やツルナ科のものなど、数十の科にまたがっており、タネの大きさも性質もまちまちである。
播種により栽培できる植物播種用のポット
一年草
二年草
球根類
多年草
木本
サボテン
多肉植物
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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